大統領が誇る韓国の“民度”。買い占めのない唯一の国の裏側

 

2~3週間前、日本全国のドラッグストアやスーパーからアレが消えた。

 

 

トイレットペーパーは十分な量を日本で生産されているから問題ないのに、「新型コロナウイルスの影響で中国の工場から来なくなる!」といったデマに流されて人々が買い占めた結果、日本中のドラッグストアがこうなった。
心がフェイクニュースで占められると、こんな不自然な空間が生まれる。

でも、新型コロナのせいで買い占めが起きているのは他の国も同じで、アメリカやヨーロッパではスーパーマーケットには長蛇の列ができて商品棚は空になっていた。
どこかの国のおばあちゃんが空っぽになった棚をじっと見つめている写真があって、あれには涙が出そうになった。

 

 

そんな混乱する世界をしり目に、卓越した素晴らしい「民度」を誇る大統領がいた。

朝鮮日報(2020/03/23)

「最近の韓国について『買い占めがない唯一の国』という評価が出ている」「文大統領が『これを成し遂げたのは、政府を信じて従ってくれた国民のおかげ』という点に言及した」と述べた。

文大統領「買い占めが起こらない唯一の国、国民のおかげ」

 

その評価は世界のどこから出ているのか。
それはとにかく文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこう言って、品のある国民の振る舞いをたたえて感謝の思いを伝えたとか。

たしかに日本をふくめて世界中で「買い占めパニック」が起きていから、国民がみんな聖人だった国はここだけかもしれない。

でも待ってほしい。
韓国では先月はじめ、国内でウイルス感染が確認されだしたころ、マスクやアルコール消毒剤が品薄になって、大量買い占めや売り惜しみが問題になり、そういう人間には厳罰で臨むことがきめられたはずだが?

産経新聞の記事(2020.2.5)

これらの行為は4月末まで禁止される。違反した業者は2年以下の懲役もしくは5千万ウォン(約460万円)以下の罰金を受ける。

韓国、マスク・消毒剤の買い占めや売り惜しみを処罰

 

このあと実際、約6億7800万円分という、日本では想像できないスケールのマスクを買い占めた業者が摘発された。

聯合ニュース(2020.02.14)

食品医薬品安全処はさらに調査を進め、この業者を物価安定法違反の容疑で告発する方針だ。

マスク411万枚買い占め 韓国当局が業者摘発(2月14日)

 

おまけに書くと、このころ韓国各地で消毒剤が盗まれる事件(中央日報いわく、“ボトル失踪事件”)が起きて、関係者が「良識ある市民意識を発揮してほしい」と頭を抱えていた。
ソウル市庁の場合はボトルの下に接着剤を塗ったり鎖で固定したりして、絶対的な盗難対策を取らざるを得なかった。
くわしいことはこの記事を。

【日本人と韓国人の違い】良識ある市民意識・信頼という資本

 

韓国が「『買い占めがない唯一の国』という評価が出ている」とか、「これを成し遂げたのは、政府を信じて従ってくれた国民のおかげ」と、4月の選挙を意識して大統領がリップサービスをした背景には、2年以下の懲役もしくは(約460万円)以下の罰金という厳罰があったのだ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

日本はどんな国? 在日外国人から見たいろんな日本 「目次」

外国人(アメリカ人とヨーロッパ人)との会話がで盛り上がる話題

 

2 件のコメント

  • あ~そういえば~なんかボトルが鎖につながれてるの持っていこうとしてる人がいたなぁ。
    日本と勘違いしてるのかも?
    マスクのことは知りませんでした。 6億円だして買い占めたんですか? すごいなー。
    別のことに使えばいいのに。 転売して倍にしようとたくらんだんだろうな。 残念でしたね。
    紙物は店頭に普通に並んでいますがマスクとアルコール関係は相変わらずないですね~。
    どこの国もいろいろとありますね。
    地元でコロナ患者さんが二人も出てしまいました。 どちらも海外出張でもらってきたみたいです。
    対岸~って思ってたのにびっくりしました。 でも普通に生活しております。

  • 韓国の場合、成功した結果に焦点を当てますが、その原因を無視することがあります。
    急激な経済的成長の漢江の奇跡も、日本の協力はほとんど言及されませんし。

    こちらでもマスクとアルコール関係はないです。
    これはまいりますね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。