昭和の日本を何度もおとずれたフランスの人類学者レヴィ=ストロースはその印象をこう話す。
民族学者、文化人類学者として私が非常に素晴らしいと思うのは、日本が、最も近代的な面もおいても、最も遠い過去との絆を持続し続けていることができるということです
「日本賛辞の至言33選 (ごま書房)」
浮世絵などの日本文化に関心を持っていたレヴィ=ストロースは、1993年に勲二等旭日重光章を授与された。
日本は「世界最古の国」なんて言われることもあるほど、長い歴史と文化をもった国だ。
その一方で世界最先端の技術力をもっているから、日本社会をみて近代的な面と遠い過去の二面性を感じる外国人はいまでもいる。
さて、日本で働いていたインド人が今月末に母国へ帰国するということで、一緒にご飯を食べに行った。
彼は日本を去る前に、会社で2年間の日本経験についてプレゼンテーションをしなければならない。
会社としてはこれからもインド人社員と日本人社員の和を大事にしたいということで、彼から見た日本人のイメージについて話してもらいたいらしい。
それでインド人かどうかは知らないけど、そういう情報にくわしい外国人にアドバイスを求めたら、「これなんていいんじゃね?」とジャパントゥデイの記事(Nov. 1, 2013)を紹介された。
What defines the Japanese character?
日本人はどんな性格をしているのか?
この記事の内容にはインド人の彼もほとんど賛成で、日本風にいえば「我が意を得たり」といったところ。
ここで挙げられている日本人の性格のひとつに、「Preference for doing things by hand」(手作業を好む)ということがある。
公衆トイレでさえいろんな機能があるから、外国人はそれを見ただけで、日本社会にはハイテクが生活の隅々にまでいきわたっていることが分かる。
でも同時に、「plenty of things in Japan still get done the old-fashioned way」と、日本人は多くのことを古いやり方でやっていると指摘する。
たとえば履歴書の作成だ。
欧米ではペンで履歴書を書く人は単にコンピューターの使い方を知らない人で、履歴書はパソコンで作成して会社へ送るのが普通だけど、日本人はちがう。
日本社会には「字は人を表す」という考え方があるから、いまでも履歴書は手書きのものを求める会社がよくある。
これは書道の影響が強いせいなのか、「きれいな字を書く人は信頼できる」といった見方は韓国や中国にもあると聞いた。
手書きの文字のほうが誠意や気持ちが伝わるという考え方はいまでも日本にあるけど、最近は手書きで年賀状をつくる人は少ないし、年賀状も年々減っている。
でも履歴書ではまだ「ハンドメイド」が重視されていて、ネットを見るとどっちで書くべきか悩む人がたくさんいる。
今回話を聞いたインド人には、パソコンで会社の文書を作成してから、ハンコをポンっと押す手作業がとても日本らしいと感じる。
でもその文化のおかげで、片仮名のハンコはいい日本土産になると喜ぶ外国人は多いのだけど。
ボクから見ると、日本の社会から「doing things by hand」は減っていると思うけど、「最も近代的な面もおいても、最も遠い過去との絆を持続し続けている国」と感じる外国人はいまでも多いだろう。
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日本で一番遅れていると思うのが手書きの申請書関係ですかね。
役所でも病院でも会員カードでも、そこらへんのアンケートでも。。
自分の名前・生年月日・住所・電話番号は人生で何回書くことになるんですかね?
このITの時代何だから、スマホで翳せば共通事項は処理してくれるものが出てほしいものです。
特に役所では、印鑑証明と住民票と戸籍と1枚1枚書かなきゃいけないのは、アホなの!?って思いますよ。
そういえば、書類に自分の名前・生年月日・住所・電話番号を手書きで書くというのは昭和から変わっていないような。
これだけ時代が進んだのだから、このへんの手間は省けると思うのですけどね。