前回、日本との合意を何度も破る韓国を、それでもなんとか擁護する親韓派の日本人の意見を紹介した。
徴用をめぐる問題については1965年の合意で日韓両政府が「完全かつ最終的に解決」したのに、韓国はいまになって蒸し返す。
なのに親韓派の人は、「いったん決めたことだから、と考えてはいけない」と言って日本に譲歩を求めて、「いかなる主張もすることはできない」という約束だったのに、「(いま)改めて問題を提起している」と韓国を擁護する。
そんな日本人とは反対に、読売新聞は日韓関係悪化の原因は韓国文大統領の「反日的姿勢」にあるとみて、今月2月にこんな特集記事をのせた。
[日韓の現場]文大統領の実像<1>「元徴用工」の利益 最優先
[日韓の現場]文大統領の実像<2>知日派意見 聞き入れず…「本心を代弁」 側近が発言力
「被害」を訴える原告側の言葉ばかりを聞いて、韓国の知日派の意見には耳を傾けない。
そんな独善的で一方的な文大統領の姿勢が韓日関係を崩壊へと導いている。
客観的に指摘されて怒ったのか、文大統領が読売新聞に反論した。
中央日報(2020.02.12)
文大統領「被害者中心主義は国際原則」…「強制徴用弁護人の思考」日本メディアに反論
韓国全般に当てはまるのだけど、特に文大統領は事実に弱い。
ちなみにこれは異例のことらしく、朝鮮日報はこんな記事を書いた。(2020/02/12)
中国に友好的な文大統領、日本のマスコミ批判に即座に反論
韓国全般に当てはまるのだけど、特に文大統領は中国に弱い。
さて、
「文大統領が過去の強制徴用被害者を弁護した経験のために被害者中心主義で一貫している」
「文大統領は弁護士の思考回路から抜け出せず、大局的な判断を下せていないのではないか」
といった読売新聞の指摘に文大統領は、「それがどうした」とばかりにこう言って開き直る。
「国連人権委員会など国際社会の確立された原則が被害者中心主義」
「慰安婦合意は被害者中心主義に基づかなかったため、国民の同意を得られなかった」
「(強制徴用被害者問題の)解決策を模索する上でも被害者の同意が最も大きな原則になる」
それが国際社会の大原則だからだ」
まず文大統領の「被害者中心主義」の偽善は慰安婦問題で明らかだ。
元慰安婦46人のうち7~8割が日本からのお金を受け取って解決に同意している。
NHKの番組「クローズアップ現代」(2017年1月24日放送)で元慰安婦の家族がこう話す。
ここまで時間がかかってしまった以上、(お金を)もらったことで終わりにしてほしい。
(お金を)受け取ったのだから(少女像は)撤去しなければならないと思います。
くわしいことはこの記事を。
「もう終わりにしてほしい」
「(少女像は)撤去しなければならない」
こんな思いを踏みにじって、「被害者の同意が最も大きな原則になる」と言って恥じないのが文政権。
2015年の慰安婦合意で「国民の同意を得られなかった」のは日本も同じで、ネットでは安倍首相を「売国奴」とたたく人が山ほどいた。
それでも政府が合意した以上、国内の不満には政府が立ち向かわないといけない。
日本はそれをして、韓国は日本へ押し付けた。
文大統領は「被害者中心主義が国際社会の大原則」とくり返し述べる。
でも、「最終的な解決」をした慰安婦問題や元徴用工問題で、韓国は日本からお金を受け取ったあとに約束を破った。
それを正当化できる「国際社会の大原則」なんて、どこの異世界から引っ張ってきたのか。
文大統領は韓国の大統領で世界大統領ではない。
人類や国際社会を語って、自分や国民を酔わせてごまかしている。
国際法を守ることが国際社会の原則で、独善的な被害者中心主義を叫べば免責されるわけではない。
ないのだけど、「いったん決めたことだから、と考えてはいけない」とか、「改めて問題を提起している」と合意違反の韓国を擁護する日本人はたくさんいる。
特に日本企業の財産が今月中にも現金化されると言われていて、デッドラインが近づいているせいか、日本に譲歩を迫るような意見を近ごろ目にする。
それに対して、文大統領の「国際社会の大原則」という勝手で便利な解釈、被害者中心主義という偽善を指摘する意見は少ないようにおもう。
読売新聞のように、文大統領が反論せざるを得ないような鋭い記事はいま特に必要だ。
こちらの記事もどうぞ。
> 「慰安婦合意は被害者中心主義に基づかなかったため、国民の同意を得られなかった」
それがどうした。当時の韓国政府の同意は得られている。
国民を代表している政府が同意したのであれば、それに従わない国民がもしいれば、それを説得して同意させるのはその政府の仕事だ。自分達の責任を他国へ押し付けるな。国際合意を守れ。
>国際合意を守れ。
この考え方を堅持するべきですけど、日本国内から「そんなかたくなな態度でどうする」と韓国への譲歩をうながす声も少なくありません。
それは心配ですね。