日本のはるか南には、美しい花やおいしいフルーツにあふれていて、危険な動物や不快な虫はいない夢のような島がある…。
作家の森村桂はその島をニューカレドニアとして、1960年代に『天国にいちばん近い島』という作品を書いた。
ガンダーラのようなユートピア伝説の南の島バージョン。
その後、この作品は原田知世さん主演の映画にもなって、「天国にいちばん近い島」という言葉はいまではすっかりニューカレドニアのキャチコピーとして日本に定着した。
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ニューカレドニアは日本からは非常に遠く、当時はまだ馴染みのない国であったが、この映画のおかげでブームをひきおこし、日本人観光客が増え
ニューカレドニアは四国と同じぐらいの大きさの島で、カンガルー帝国の東にある。
ニューカレドニアのビーチ
1774年のきょう(9月5日)は、イギリス人のジェームズ・クックがニューカレドニアを「発見」した日だ。
*ちなみに『進撃の巨人』のハンジさんの誕生日でもある。
「カレドニア」(Caledonia)というのは古ラテン語でローマ帝国時代、いまのイギリス北部(ほぼスコットランド)はカレドニアと呼ばれていた。
この言葉はカレドゥニー族に由来するという。
探検家のジェームズ・クックが1774年に南太平洋で新しく見つけた島を見て、「ここは山が多いし、スコットランドに似ている」と思い、「ニューカレドニア」という名前を付けた。
現地の地理感覚からすと違和感ありまくりだけど、ニューカレドニアとは「新しいスコットランド」という意味なのだ。
「地球上でヨーロッパこそ至高!」というごう慢なカン違い、ヨーロッパ中心主義の表れだろう。
「天国にいちばん近い島」と呼んだ日本人とはセンスがちがう。
先ほどの地図を見るとニューカレドニアの上にバヌアツ共和国がある。
バヌアツも以前はクックが名付けた「ニューヘブリディーズ(諸島)」と呼ばれていたのだけど、1980年に独立したときに、現地の言葉で「われわれの土地」を意味するバヌアツになった。
ニューカレドニアは2018年にフランスからの独立の是非を問う住民投票をしたけど、結果は独立反対が過半数となって独立を拒否。
だからいまでもここはフランスの海外領土になっている。
天国にいちばん近くに住んでいる人たちは、国籍という俗世のことはあまり気にしないらしい。
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> ニューカレドニアとは「新しいスコットランド」という意味なのだ。
>「地球上でヨーロッパこそ至高!」というごう慢なカン違い、ヨーロッパ中心主義の表れだろう。
それは違うと思いますよ。
探検家クックのように、故郷を離れて何年も船旅をしていて、ある時自分の故郷(ヨーロッパ)に少しでも似ている地を発見したとしたら・・・。嬉しさと懐かしさのあまり、それを「ニュー・スコットランド」と名付けたとしても全く不思議ではありません。ごく自然な考え方でしょう。ニュー・ヘブリディーズ諸島、ニュージーランド、ニューヨーク、ノバスコシア、いずれも同じように「新たな~」という由来の名前です。
日本人だって、同じように、移民先でふるさとの名前をつけています。たとえばアメリカ太平洋岸ワシントン州にあるレーニア山は、地元の日系人に「タコマ富士」と呼ばれていました。同様に、日本人移民のいるところで独立峰の火山があるところでは「~富士」と呼ばれる場合がとても多いです。
>天国にいちばん近くに住んでいる人たちは、国籍という俗世のことはあまり気にしないらしい。
バヌアツではそれなりに独立して独自の国名を冠するだけの理由が、またニューカレドニアはフランスから独立したくないというそれなりの理由が、現地の人々にはあったのでしょう。俗世のことを気にしないどころか、気にしていたからこそ、住民たちはあえて「独立しない」という選択をしたのだと思いますが。
トルデシリャス条約のように、当時のヨーロッパ人には世界を支配することを当然視する考え方がありました。
地名の命名は所有の表れでもあります。
でも日本人の場合、その地にある山にニックネームを付けたとしても、その土地全体を支配していたという意識はありませんでした。
ヨーロッパ人の意識とは違います。
思う/思わないは個人の主観によるので、それぞれ違っていても間違いではありません。