19世紀末、朝鮮半島を旅行したイギリス人のイザベラ・バードは人々の信仰についてこう記した。
朝鮮人は自分を苦しめる災難をすべて鬼神のたたりに結びつける。取り引きの失敗、官僚の悪行、慢性・急性の病、貧困、地位や権力の失墜といったものは鬼神の悪意から生じるのである。
朝鮮人の家屋はここもあそこもいたるところが鬼神の支配下にある。鬼神は人生の節目節目にたたるので、朝鮮人が平穏でいられるかどうかは、鬼神をなだめることができるかどうかにかかってくる。
「朝鮮紀行 イザベラ・バード(講談社学術文庫)」
こんな迷信深い性質のせいか、はたまた、ほしいものを楽に手に入れたいと思うせいか、韓国には風水を信じる人がけっこう多いのだ。
友人の韓国人は、「李明博氏がソウル市長になって大統領にまで上りつめることができたのも、人生の節目で李氏が風水によって住む場所を変えたから、という話があります」なんて言っていた。
大地に流れる気(エネルギー)をうまく取り入れると、いいことが起こるというのが風水の考え方。
まあくわしいことはここを見てくれ。
風水(ふうすい)は、古代中国の思想で、都市、住居、建物、墓などの位置の吉凶禍福を決定するために用いられてきた、気の流れを物の位置で制御する思想。
韓国では会社のオフィスを移すときにも、風水と照らし合わせることは一般的にあるらしい。
そもそもソウルは風水的に最高の地だったらから、朝鮮時代にここが首都に選ばれたのだ。
景福宮の北にある白岳山(ペックァッサン)から気が流れ込んできて、景福宮はそのエネルギーを浴びつづけることができる。
韓国大統領府が白岳山のふもとにつくられたのも、偶然であるはずがない。
韓国人が風水を信じようが無視しようがどうでもいいけど、困ったことに韓国社会には、風水と反日という二つの思想が結びついた「日帝風水謀略説」というものがある。
これによると日本は統治時代、風水を利用して朝鮮民族の民族精気を奪おうとしていたのだ。
ああ、ご先祖はなんと恐ろしいことをしていたのか。
さて、そんな日帝風水謀略説の代表的な例として「日帝の鉄杭」がある。まあ、「呪いの杭」でもいい。
100年ほどまえ、日本が三角測量を行ったとき、山の頂上に鉄の杭を打った。
すると現代になって金泳三大統領は、「わが国民大多数は、日帝がわが民族精気を抹殺するために全国の名山のあちこちに鉄杭を打ち込んで地脈を絶ったことをよく知っている」なんて言って、国家事業として「日帝の鉄杭」の除去作業を行った。
でも実際には、当時の日本人は韓国人ほど風水を信じてなくて、韓国人の風水信仰が近代化の妨げになっていることに苦労していたのだ。
当時のソウル都市建設計画の施行責任者であった本間徳雄の苦悩を挙げている。朝鮮総督だった斎藤実が止めてしまえというほど、鉄道や道路の敷設は風水を断ち切るという理由で猛反発を受けた。
韓国ではいまでも「日帝風水謀略説」を信じる人がいる。
上の写真は昌慶宮(チャンギョングン)という王宮で、日本は統治時代、この建物と宗廟(朝鮮国王の祖先の霊を祀るところ)の間に道をつくった。それが現在の栗谷路。
そのことについて、2019年12月30日にソウル市が公開した資料にはこう書いてある。
朝鮮日報のコラム(2020/01/05)
ソウル市は資料を出して「栗谷路は、日帝が民族魂の抹殺政策に基づいて宗廟-昌慶宮を断絶させるため作った道路」だとした。道路一本が「民族魂」を抹殺したというのだ。前任の市長が推進していたこの工事を2013年に朴元淳(パク・ウォンスン)市長が大幅に変更した際も、ソウル市は「民族魂抹殺」を掲げた。
21世紀の「風水断脈説」
こんな信仰が現存すると同時に、世界的なIT大国でもあるというのが韓国だけの魅力。
にっくき日帝は韓民族の魂を「抹殺」をするために、昌慶宮と宗廟を断ち切ったというのがソウル市の公式見解。
それで数年前から「修復工事」が進められていて、昨年末にそれが完成した。
よく分からないけど日本がつくった道を緑地で覆って、その下に地下道をつくったらしい。
でももし、この地下道が押しつぶされる事故が起きから、風水的にはどうなんだろう?
縁起でもないか。
とにかくこれで、これから韓民族の精気がよみがえるかどうか見させてもらおう。
でも、「道路一本が「民族魂」を抹殺したというのだ」と書いているように、朝鮮日報はこの工事に否定的だ。
ハッキリいえば、「バッカじゃねえの?」と思っているだろう。
というのは、「21世紀に風水地理が市民の税金400億ウォン(約38億円)を飲み込んだ」とあきれた様子で書いているから。
そして、「韓国政府は国民の税金を軽く考え、ソウル市は市民の税金に染みた汗を見ていない」と壮大な無駄づかいを批判する。
日本人のボクもこれに心底同意だけど、韓国には「日帝風水謀略説」を信じる人は多いから、これが正しい税金の使い方となってしまう。
まあ韓国国内のことだから好きにせい。
ガンガン工事して、どんどん日帝残滓をなくせばいい。
イザベラ・バードが現在の韓国を旅したら、「韓国人は反日思想の支配下にある。韓国人が平穏でいられるかどうかは、日帝残滓を除去することができるかどうかにかかってくる」なんて書いたりして。
以下、おまけ
きのう1月8日、横領・賄賂などの容疑で起訴されてた李明博元大統領(78)に対して、韓国の検察は控訴審の結審公判で懲役23年を求刑した。これは一審の懲役20年より重い。
風水パワーをもってしても、韓国大統領をやめたあとの運命は変えられなかった。
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「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?
風水にこだわるのって中国だけじゃないんですね。 日本も家相を気にする人はいます。
北枕はよくないといわれていましたが最近では北枕の方が地球の磁力に沿うことになるので身体にいいとスピリチュアル系では言われていますよね。
上海のある会社にビルの設計を頼まれた設計士さんが大変だったもう2度と中国の風水にこだわる仕事はしたくないとネット記事で読んだことがあります。
香港には風水にこだわった有名なビルがありますよね? 1階の床が波打ってるんだとか。
京都や東京も陰陽術がかかっている都市だといわれています。
ヨーロッパにはそういうのはないんでしょうか?
日本が作った道を緑化公園にして別に必要もなかった地下道を作って風水を戻したのなら更なる発展が見込めるってことなんでしょうか? 楽しみですね(*^^*)
韓国はとにかく日本=悪の風潮が必要不可欠になっていますね。
韓国の民族教育と反日教育の行き過ぎが招いた結果でしょう。
韓国の反日教育は「日本は敵、北朝鮮は友人」「日米が南北分断させ、南北統一を妨害している」など正に北朝鮮式の洗脳教育と大差ありません。
とは言え、日本も日教組の奴隷化教育と大差ないと思います。
韓国の高校生が暴露した反日教育の実態は以下を参考にしてください。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/bunshun.jp/articles/amp/20011%3Fusqp%3Dmq331AQOKAGYAYXGtp_J-vyDugE%253D
タイやシンガポールにも中国系の人がいますし、その影響で東南アジアでも風水の考え方はあると聞きました。
「北枕の方が地球の磁力に沿うことになる」というのは初耳です。なんか日本っぽいアイディアと思います。
中国は共産主義で基本的に迷信はダメなんですけど、上海は風水や迷信を信じる人が多いらしいです。金儲け第一ですから。
香港には風通しがよくなるように、ビルの真ん中を不自然に開けているビルがあります。
北京、ソウル、京都は風水の四神相応にもとづいて設計されていますが、ヨーロッパでそんな考え方は一切ないようです。
いろんな欧米人から聞きましたが、首都の選定は住みやすさや防御のしやすさなど現実的な理由ばかりです。
日本の「風水謀略」対策でこれまで韓国はいろいろやってきましたが、いまのところ、これといった成果がみえません。実は出ているかもしれませんが、さっぱりわかりません。
今度こそ、楽しみにしてますよ。
ムン政権になってから反日傾斜がひどくなっていますが、その反作用で行き過ぎた反日を批判する人たちもでてきました。
正しい歴史にもとづいて日韓関係を改善しようと「反日種族主義」を書いた人などがそうです。
こういう声が大きくなるといいのですが。
ところで、「日教組の奴隷化教育」の具体的にはどんなものがあるでしょうか?
統治にあたり測量し、土地の所有者や耕作面積等を確定し境界マーカーとして鉄杭を打った。当時の住民は喜び協力的だったと書いてある記事を読んだ記憶があります。
現在は邪気になってるのですね(゜ロ゜;ノ)ノ
邪気払いに国費が使われるとか日本では理解されないように感じるのですが…
やっぱり理解出来ない国民情緒ですね。
ひとつの工事費だけで数十億ですから、いままで全国で日帝の「風水謀略」のためにどれだけ税金を使ってきたか想像がつきません。
そもそも「風水謀略」に根拠がありませんから、朝鮮日報もバカバカしいと思っているんでしょうね。
でも、国民情緒には逆らえない。
この工事費を日本に請求しないで韓国のお金でするなら、国内を好きに改造したらいいですよ。