【韓国の不買運動】“見出し詐欺”にだまされる日本人が続出

まずは韓国紙、中央日報の記事（2019.12.11）の見出しを見てほしい。
この一文を読んで何をイメージするだろうか？

外国観光客の減少に焦り…普段口にしない酒まで飲んだ菅官房長官

日本による対韓輸出の管理を強化を、韓国は「経済侵略」なんて呼んで敵意をあらわにする。
これは国際社会のルールにもとづいた対応だけど（だから韓国はWTOへの日本提訴を中断した）、韓国では「不当な圧力」とみられていて、いまも日本製品の不買運動がつづけられている。
その一環で数か月前から行われている日本旅行のボイコットで訪日韓国人は激減した。

そんな状況から上の見出しを読むと、「韓国人観光客の減少によって、菅官房長官は大きなストレスをかかえて酒に手を伸ばした」という印象を受けないだろうか？
菅官房長官がやけ酒をあおる姿を想像しながら記事を読むと、中身はぜんぜん違って、「これは印象操作じゃねえか！」という怒りがわいてくるシロモノだった。
ではこれからこの記事をくわしく見ていこう。

「2020年の外国人観光客の数を4000万人にする！」という目標を日本は打ち出して、菅官房長官はその責任者にあたる。
でも、この目標達成は韓国人のボイコット運動でむずかしくなったと記事は指摘する。

韓日関係の悪化で韓国人観光客が大幅に減少しながら、事実上「２０２０年４０００万人」という目標の達成が難しい状況だ。

韓国に対する輸出規制措置が実施された後、韓国人訪日客が大きく減ったことが最も大きな原因として作用した。

記事によると年末に発表される訪日観光客の数字によっては、「菅氏にとって新たな打撃になるのではないか」という見通しだ。

日本を「観光大国」にしたい菅官房長官は、まだ知られていない各地の観光資源を掘り起こすよう関係部署に発破をかけたという。

ここで、「普段口にしない酒まで飲んだ菅官房長官」が登場する。
日本観光を盛り上げるために菅氏は出張へ行くと、その地方の観光施設に足を運んでいる。

今年１１月に鳥取県を訪れた時は日本酒の酒造会社を訪問し、普段は飲まないというアルコールにも口をつけたという。

なんのことはない、これだけ。
やけ酒ではなくて、観光PRで地方の酒を飲んだだけだったでござるの巻。
そりゃ酒造メーカーを訪れたら、酒が苦手でも口をつけるぐらいのサービスはするでしょ。

ネットを見ると、「韓国の不買運動はガースーにそれほど大きなダメージをあたえのか！」といったかん違いをした日本人が続出中。

・外国観光客の減少に焦ったからって、こじつけもいいところ。
・そうであってほしい韓国人の願望
・タイトルがもの凄いミスリードだな
・結局、妄想と決めつけの話しかなくね？
・この前ラグビーＷ杯前なのに観光者もお金も増えてたじゃねーか
・全然焦ってなくて悔しいという内容だと読むべき
・韓国では不買運動で日本経済が苦境に陥ってる　と本気で信じられてるみたいだなー

2011年に621万人だった訪日外国人の数は、2018年には3119万人と約５倍に増えている。こうした流れを受けて、オリンピックがある来年は4000万人と攻めの目標設定をしただけのこと。
来年の目標達成についていま話題にする必要はない。

現状では、訪日外国人の数は過去最高を記録したという報告が上がっているところだ。

【訪日外国人】韓国人は減ったけど、数も利益も過去最高！

最近は外国人観光客の増加に観光地が対応できなくなって、「オーバーツーリズム」の問題が浮上している。
「もうこれ以上増やさないでくれ！」と思う日本人も多いはず。

全体的にみれば日本観光は好調で、「（菅官房長官が）外国観光客の減少に焦っている」というのは韓国紙の願望にすぎない。
「普段口にしない酒まで飲んだ菅官房長官」というのは、本当に酒好きな韓国人らしい表現だ。
読者受けをねらって勝手な解釈をして、前後を無視して強引にこじつけるから、日本人には詐欺のように見える記事が出来上がる。
こういう記事を書くということは、国民的な不買運動が日本には効いていないことに韓国があせっているということだ。
まあ、好きなだけ酒を飲めばいい。

おまけ

相手を自分の望む方向へ誘導させるために行う意図的な情報提供を「情報操作」という。
こんな報道には注意しよう。

・誘導的な質問をした後の回答のみを報道
・長いインタビューの一部を切り貼りして、発言者の意図と異なる趣旨の内容に編集して報道（言質による報道）
・根拠が薄弱なまま「○○の恐れがある」と不安のみを煽る報道
・事実と異なる報道を行った後、その取り消しを行わない
・アンケート対象の意図的な絞り込み、自由記述型にすべき回答欄を故意に多肢選択型にして結果を操作する
・マスメディアやその支援者に都合の悪い事実を報道しない
・情報源を「関係筋」として詳細を公開しない

情報操作・集団