【外国人から見た日本語】文字や助詞、敬語はこんなに難しい!

 

フェイスブックには、日本語を学んでいる世界中の外国人が集まって教え合うグループがある。

「外国人はどんなふうに日本語を学んでいるのか?」
「日本語学習では、どこがどう難しいのか?」

個人的にそんなことに興味があったからたまにのぞいているけど、これがなかなか面白い。

例えばこの前、ある人がこんな質問をメンバーに投げかけた。

「What is your favourite Japanese Language word?」
(あなたの好きな日本語はなんですか?)

これに対する外国人の答えが本当にバラエティー豊か。

・私失敗しないので
・Itadakimasu
・いえいえ
・”入ってもいいですか?”
・あげぽよ
・インシャモーシン
・Omae wa mou shindeiru
・アレルギー
・NANI!!!!! なに。 that was the first word i hear constantly while watching anime
・Yare Yare

たしかにアニメを見ていると、よく「なに!」という言葉が出てくるからそれは分かるとしても、「インシャモーシン」ってなんだそれ?
きのうの記事で書いたメキシコ人の「コカコル」はコカコーラだと分かったけど、「インシャモーシン」は何を誤解したのか元の日本語がまったく分からない。

 

またこんな質問もあった。

 

漢字の「カ(ちから)」とカタカナの「カ」、漢字の「工(こう)」とカタカナの「エ」だと、文字だけなら日本人でも違いを見分けるのが難しい。

日本語には漢字・カタカナ・ひらがなの3種類の文字があって、しかもひとつの文章でそれぞれを使い分けながら書くから、日本語を学びたての外国人には難しく見えるのだろう。

 

質問ではなくて、こんな感謝のメッセージもある。

 

さてこのグループの外国人の日本語レベルは平均的にこのぐらいだけど、ときどきとんでもない逸材もいる。
この外国人の質問はかなりハイレベルだ。

I have a question about 2 sentences :

(My house has a garage)
私の家にガレージがある。
(My house doesn’t have a study)
私の家には書斎がない。

Why is there in the second one 2 particules one after the other : には ? Is it possible ? Shouldn’t it be only に like in the first sentence?

簡単にいえばこの人は、「に」と「には」の違いについてたずねている。
「私は」と「私が」の違いもそうだけど、助詞の適切な使い方は外国人にはかなり難度が高い。
この説明を求められたら、たいていの日本人は死んだふりをすると思う。

 

最後は初心者の質問だ。

 

「アイ・ラブ・ユー」を日本語で何というのか?(so muchは省略)
いまの日本人ならそのまま言っても通じるけど、とにかくこの簡単な質問にはいろいろな答えが寄せられていた。

「わたしはあなたを愛しています。」
「ぼくはあなたを愛している。」
「おれはおまえを愛している。」
「わたしはあなたを愛する。」

自分と相手を表す言葉は英語なら「I」と「you」のみだけど、日本語には「私、ボク、おれ」、「あなた、君、おまえ」などいろいろあるから上のように正解も複数ある。

日本語の一人称と二人称は相手との立場や関係、性別なんかで変わってくるし、それに応じて語尾も「いる」「います」などと変化する。
外国人には、こうした状況に応じた敬語の使い方が難しい。

質問者の外国人は「I love you」の日本語が分からないビギナーで、この反応は予想外だったらしく、「ちょ、ちょっと待ってみんな。どれが正解なの?」と戸惑っていた。
これで「全部正解です」と言われるのが一番困るかも。まーがんばれ。

 

漢字・カタカナ・ひらがなの文字や助詞、相手との関係や場に応じた敬語は、日本人なら自然と身に着けるものだけど(それができない人もいるけど)、日本語を学ぶ外国人を見ていると、これを意図的にマスターするのは本当に難しそうだ。
でもがんばれ。

 

 

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3 件のコメント

  • んー、言語学の上での誤解もありますね。英語は現在、事実上の世界標準語ではあるけれども、必ずしも英語の表現方式が世界の言語で標準じゃない。日本語の方が世界で多数派であるような点も多々あるのですよ。とかく英語だけを絶対視しがちなのは、日本人の先入観・偏見ですね。
    まず、英語の人称代名詞、特に1人称と2人称が極めて少ない(Iとweとyouしかない)のは、世界でも稀だと思います。外国人には覚えやすくていいですけどね。たとえば、ラテン語系統の代表格であるフランス語だって、vous(あなた)とtu(あんた)の2種類があります。日本語はもっと多いですけど。
    副助詞「は」をつけるのは、単なる主語や題目語を示すだけでなく「強調」する意味があります。なので、「私の家にガレージがある。(でも)あなたの家には(ガレージが)無い。」といった、対比を強調する用途で使われる場合が多いです。その他の場合もありますが。
    「インシャモーシン」は私にも何のことだか分かりません。「医者盲信」かな?

  • それともう一つ。日本語はひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字など文字の種類がめちゃくちゃ多くて、韓国語のようにその規則性はあまりないですから、読み書きがとても難しい。その通りです。
    でもその一方、日本語は発音が極めて簡単、おそらく世界でもトップクラスの簡単さです。なんてったって母音が5種類、子音が原則10種類(プラス濁音、半濁音、拗音で約20種類)、しかもその組合せが整然と50音に並べられるのですから。つまり読み書きできなくても、会話は簡単だってことです。どの外国人でもだいたい1日で簡単な会話ができるようになります。
    英語なんて音節が二千種類以上(英米人も正確には知らない)あって、しかもその表記が一定じゃない。たとえば photo もあれば foto もある、through もあれば thru もある、you もあれば1文字で「u」もあったりする。日本人にとっては漢字を暗記で覚えるようなものです。スペルと発音の対応が不規則で覚えるのがひどく面倒で難しい。
    中国語の発音はもっと難しいですよ。英語のような子音+母音+アクセント(ストレス)に加えてさらに、「四声」という音程要素があるからです。ドレミで表現すると、1声(平音「ラー」)、2声(上音「ソラー」)、3声(去声「ソーファラ」)、4声(入声、「ラーファ」)みたいに。なお四声は北京語の場合で、広東語では、さらにこれが八声になるとか!
    音痴な人じゃ中国語はマスターできませんね。

  • ここでは日本語を学ぶ外国人が困っていました。
    彼らや日本人が「英語だけを絶対視しがち」かどうかは分かりません。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。