今回の内容
・日本に象徴「ラジオ体操」には、日本の要素がない
・「体操」の始まり
・オリンピックという全裸のスポーツ大会
・日本に象徴「ラジオ体操」には、日本の要素がない
前回、今の日本で広くおこなわれているラジオ体操について書いた。
アメリカの保険会社がラジオ体操をしていて、アメリカでそれを知った日本人が「これはいい!日本でもやってみよう!」と思ったことがきっかけで、現在のラジオ体操が始まっている。
ラジオ体操はもともとは外国で生まれたもの。
それが日本で独自の変化をとげて、今では外国人から「日本の象徴」と言われるまで日本化している。
なんか不思議な気がする。
そもそも「ラジオ」も「体操」も外国で誕生したもので、「ラジオ体操」はアメリカ人が始めたものだ。
日本人はかかわっていない。
その始まりにおいて日本の要素はまったくないにもかかわらず、現在の世界では、「ラジオ体操は、日本の文化だ」と見られている。
なんか変な感じだ。
富士急ハイランドにある日本最大級の招き猫
「招き猫って中国のものでしょ?」と思っている外国人多くて驚いてしまう。
これは日本生まれなのに・・・。
・「体操」の始まり
ラジオ体操の記事を書いているときに、体操のことを調べてみた。
「体操は日本生まれではなくて、ヨーロッパで誕生したものだろうなあ」とは予想していた。
体操を英語にすると、「gymnastics(ジムナスティックス)」。
この言葉の始まりを調べてみたら、起源はなんと紀元前の古代ギリシアにまでさかのぼる。
古代ギリシア人が裸体で競技をする習慣のあったところから,〈裸体の〉を意味するギュムノスgymnosから派生したことばで,前5世紀ころから使われている。
(世界大百科事典 第2版の解説)
ということで、体操とは古代ギリシア人には「裸体で競技をすること」を意味した。
体操は英語で「gymnastics(ジムナスティックス)」といい、小学校や中学校にある体育館は、英語で「ジム(gym)」という。
日本中にある「スポーツ・ジム」の「ジム」も同じ。
それはいいとして、上の説明にあるこの部分に注目してほしい。
「英語のジムナスティックスgymnasticsの語源はギリシア語のギュムナスティケgymnastikēにさかのぼる」
インドの小学生
日本の小学生が使っているランドセルは、中国や韓国では「日本のもの」と見られている。
でも、ランドセルはオランダ語でもとは外国のものだった。
ランドセル
1885年5月学習院が生徒の馬車や人力車の利用を禁じて徒歩通学を命じた際に,学用品や弁当を持ち運ぶために着用させたのが,学校におけるランドセル使用の最初である。
(世界大百科事典 第2版の解説)
ランドセルは、伊藤博文が大正天皇に献上したことに始まるといわれる。
・オリンピックという全裸のスポーツ大会
英語の「gymnastics(ジムナスティックス)」の起源は、「ギリシア語のギュムナスティケgymnastikē」だった。
つまり、「裸体で競技をすること」という意味。
これを読むと、「体操って、何も身につけないで素っ裸でするのものだったの?」と不思議に感じるかもしれない。
けれど、現在のオリンピックの起源となった古代ギリシアの競技大会は裸でおこなわれていた。
まずは、オリンピックという言葉について。
オリンピックの語源・由来
その前身となるのが、古代ギリシャ時代にオリンピア(全知全能の最高神ゼウスの神殿があった場所)で、4年に一度開催されていたスポーツの祭典である。
(語源・由来辞典)
ということだから、「オリンピック」という言葉を日本語訳したら、「オリンピアのような」ということになるんだろう。
このスポーツ大会は不正を防ぐ目的で、真っ裸でおこなわれていたという。
「安心してください!はいてますよ」というレベルではなくて、全裸。
全裸スポーツ大会がオリンピックだった。
もちろん、現在では再現不可能。
英語の「gymnastics(ジムナスティックス)」は、これにつながっていのだ!
今回の復習
・体操を英語でいうと?
・体育館の英語は?
・ランドセルは、何語?
・ランドセルの始まりは誰と言われている?
答え
・「gymnastics(ジムナスティックス)」
・「gym(ジム)」
・オランダ語
・伊藤博文
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