【ビャンビャン麺】中国語で最も難しい漢字はどうできた?

 

漢字の国・中国では、伝統的に文字はすべて漢字で表わされてきた。
だからコカ・コーラもこの通り。

 

「可樂餅」と見ても何だか分からない人も多いと思うけど、これは台湾で「コロッケ」になる。

 

そんな中国語の中で、「最もむずかしい」といわれる漢字をご存知ですか?
そしてそれがいまセブンイレブンにあることも。

 

百聞は一見に如かず、この麺料理に刮目せよ。

 

この漢字は「ビャン」と読んで、

 

この漢字が二つに麺で「ビャンビャン麺」になる。

  

 

セブンイレブンで期間・地域(東京と千葉の一部)限定でビャンビャン麺が発売されていて、この凄まじい漢字がネットで話題となった。
*もう売ってないかもしれない。

ビャンビャン麺は中国西安(陝西省)の有名な麺料理で、写真のように平べったい麺が特徴になっている。ラー油や酢などをかけて食べるというから日本の麺料理とは違うけど、まー「西安のきしめん」と言って差し支えないだろう。

このビャンビャン麺、以前から日本でも知る人ぞ知るという「シークレット料理」だったけど、セブンイレブン・デビューするとは思わなかったようで、SNSでは「味の再現度は、コンビニの麺としてはすごい」という絶賛の声が上がっている。
本家の中国だってコンビニ商品にはなっていないはずだ。

これはテスト販売で客の反応しだいでは全国で販売されるかもしれないから、なんとか盛り上げて静岡のセブンでも販売してほしい。
そしたら購入は必至。

 

こんな店名を見たら、立ち止まってしまう。

 

本場のビャンビャン麺

 

画数でいえば58画の「ビャン」より下の「テツ」(64画)のほうが多いけど、これは龍を四つ書けばいいだけで言わば「質より量」だから、面倒くさいだけで難しくはない。

 

 

ビャンは中国人でも書ける人はほとんどいなくて、「一生書けるようになれない」とも言われる究極レベルの難漢字。
知人の中国人に聞いたら、この漢字はレストランのメニューでしか見ることはなく、この字を読めない人もいるから「biang」と読み方が付いているとか。

 

こぼ漢字は古代からあるわけではなくて、成立はわりと新しいようだ。

清代の康熙字典に見当たらず、20世紀までに出版された陝西方言の研究書や漢字研究書にもみられないため、かなり新しく作成されたものと考えられる。

ビャンビャン麺

あまりも複雑なため、中国にはこの漢字を覚えるための歌もあるのだ。

「一点儿冲上天,黄河两道湾,八字大张口,言字往里走,东一“扭”西一“扭”,左一长右一长,中间坐个马大王,心字底月字旁,楔个钉子挂衣裳,坐个车车到咸阳。」

日本語訳だと、「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。東に一ひねり、西に一ひねり、左に長一つ、右に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに服をかけ、車に乗って咸陽へ向かう。」になる。

 

この漢字について中国人に聞くと、ある人がこんなメッセージをくれた。

「Long years ago,a scholar went for a examination of feudal dynasty.He is so hungry and found a ramen-shop,but didn’t have money to pay for it.Then he figure out an idea which is using a character (which pronounce biang-biang like sound from hungry stomach)to pay for the noodles,and the shop owner aggreed it.Afterward ,it became more and more famous.」

むかし中国で試験会場に向かっていた学者(たぶん科挙の受験生)が、空腹で倒れそうなときに一軒のラーメン店を見つけた。
でもお金を持っていなかった彼は、漢字を考案することでラーメンを無料にしてもらうことを申し出る。
すると店主が了承。
「ビャンビャン」というのは、空腹になったお腹から聞こえる音らしい。
*日本語でいう「ギュルギュル~」とか「グウゥ~」だろう。
これが有名になっていったという。

 

「mentalfloss」という海外メディアの記事(May 15, 2013)には、ビャンの由来についてこう書いてある。

biáng is not a syllable in Standard Mandarin but an onomatopoeia for the sound of noodles slapping on the table as they are being made, or for the lip-smacking sound of people contentedly munching on them. There are different theories about how the character came to be, but the most plausible one is that the owner of a noodle shop made it up.

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「biáng」は標準となる北京語ではなく方言で、麺を作るときにテーブルの上に叩きつけるときの音や、麺料理に満足した人が出す舌鼓の音など由来は諸説ある。
でも最も説得力があるのは、麺屋の店主が作ったという説だ。

ボクもこれに賛成で、西安にいた店主が客寄せのために作りだした漢字だと思う。
でもパワーワードとしては最強クラスで、現代の中国人や日本人の注目を集めるには十分だ。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。