朝鮮戦争が終わったあと、それまで世界最貧困国のひとつに数えられていた韓国が、世界10位圏の経済大国に発展したのは1970年代の「漢江の奇跡」と呼ばれる急激な経済成長のおかげだった。
でも、無から有をつくり出せるのは神だけで、人の手による奇跡にはそうなるだけのワケがある。
漢江の「奇跡」のタネのひとつは1965年に結ばれた日韓請求権協定によって、日本が韓国にわたした5億ドルというばく大な経済支援金だった。
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韓国は日本からの受けた請求権資金・援助金で浦項総合製鉄、昭陽江ダム、京釜高速道路、漢江鉄橋、嶺東火力発電所などが建設されて最貧国から一転して経済発展した。
日本からの支援金や技術援助をもとに韓国の人たちが汗を流して、奇跡的な経済成長が可能になった。
このときの韓国人の努力は疑いようがないけど、いまの韓国を見ていると、まるで独力で奇跡を起こしたかのような思い違いをしているのでは?と思うことがよくあるのだ。
たとえば「漢江の奇跡」をベトナムに語るときには、日本がまるごと消えている。
朝鮮日報(2016年09月21日)
アジアの「新たな虎」として台頭してきたベトナムは今年、世界銀行基準で初めて「中進国」の仲間入りを果たした。
ベトナムにとって韓国の「漢江の奇跡(1970年代の高度経済成長)」は羨望の対象であり、学ぶべき対象でもあったプライドを失った民族と国に未来はない
まあ日本の話はここまでにして、ここからはベトナムに対する韓国人の見方を書いていこう。
韓国人的視点によると、ベトナム人は「漢江の奇跡」を見てうらやましいと思い、学ぶべき対象でもあった。
経済だけではなくて、文化の面でも韓国はベトナム人の“あこがれ”だったらしい。
『宮廷女官チャングムの誓い』や『星に願いを』といった韓国ドラマが人気を呼んで、ベトナムのカフェやショッピングモールに入れば店内にはK-POPが流れている。
中央日報/韓国経済新聞の記事(2018.03.26)を読むと、ベトナム人は韓流に夢中だ。
現地の人々に最も人気が高いのは、スタッフがその場で料理をして出すKフードコーナーだった。客の一人は「BIGBANG(ビッグバン)を好きになってからは月に一度はトッポッキやキンパプを食べにくる」と話した。
ベトナム、韓流熱風にも韓国製の消費は“微風”…SNSの積極的なPRを
ベトナムでの韓国人気は止まらない。
韓流ドラマにK-pop、グルメときて、昨年末の中央日報の報道ではスポーツにも韓流が押し寄せていた。(2019.12.27)
アイドルスターが起こした韓流と朴恒緒監督のサッカーブームに続き、今度は韓国ゴルフがベトナムに渡った。
サッカーで盛り上がるベトナム、次にはゴルフ韓流
その3か月後、韓国での新型コロナウイルスの爆発的流行によってすべてが一変。
ベトナムでいま韓国人はこんな屈辱的な扱いを受けている。
朝鮮日報(2020/02/2)
イムさんは「『ハングォク(ベトナム語で韓国)?』と聞かれたのでうなずいたら、店主が大声を上げて手を振って、出て行けと言った」と語った。ベトナムのソーシャル・メディアには、韓国(South Korea)と新型コロナウイルスを合わせた造語「サウス・コロナ」(South Korona)という単語も掲載されている。
中国・大連では韓国人宅住所がネットにさらされ、ベトナムで店主が「出ていけ」
ベトナム中部の都市ダナンでは、韓国人観光客がホテルでの宿泊を拒否されて病院に移送された。
ベトナム人にとっては韓国とは羨望や学ぶべき対象で、「韓流熱風」が吹き荒れていたのに、一瞬で隔離対象の「サウス・コロナ」になってしまった。
感染症の恐ろしさもあるけど、ベトナム人に対する韓国人の見方にも問題があったのだろう。
一見すると韓国好きのベトナム人が、なんで韓国製のモノは買おうとしなかったのか。
日本の協力を無視する態度は、ベトナムへの上から目線の態度につながっていたと思う。
「自分だけの力ではない」と分かっていたら、もう少し謙虚になっていたはずだ。
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>日本の協力を無視する態度は、ベトナムへの上から目線の態度につながっていたと思う。
>「自分だけの力ではない」と分かっていたら、もう少し謙虚になっていたはずだ。
ベトナムからの不興は、それだけが原因でもないでしょう。ベトナム戦争時に米国の援軍としてベトナム国内で暴れまわったこと、多くの韓国人兵士がベトナムの婦女子を強姦した結果「ライダイハン」をこの世に生まれさせたこと。韓国人に比べれば普段はあまり激しい憎しみを表に出さないベトナム人ですが、これらのことを忘れた訳ではないですよ。
それを忘れているのは韓国人だけ。
ライダイハン問題もありましたね。
ベトナム政府は経済的な観点から韓国と仲良くしたくて、その問題には触れませんが。
でも慰安婦問題よりもっと深刻な女性の人権問題です。