「世界で最も安全な都市」ランキング：トップ３に日本の２都市

1970年に出版された「日本人とユダヤ人」という本の中に、日本は水と安全がタダと書いてある。
このとき昭和から平成、令和と時代は過ぎていって、日本の社会はあらゆる面で変化した。
でも、水と治安はあまり変わっていない。
日本にいる外国人は「水と安全はタダ」とよく言う。

アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、タイ人、インドネシア人、インド人、トルコ人、ペルー人、ブラジル人などいろいろな外国人に日本の印象を聞くと、「信じられないほど安全だ」と口をそろえて言う。
中学校で英語を教えていた20代のアメリカ人女性は浜松の街でしこたま飲んで、へべれけになってアパートに戻って来た。
といっても、覚えているのは深夜１時ごろにバーで飲んでいたときの記憶だけで、目が覚めたらアパートの自室にいた。
手足にかすり傷があるから、いろんなところにぶつかりながら帰宅したことは分かった。
それはいいけど、困ったことに財布が見当たらない。
現金・カード・在留カードをすべてなくすとかなり面倒だ。
でも、どこで落としたのかさっぱり分からない。
とりあえず近所の交番に行って話をしたら、「これですか？」と警官が彼女の財布を取り出したのを見て、日本への永住を考えたと話す。

深夜に女性がひとりで歩けるし、落とした財布が中身そのままで戻ってくる。
こんな治安の良さは日本人の自慢のタネでもある。
では具体的に、日本の都市はどのぐらい安全なのか？

NHKがそれをニュースで報じていた。（2019年8月30日）

東京は最も安全性の高い都市英経済誌が評価

イギリス・メディア「エコノミスト」の研究機関が世界の主要都市の安全ランキングを発表した。
対象となったのは60都市で、犯罪発生率や自然災害による死者数などおよそ50の指標で評価された。
その結果、みごと東京が世界で最も安全性の高い都市と認められたのだ。
調査が始まった2015年以降、東京は３回連続でナンバーワンをキープしている。もはや東京は絶対王者。

東京が凶悪犯罪の発生率の低さで高評価を得たことはわかるけど、コンピューターウイルスの感染率の低さでも高評価だったというのがイマイチわからない。

ランキングは２位シンガポール、３位大阪と続く。
世界で最も安全な都市ランキングの１位と３位が日本がなのだから、日本は「世界一安全な国」といっていいだろう。
それ以下は、

４位アムステルダム
５位シドニー
６位トロント
７位ワシントンDC
８位コペンハーゲン・ソウル

という結果だった。

これにネットの反応は？

・東京が安全とか冗談だろ
日本の中で一番危険な都市じゃん
・大阪が３番目に安全なら、世界ってどんだけ恐ろしいんだろうな
・関東人は大阪にどんなイメージもってんだよ
普通に東京と変わらない
・ブエノスアイレスに行った同僚は、
ホテルの向かいにジュース買いに出た直後、頭をパイプか何かで殴られて金を取られた
・都営地下鉄で通勤してたら東京が安全なんて絶対思わないのにな
・まあ、中南米の都市とかリアルで北斗の剣の世界だからなあ

「水と安全はタダ」といっても、50年前といまの日本はやっぱり違う。
最近では警備会社やドライブレコーダーのお世話になる人も増えているから、安全も有料化しつつあると感じる。
でも母国と比べたら、日本の安全は完璧と評価する外国人は多い。
記憶をなくすまで飲んだという冒頭のアメリカ人が話をしていたとき、もうひとりニューヨーク出身のアメリカ人女性がいた。

「アメリカだったらあり得ない。前後不覚の状態で女性が深夜にひとりで歩いていたら、きっと無事に家には帰れない。財布が無事に戻ってくることもまったく期待できない」

日本の安全に救われた友人を見てそう話す。
水はともかくとして、治安の良さはいまの水準を維持していってほしい。
50年後の「世界で最も安全な都市」ランキングでも、日本の都市が１位と３位をしめるというのは理想的だ。
「日本はかつて、水と安全はタダと言われていた」とアニメの始まりみたいにはなりませんように。