【金金金】中国人が拝金主義になったのは文化大革命のせい?

 

新型コロナウイルスの感染者が日本全国でてくると、その不安に便乗して悪事をたくらむ奴らも発生した。

マスク不足の状況を利用して、約3000枚のマスクを7万5000円で転売しようとする転売屋がいれば、電話で「下水道にコロナウイルスが付いているので洗浄した方がうい」と話して除去作業として約10万円をとろうする詐欺師もいる。

人の弱みにつけこんだりウソをついて金をもうけようとする、新型コロナとは別のウイルスに感染した人間が最近の日本でよくいる。
そんなひきょうな金もうけに政府も動いて、マスクの転売には懲役5年以下、または、300万円以下の罰金を科すことを検討している。
全国の転売ヤーは震えて眠れ。

 

 

金のためなら何でもやる、という悪しき風潮は少し前の中国で特にひどかった。

「中国人はダメですよ!お金のことしか考えてない。下水から人体に有害な油をつくったり、羊の肉と言って死んだネズミの肉を入れたり、金を手に入れるためなら平気で人をだます」と10年ほど前、中国旅行をしていたとき洛陽でお世話になった中国人ガイドが怒っていた。

このへんについてくわしいことはこの記事を。

危険②中国旅行、安い食べ物には要注意。「地溝油」という毒油を知ってる?

 

「昔の中国人はそんなことをしなかったのに」と嘆くその人は50代後半の女性で、中国人の「民度」が劣化したのは文化大革命のせいだと指摘する。

文化大革命とは、毛沢東が主導した1970年前後の政治・権力闘争のことで、この文革によって中国社会の秩序はめちゃくちゃになってしまった。
高校世界史ではこう習う。

文化大革命

全国的に社会機能は混乱し、流血の武闘によって数百万人の死傷者が出たとされる。(中略)80年、中国共産党による歴史決議で文化大革命の路線は完全に否定された。

「世界史用語集 (山川出版)」

 

文革での死者は40万人から1000万人以上と幅広い説があって、ウィキペディアには「これにより1億人近くが何らかの損害を被り、国内の大混乱と経済の深刻な停滞をもたらした」という説明がある。

 

 

文化大革命では中国の各地で「下剋上」が起きていた。
毛沢東を絶対的な存在と信じた紅衛兵と呼ばれる若い人たちが、「造反有理」(謀反にこそ正しい道理がある)を叫び、学校では生徒が先生や校長をつかまえては自己反省をさせたり、殴るけるの暴行を加えたりする。
中学生が先生を殺してしまう事件もあった。

宗教的な権威も否定されて神や仏は人民の”下”になり、紅衛兵が道教や仏教のお寺を壊しまくる。

*暴力や破壊を肯定する「造反有理」のスローガンは日本にも輸出された。

東京大学の正門には毛沢東の肖像画とともにこの標語が掲げられていた時期もあった。日本の新左翼が自らの暴動やテロ活動を正当化するスローガンとして使われていた。

造反有理

天安門広場に集まる紅衛兵(1966年)

 

「中国人はダメですよ!お金のことしか考えていない」と怒っていたガイドも、文革が起きたときは大学生で紅衛兵をしていた。
世界史用語集に書いてあったように、のちに中国共産党は文化大革命を誤りだったと完全否定する。

でも、ガイドとしてはやるせない。
文革時代には宗教も学校も否定し、政府(毛沢東)だけを信じるように言われてそうしたのに、いまは政府がそれを間違いだと言う。
これだと政府の言うことが明日どう変わるかわからない。
神も教師も政府も信じて否定された経験があるから、自分のような紅衛兵だった中国人にとって信じられるのは身内とお金だけになってしまった、というのがガイドの主張。

こんな価値観のなか中国は社会主義から資本主義になっていって、いまでは極端な拝金主義となり、金もうけのためなら人々は手段を選ばなくなった。

でも最近の中国は豊かになったから、もう下水油の話はほとんど聞かない。
でも、中国人に話を聞くと、最近の中国の風潮では信用できるのは政府や神より現金で、楽してもうけようとする拝金主義者が多いという主張には多かれ少なかれ賛成する。

 

 

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2 件のコメント

  • >神も教師も政府も信じて否定された経験があるから、自分のような紅衛兵だった中国人にとって信じられるのは身内とお金だけになってしまった、というのがガイドの主張。

    どうですかねぇ? 今も昔も似たようなものじゃないですか? そのガイドさん自己評価が高過ぎと思う。
    世の中に欠陥があると思うなら、他人のせいにせず、自分達が世の中を変えていくべきでしょう。
    (この点は、攻殻機動隊:草薙素子の主張に組することはできません。)

    魯迅の「阿Q正伝」とか見ると、少なくとも多くの中国大衆は昔から拝金主義的であったような気がします。もっとも、その「阿Q正伝」こそが毛沢東のお気に入りの小説だったそうですけど。
    共産主義思想によれば、資本主義(←この言葉、最近意味がよく分からなくなりつつある)を乗り越えたところ医社会主義があり、さらには共産主義があって、いずれも「宗教は麻薬」扱いされているそうです。なので、毛沢東の文化大革命と(宗教的価値観を喪失した)拝金主義が結びつけられたとしても決して不自然ではありません。

    ひるがえって日本社会では、伝統的価値観(≒社会的道徳)を完全排除するのではなく、ある程度はいつまでも残してほしいものですね。過激な宗教思想を嫌う日本人にはその知恵があると信じたいです。

  • これは文革時代から現代まで生きてきた中国人の意見ですから、日本人の見方とは違うところもあるでしょう。
    宗教が完全否定されたら、物質信仰に移行してもおかしくありません。
    日本は無宗教の人が多いですがお守りや祈祷はよくやります。
    伝統と現代的な価値観がうまくミックスされているように思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。