死体を見たらスマホ撮影、日本人の“モラル崩壊”の原因は?

 

ネットを見ると、たまに「~へ行ったけど、中国人旅行客のマナーがひどかった」なんて書きこみがある。
でも、中国政府が自国民のマナー向上に力を入れているせいか、世界中からそんな声が上がっていたせいか、ここ数年でそういう声は日本のマスコミ報道やネットでは減っている。
そしてそれと入れ替わるように、日本人のマナー違反やモラル崩壊が指摘されるのを見るようになった。

たとえばきょねん10月、JR新宿駅で人身事故(たぶん飛び込み自殺)が起きたときのこと。
電車にひかれると人体は血と無数の肉片にかわるらしい。

そんなショッキングな現場を見せないように、現場をブルーシートでおおって関係者が“作業”をしていたところ、ブルーシートの内側にスマホを差し込んで撮影する人が続出。
この事態に駅では、「お客さまのモラルに問います。スマホでの撮影はご遠慮ください」と異例のアナウンスが流れた。

2018年には、目の前で車にひかれて倒れた人がいるのに素通りする人たちを見て、「周囲の人が無関心なのがびっくり」「いまの日本人はおかしくないか?」といったコメントがネットに上がった。
でも、昭和49年の日本人もそんな感じだったし、日本人には昔から他人にかかわろうとしないところがあるから、それは特に驚かなかったけど、死体をスマホで撮影してそれを制止するアナウンスが流れるいまの日本にはさすがに絶句した。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

スマホを差し込み死体を撮影。日本人の“民度”に日本中があぜん。

 

年が明けて1月6日のお昼ごろ、またもや新宿で“それ”が起きた。
JR新宿駅南口の歩道橋「ミロードデッキ」で、30代の男性が柱にマフラーをかけて首つり自殺をはかって亡くなった。
現場は大勢の人が行きかう新宿のど真ん中で、昼ごはんを食べに外へ出たサラリーマンやOLなどがこれを目撃している。
そしてこのときも首をつってぶら下がる人を見かけると、スマホを向けて撮影を始める人が何人もいて、そんな鬼畜の所業を見て多くの人が衝撃を受けた。
モラルを失った人間は死体よりショッキングだ。

ネットの反応を見たら、ほとんどの人がドン引きしている。

・轢死体とか首吊り死体を写真に撮ろうとは思わないわ
・スマホ普及してから人間おかしくなってきたよね
民度やばすぎ
・東京って終わっている
・新宿じゃないけど名古屋で人が首吊り自殺してた時は
若い女の子が笑いながらスマホで写真撮ってたよ。
・大阪の飛び降りの方が酷くなかった?
・人ってここまでおかしくなってしまうのか・・・
・人の不幸は蜜の味って言うだろ?
・これに懲りたらこれからは人前で自殺するなってことさ

もちろん、こんな現場に遭遇してスマホを取り出す日本人は例外的に少なくて、このときは助けようとしたり110番通報した人もいた。
でもいちばん多いのは傍観者だっただろうけど。

 

ごく少数ではあるけれど、去年の10月に続いてこれだから、こういう人間はいまの日本に一定数はいるということだ。
それにしても、死体を撮影して保存する目的が分からない。
あとで自分で見て楽しむためか、「こんなことあった!」と他人に見せるためか知らないけど、どっちにしても精神がゆがんで汚れている。

日本の神道では死を「穢れ」とする重要な考え方がある。
死者ではなくて死という現象が穢れだから、これは禊(みそぎ)や祓(はらえ)などの清めの儀式で浄化することができる。
一部ではあるけれど、いまの日本人のモラル崩壊の原因には、こういう日本の伝統的な価値観が崩壊しつつあることにあるのでは?

 

年に二回、夏と冬になると神社にこんな茅の輪(ちのわ)が登場する。

神道の考えでは、これをくぐれば心身についた半年分の穢れを払うことができる。
こういう伝統文化を大事にしていたら、死体より恐ろしい生者は現れないはずだ。

 

 

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2 件のコメント

  • 死が身近で起きないからでしょうね。 核家族化が原因のような気がします。 今は病院で亡くなることが多いので本当に家族で看取るということがなくなりましたから。
    きっとその人達は大好きな人を失う哀しみを知らない人達なんでしょう。 
    アニメのサイコパスでそういうシーンがあったけどだんだんそういう世界になっているのかもしれないですね(>_<)

  • 本当の死に接する機会が減って、ゲームやアニメなどでバーチャルな死を見ることが多くなったことで抵抗感が薄れているのかなあ、ともおもいます。
    身近にいる人を失った経験があれば、死体を見てすぐスマホを取り出すことなんてできないですよね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。