いま日本でもっとも注目を集めているインド映画といえば、「SUMO」しか考えられない。
ある日、インドの海岸に日本人力士が漂着していて、それを発見した地元のインド人と力士の交流を描くハートウォーミングな物語。
そんなワケのわからないストーリーに、インド映画ファンの枠を超えて多くの日本人が興味を持っている。
まあ、予告動画を見てくれたまえ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
インド人の発想で相撲の映画を作ったら、日本人も興味津々だった
この予告編を見て感じた疑問はこんなもの。
なんでインド人は相撲の映画を作ろうと思ったのか?
そもそも日本の相撲はインド人に有名で、人気があるのだろうか?
この前インド人と三島食堂でご飯を食べに行ったときに話を聞いてみたから、これからそのことを書いていこうと思う。
*これは1人のインド人の意見だから、別の人に聞いたら違った答えが返ってくることもある。
まずインドで相撲はすごく有名だから、映画で取り上げることは珍しくない。
「SUMO」のように相撲を中心にした映画は分からないけど、いままでにもいろんな映画で力士は登場している。
彼はそんなことを言って、ネット検索してこんな動画を紹介してくれた。
相撲は日本の神事だけど特に敬意はなさそう。
このインド人の話では、インドで力士はどちらかというとこんなヒール(悪役)のイメージがある。
でも「SUMO」に出てくる力士はキャンディーをペロペロしていて、誰からも愛されるという設定だ。
相撲は日本の“格闘技”ということはたくさんのインド人が知っているし、これを日本のシンボルと思う人もいるらしい。
インド人は相撲を見て面白いと思うのかたずねると、「あれはすごく興奮する」と言う。
インドにはクシュティー(Kushti)という相撲とよく似た人気の格闘技があって、インド人は日本の相撲をクシュティーに重ねて見るからすごく興味がある。
インドの相撲「クシュティー」
格好はプロレスラーだけど、盛土の土俵の上で戦っているのは相撲と似ている。
相撲と同じく、クシュティーには宗教との結びつきがあった。
アカーラー (Akhara) と呼ばれる道場は寺院に併設されていることが多く、ヒンドゥー教の神で怪力を司るハヌマーン神が祭られている。砂を盛り、耕してふかふかにした土俵で戦う。
これがクシュティーの試合。
日本のプロレスのように各地をまわって見せるものかと思ったら、インドのいろんなところに会場があるから、観客はそこへクシュティーを見に行くという。
なんかタイのムエタイのようだ。
ということで、日本の相撲は昔から人気となじみのあるクシュティーとそっくりだから、インド人にとっては新しい格闘技には見えない。
でも、まわしを締めた巨体という日本の力士の見た目はインパクトが大きい。
相撲には「日本版クシュティー」としての親しみを感じるけど、インドにはない日本独特の要素がある。
そんなことで映画にでてくると、インド人はみんなよろこぶということだ。
毎回、楽しく読ませて貰っています。
往年の悪役レスラー「アブドーラ・ザ・ブッチャー」を思い出しました。悪役ながら人気が高く、多くのファンから愛されていたレスラーです。
インド人が力士を見る目は、日本人がブッチャーを見ていた目と同じなのかなと思いました。
そう言ってもらえると書いたかいがあります。
ありがとうございます。
私もプロレス団で下から、ブッチャーは知ってます。
たしかにあんな感じの愛されるヒールというイメージかもしれませんね。