知人のアメリカ人が日本の中学校で英語を教えていたころ、彼女は毎日給食を、きっと学校中でいちばん楽しみにしていた。
どんな食べ物がでてくるか分からないし、自分だったら選ばなかったけど予想外においしい食べ物もあるから、給食には「ガチャポン」のようなワクワク感があるらしい。
学校給食ではじめて知る日本料理もたくさんあって、そのひとつがこれ。
食物繊維やカルシウム、鉄などのミネラルが豊富なひじきは日本ではむかしから、「食べると長生きする」と言われていて、敬老の日にちなみ9月15日は「ひじきの日」になっている。
欧米では海草(sea grass)も海藻(seaweed)も食べることはめったになく、そのアメリカ人も勤務している中学校ではじめてひじきという不思議な日本食と出会った。
てか、海外にもひじきは伝わっているのか?
と思って英語版ウィキペディアを見てみると、幕末の1867年には”hijiki”という単語が辞書にあったという。
そして1960年代から「ひじき」という言葉はアメリカで広く使われはじめ、マクロビオティック運動の影響を受けて、日本から輸入された乾燥ひじきはアジア系アメリカ人の食料品店などで扱われるようになったとある。
Starting in the 1960s, the word “hijiki” started to be used widely in the United States,and the product (imported in dried form from Japan) became widely available at natural food stores and Asian-American grocery stores, due to the influence of the macrobiotic movement
70年代には日本食レストランの増加とともに、アメリカでひじきを食べることも増えたとか。
もともと英語圏では、日本に比べれば海藻を食べる文化はないも同然だったから、英語では海草も海藻もまとめて「seaweed」と呼ばれることが多いけど、最近では健康に良いということでこれが見直され、食べる人も増えた結果、Seaweed(海の雑草)ではなくてSea Vegetable(海の野菜)とワンランク上の言い方もされるようになった。
ただひじきには、発癌性のあるヒ素が他の海藻類より多いという報告があるのも事実。
それに対して日本の厚生労働省は、適度に食べれば問題はないという見方をしている。
その具体的な数値はここをどうぞ。
イギリスのどこかだと思うけど、海藻をパンに塗って食べることがある。
日本の中学校でひじきと対面したアメリカ人は、「見た目がすごく気持ち悪くて(グロテスク)、かなり引いた」というものの、おそるおそる口に入れてみたら意外とおいしいし、大好きなご飯とも合う。健康に良いなら、この選択はありだ。
それでそれ以来、たまにスーパーでひじきを買うようになったという。
そんな海の野菜・ひじきについて外国人に聞いてみたら、思いのほか好評だった。
・I’ve never seen seaweed salad that looked like this. It looks good to me though.
・It’s awesome. I like especially on really hot days. Still good anytime of year. 👍
・I have eaten it. It’s good.
・I’ve had it before, I personally like it xD
・I’m from Canada and have never seen or heard of it here… but I lived in Japan and liked it a lot. Not only is it healthy, but yummy too! I can see people being turned off by it’s appearance at first, but I’ve always liked trying new things.
・大好物です!ご飯と最高、おかすがない日にスーパーで簡単に手に入るからよく買ってる😆ひじきさんの為の日もあるなんて凄いね!知らなかった。
・Delicious😋
もちろ絶賛ばかりではなく、こんな意見も。
・I’ve never had it, or heard of it. It also looks gross to me…that’s probably a common reaction for Americans.
・What is it?Why does it look like bugs?
「虫のように見える」ってまじか!と驚いたけど、カンボジアで「グロテスク!」と思ったクモのフライは、いま思えばひじきに見えなくもない。
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ひじき大好きです。
子供の頃はよく食べていました。
最近は和食店にでもいかないと食べなくなりましたが、これを機に買ってみようと思います。
ふと思うと野菜等は海外のものも多く流通していますが、海藻となるとあまり海外のものはないような気がします。
自分が知らないだけの可能性もありますが、今後海藻コーナーに行った際は外国の海藻を探してみます。
外国人に聞くと、見た目はダメでも味は良いという人が多いです。
海藻を食べる文化は日本や東アジアが世界で最も盛んじゃないかと思います。