江戸時代に来日して、日本の自然を見たドイツ人医師のシーボルトは感動した。
「おだやかな海と晴れ渡った空とが一つになって、この地を輝くばかりに美しくしてみせていた。心地よい住居のある、なんと魅力的な海岸だろうか!なんと実り豊かな丘、なんと神々しい神苑であろうか!」
出島内において開業の後、1824年には出島外に鳴滝塾を開設し、西洋医学(蘭学)教育を行う。日本各地から集まってきた多くの医者や学者に講義した。
シーボルトの心を動かした美しい海を汚して、そこにすむ生き物を苦しめているのがマイクロプラスチックという超微細な物質。
水中や水面にあるマイクロプラスチックやそれに付着する有害物質を体内に吸収した魚は、いま日本でも見つかっているのだ。
牛島ほか(2018)によれば、2016年10 – 12月に日本の5つの湾と琵琶湖で合計197匹の魚を採取して検査したところ、うち74匹の消化管から140個マイクロプラスチックが検出されたとの報道がされた。
マイクロプラスチックが人体にどんな影響をあたえるのかはまだ検証中だけど、体内を掃除してくれるようなナイスな物質ではないことはたしか。
こんな魚がいるというのは、「寿司や刺身の民」には大きな問題だ。
いま世界は「脱・プラスチック」の方向に進んでいて、ガストでは数年前にプラスチック・ストローが撤去された。
どうなるかと思ったけど、慣れてしまえば何でもない。
その影響はコンビニ業界にもおよんで、ファミリーマートは7月からレジ袋の有料化を実施すると発表。
朝日新聞の記事(2020年2月19日)
コンビニ大手3社で有料化の方針を打ち出したのは初めてで、19日発表した。値段は今後決めるという。
ファミマ、7月からレジ袋有料に コンビニ大手で初
「袋もサービスのうち」と有料化に否定的な意見が多かったコンビニ業界だったけど、時代の流れには逆らえなかった。
そのうち他の大手コンビニもこうなるはずだ。
このニュースにネットの反応は?
・義務化だからしゃーない
・ファミマは家族だろ
家族から金とるの?
・チンしたアツアツの麻婆丼を持った瞬間ぶちまける自信あるわ
・ポイントカード提示で無料にするとかできねえのかね
・聞き分けのない老人との壮絶なバトルが観れそうだな
・こんな物今すぐ無くせよ。
ビニール袋はコンビニのサービスのひとつだけど、多くの外国人には不評だ。
イギリス人・アメリカ人・フランス人などの欧米人はもちろん、きょねん日本を旅行した台湾人も無料のビニール袋を「ムダ」「環境に悪い」「もったない」と切って捨てていた。
ケニア出身の環境保護活動家で、2004年に環境分野でノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんなら「MOTTAINAI」と言うだろう。
2005年に来日したとき、「もったいない」という日本語と運命的な出会いをはたして、マータイさんはこの言葉に惚れ込んでしまった。
これを英語にすると一般的には「wasteful」になるけど、これでは「もったいない」に込められた意識や感覚、概念を正しく表現できない。
この言葉を世界に広げたいと考えたマータイさんは結局、『MOTTAINAI』を世界共通の言葉とすることにした。
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「もったいない」のように、自然や物に対する敬意、愛などの意思(リスペクト)が込められているような言葉が他に見つからなかった。
消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、尊敬(リスペクト)の概念を一語で表せる言葉も見つからなかった。
この概念は日本にしかなかった。
マータイさんはトニー・ブレア英首相や南アフリのネルソン・マンデラ前大統領、ビル・クリントン前米大統領ら世界のVIPに『MOTTAINAI』のすばらしさを伝えて世界中にこの美意識を広げた。
アメリカのハーバード大学で行われた講演では、「日本人の知恵」としてこの言葉を紹介している。
コンビニやスーパーのビニール袋が有料化されても、なくなったとしても慣れたら問題ない。
いまの世界的な流れや日本の伝統的な考え方からしたら、これはもう役割を終えたのだ。
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元々袋の処理が面倒で昔から基本的には貰ってませんでしたが、今後は袋いらないですと言わなくて良くなるのは嬉しいですね。
気になるのは、昔は森林破壊に繋がるから紙袋は駄目、今回はビニール袋は駄目になったことです。
次の代替物は何になるのでしょうか。
昔から人間は必要に迫られるとと変な事を思いつく人が出てくるので再利用出来て環境に優しいそんな新しい袋が出来ることを楽しみにしています。
そうですね。
私もビニール袋はいらない派でしたから、ほとんど困りません。
業者は大変ですけど。
この転換期をチャンスと考える人もいるでしょうし、何が出てくるか楽しみですね。
レジ袋にしてもストローにしても、原材料コストがかかっているにも関わらずそれを「無償サービス」とするから、どんどん無駄に消費する人が増えてくるのですよ。日本人お得意の「自動販売機」で有償の提供物とすれば、本当に必要な人だけが買うようになるでしょう。「何でもタダで提供するのが消費者サービス」と考える旧態依然の発想が陳腐だ。商品の価格は、コストと利益を適切に反映させて決めるべし。
まあしかし、こんなことで、世界のマイクロプラスチック問題が解決するとは思いませんがね。海に漂うありとあらゆるプラスチックが一体どこから流れてくるのか、本気で調査して、その出所をなんとかしない限り解決は無理。レジ袋やストローなんぞ、単なる「環境運動家の象徴的な見せしめ」でしかない。
根本的にはプラゴミでもなんでも、ゴミを環境に捨てないようにしないとダメ。日本は、今までも、今後も、その点で世界の手本となってほしいものです。
たしかに無料では価値を感じないし、ぞんざいになるでしょうね。
ビニール袋は有料でまったくかまいません。