罪悪感も優越感も不要:慰安婦は日本の“国家ぐるみ”報道

 

きのうの共同通信にこんな記事(2019/12/6)があった。

慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強

日本はいまでも戦時中の慰安婦に関連する公文書を収集していたなんて、ボクはまったく知りませんでした。
その作業によって2017と18年度で、23件の新しい資料を集めたことが分かり、そこには「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」といった記述があったという。

なんだ。日本はしっかり過去の歴史と向き合って、真実を追求し続けていたのか。

資料を見つけて公表するのは隠ぺい工作の逆だから、ボクはそう思ったけど、この記事を読むとまるで日本が悪者のように見えてしまう。

専門家は「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいたことがはっきり分かる」と指摘する。1993年の河野洋平官房長官談話が認定した「軍の関与」を補強する資料と位置付けられそうだ。

 

まずはとりあえず、慰安婦問題について確認しておこう。
この新資料をはじめとして、

日本が20万人の韓国人女性を慰安婦にした。
日本軍は女性を強制連行した。
日本軍は少女を制奴隷にした。

といった説を立証する根拠は何もない。

慰安婦を移送したことに日本軍や外務省が関与していたのは当然で、国に気づかれないよう秘密に移送していたらそれこそ問題だ。

客観的な根拠は何ひとつなかったにもかかわらず、日本が河野談話で朝鮮人慰安婦を“強制連行した”と解釈されるようなことを言ったのは間違いない。
安易に韓国へゆずっても問題解決にならないことは、日本も謙虚に反省したほうがいい。

【日本は反省すべき】慰安婦強制連行を“認めた”河野談話

上の記事は資料と河野談話を結び付けているけど、慰安婦の中には日本人女性がいちばん多かったことについてはなぜか何も書いていない。
「日本は過去、韓国人(朝鮮人)女性ひどいことをした」という印象を読者にもたせることをねらいにしてないだろうか。

日本はこれまで慰安婦の存在や軍の関与を否定したことはない。
慰安婦はドイツ軍やフランス軍にもいたし、韓国軍やアメリカ軍、国連軍の軍人を相手にしていた女性もいた。

たとえば韓国軍慰安婦についてくわしく知りたかったら、下をクリックしてほしい。

韓国政府・軍は慰安婦に対して「あなたたちはドルを得る愛国者」として「称賛」したという。
慰安婦は前線に送られる際には、ドラム缶にひとりずつ押し込めてトラックで移送し前線を移動して回り、第五種補給品として韓国軍と共に米兵も利用した。

韓国軍慰安婦

これもまた、「国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいた」ことがはっきり分かる。

 

ただもし、こんなふうに縄で手を縛って女性を強制連行したり、「性奴隷」のような扱いをしたりすれば問題になる。

*KBS(韓国放送公社)は日本でいえばNHKのような放送局。

 

もちろん、「慰安婦制度はまったく問題ない」「日本は何も悪くない」と言っているわけではない。

50年以上も前のことを現在の価値観や常識から判断すると歴史が分からなくなるから、その当時の背景をもとに出来事を理解することが大事だと言いたい。
いまでは許されないことでも、この時代はこうした行為が法的に認められていた。
だからボク個人としては、韓国の政府と軍による“国家ぐるみの行為”を批判する気はない。

日韓の慰安婦問題については道義的な責任から、小泉元首相や安倍首相が心からのおわびを表明して、韓国側もそれを受け入れて問題の完全な解決が確認された。いまの日韓関係はその延長にある。

人道や責任についていうなら、こうした歴史があったことを受け止めて、未来に二度とそんな状況を作らないことだ。
必要なことは事実を知ることで、いまの日本と韓国には罪悪感も優越感もいらない。
慰安婦問題に関する日本発の記事の中には、慰安婦問題をまだ終わらせたくないようなものがときどきあって気になる。
いまでも日本がいまでも国家として資料を集めているのは誠実な態度だと思う。
内容的に新しいものは何もないのに、「国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいた」と報道するのは不公平ではないか。

 

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4 件のコメント

  • この記事にあるのは「酌婦」のお話で、字の通り、お酌をする婦人です。
    確かに、いかがわし意味で使用される場合もあります。
    慰安婦は慰安所ではたらいているのですから、宴席とは関係ないと判断できます。よって、この文章を慰安婦と結びつける事自体が、悪意的な印象操作ですよ。

  • 結論ありきで読者を誘導しているように思います。この記事は。
    慰安婦問題は2015年に解決したのですが、そのことにはまったく触れないでこの問題はまだ未解決と誤解をあたえるような記事です。

  • >「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」

    まあ、昔は「酌婦」という名で、実質的に体を売っている職業の女性が結構いましたからね。江戸時代なら宿場の「飯盛女」という奴です。慰安所は民間業者が経営していたものでしょうが、そこに軍の関与がなければ、戦地において安全と秩序が保持できないでしょう。慰安婦たちの健康管理(性病予防など)も軍の活動によるもの。
    ただし、慰安婦のうちで一番多かったのは日本人だし、当時の朝鮮半島は大日本帝国領土のうちであり、日本人も朝鮮人も分け隔てなく「官営慰安所の職業売春婦として雇用していた」のですから。非難されるいわれはないです。

  • 慰安婦制度は他国の軍隊でもありました。
    その移送や運営に軍や国家が関与していないものはないでしょう。
    当時の法や背景を無視して、現代的な価値観から非難しても無意味です。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。