外の人たちに静岡県を紹介するために、静岡を5分割した「ますいま(@Masuima_0911)」さんのツイートがちょっと前に話題になった。
他県民の方の為に説明すると、静岡って実際こんな感じで県としての統一意識がなくてバラバラなんです pic.twitter.com/favVwlK39T
— ますいまくん (@Masuima_0911) October 17, 2019
この5つの地域をすこし紹介させてもらおう。
静岡暫定政府:日本政府に認められた静岡県政府/微妙な位置なのも悲しさを誘う
東部連合軍:そこそこ知名度がある都市らの連合国/めちゃくちゃ南海トラフが怖い
伊豆の帝国:グンマー帝国の上位互換/観光資源が豊かで他県の人や東部連合国の人のお金で生きながらえている
ラブライブ教皇国:日本全国に点在するラブライバーの聖地/SuicaとTOICAの境目で観光客らを困らせるのが難点
そしていまボクが住んでいる「浜松独立共和国」はこうだ。
静岡で一番発展している都市/関西にも行けて関東にも行ける絶妙な立地で観光資源もある/名古屋にゴマすってる
静岡県で一番と言ってくれるのはありがたいけど、外国人が静岡市と浜松市を比べたら、たいてい「静岡のほうが栄えているな。浜松って駅の南がすごく暗いじゃん」と言いやがる。
「名古屋にゴマすってる」っていうのは何のことかわからないけど、浜松といえば、特に冬の浜松は「からっ風」なしで語ることはできないのだ。
県外の人に静岡のイメージをきくと、「暑さも寒さも厳しくなくて気候がおだやかだから、温厚な性格の人が多い。のんびりしている」といった声を聞く。
被害妄想かもしれないけど、「気候に恵まれてるから、静岡の人は軟弱だよねえ」みたいなことを言う人がなくもない。
いままでそれっぽいことを言われたことが何度かある。
(例えば佐々木、おまえのことだ。)
でもそう言う人たちは、「遠州のからっ風」という地獄をきっと知らない。
体育で運動場を走っていて、これが吹くと太ももに小石がバシバシ当たるから、みんなその場で止まって、くるりと回ったり足を上げたりして不思議なダンスをはじめる。
洗濯物は飛ばされるわ、整えた髪を一瞬で崩壊させられるわで、このからっ風は冬の悪魔。
インドネシア人も母国で経験したことのないこの風にはまいっていて、自転車をこいでも推進力と抵抗力が「五分五分」で前に進まないから、自転車から降りて歩いて学校まで行ったと話していた。
それでも浜松が気候に恵まれているのはたしかで、全国的に気温は低くはない。
雪なんてめったに降らないし、外に白いものが見えると小学生なら「おお~」と興奮する。
そして会社員は慣れない運転のために、田んぼにつっこむ。
そんな浜松でも、名物「遠州のからっ風」のために体感気温はかなり低いのだ。
からっ風とはおもに山を越えて吹いてくる風のことをいう。
山を越えるときに空気中の水分が雨や雪になるから、山を越えたときには空気はとても乾燥している。
そんな乾いた風が「これでもかっ」と静岡県西部に吹きつけるのが遠州のからっ風。
群馬県にも似たような「上州のからっ風」がある。
この建物は世界的に有名なロシアのエルミタージュ美術館。
エルミタージュ美術館はロシアの文化と芸術の都「サンクトペテルブルク」にある。
個人的にペテルブルグは日本でいう京都だとおもう。
ピョートル大帝がつくったことから「ペテルブルグ(ピョートルの街)」と呼ばれるという。
この皇帝はヨーロッパを参考にロシアを近代化させた君主で、日本史で例えるなら明治天皇か。
ペテルブルグの位置は見ての通り北海道よりも北、そこはかとなく北極に近い。
ペテルブルグの2月の平均気温は−5.8℃で、冬になると、ウィキペディアの記述では「時に-25度前後の日々が一週間程度続くことも珍しくない」という毎日が拷問のようなところ。
知り合いにペテルブルグ出身で、いま浜松市に住んでいるロシア人がいる。
きょねんの秋ごろ、そのロシア人に「これから日本は冬になるけど、ロシアに比べればぜんぜん寒くない。浜松は日本でも暖かいほうだから、あなたなら冬でも平気だよね?」ときいたら、「浜松の冬なんてぬるすぎ。ロングTシャツと上に一枚はおるだけで十分」と答えるものかと思っていた。
ところがどっこい(昭和の表現)、「いやいやいや。風がすごいじゃないですか。ペテルブルグは気温が低いだけで風がないんです。だから感じる寒さは浜松も同じぐらいですよ」と言うではないか。
これは結局、慣れの問題で、そのロシア人が北海道に行ったときは特に寒いと思わなったらしい。
単純に気温が低いだけの寒さならロシアで鍛えられているから、北海道の寒さは平気の平左(これも昭和臭がする)。
でも、からっ風は未知の寒さだったから、体感温度としてはペテルブルグとほとんど変わらない。
これを聞いて感動した。
いままで「浜松や静岡の人は気候に恵まれているから、穏やかでのんびりしているよねえ。(言外に、覇気がない。甘えているというニュアンス)」みたいなことを言われた経験があったから、「冬の浜松はペテルブルグに負けないほど寒い」というのはほめ言葉でしかない。
これから「浜松は温暖で恵まれているよね」と言う人と会ったら、「遠州のからっ風って知ってる?冬はロシアなんだけど」と言うことにしよう。
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焼津出身で現在は東京で働いている者ですが、こちらの冬もロシア人にも寒いと言われます。
風以外にも湿度も関係あるらしいですが、体感気温ではモスクワの冬の暖かい日と大差ないそうです。
朝起きたら冷え切った部屋の中で息が白くなって絶望した、というのは日本の冬の過ごし方に不慣れだったせいだと思いますけど(笑)
あと、私は焼津は静岡暫定政府の勢力圏だと思っています。
浜松の独立は認めません。
焼津には魚センターでお世話になってます。
アメリカ人はあそこで初めてエイヒレを食べて感動してましたよ。
ところでなるほど。
湿度も関係ありそうですね。慣れない寒さはやっぱりきついですね。
静岡市にライバル心はありますが、富士山の領有をめぐっては静岡市も浜松市もひとつになれます。
しかしホントに一体感がない県ですね。
4つの県境、3つの旧国、2つの文化、1つの県。
富士山という唯一のカリスマでのみ統一される日本のユーゴスラビアw
多様性のある静岡合衆国なんですよ。