欧米人から見た清潔大国・日本:手洗い習慣が身に付いたワケ

 

きょう10月15日は「世界手洗いの日」(Global Handwashing Day)。

感染症を防止するためにユニセフなどが、石鹸を使った正しい手洗いの方法を世界に広めるためにこの日ができたらしい。

ということで手洗いの踊りを見てみよう。

 

 

さて、いまフランスが大変だ。

新型コロナの感染が再び拡大していることで、政府は(何度目?)の非常事態を宣言して、パリなどで夜間外出の禁止を決定。

FNNプライムオンライン(2020年10月15日)

マクロン大統領「(新型コロナウイルスを)コントロールできなくなったわけでないが、懸念される状況だ。われわれは夜間外出禁止を決めた」

パリなど9都市 夜間外出禁止 非常事態宣言

 

10月に入ってからフランスでは、1日の感染者が2万7,000人にのぼるなど、日本とは二桁ちがいで感染拡大が深刻化しているという。
これを受けて仏政府はパリをはじめ9つの都市に対し、17日から4週間は(延長アリ)、午後9時から午前6時までの外出を原則禁止すると発表した。
これに違反したら約1万7,000円の罰金が科されるとか。

まるで「パリは燃えているか」という非常事態ですね。

 

フランスといえば韓国メディアに今年2月、コロナの感染が広がっているのに、国民が手を洗ってくれないと仏保険当局がなげいているという記事があった。(2020-02-27)

코로나19 사태에도 손 잘 안씻는 프랑스인들

韓国人の感覚では、フランスで「手洗いの重要性を積極的に推進しているのは驚くべきこと」という。つまり衛生意識が鈍いと。
フランスで行われた世論調査によると、保険当局がくり返し言っているのに、バスや地下鉄などの公共交通機関を利用したあとに手を洗う成人は40%以下だった。
ほかに、

トイレのあとに手を洗うと答えた人は71%(男性68%、女性75%)
食事の前に手を洗うという人は67%(男性62%、女性70%)

という結果が判明。

フランス国民は個人の権利や自由を尊重しすぎて、もうわがままレベルに達しているせいか、コロナウイルスが広がっていて「保健当局の勧告にもかかわらず、衛生の基礎的な規則さえ守られていない」という状態だ。

ちなみに毎日シャワーを浴びる成人は76%(男性71%、女性81%)で、これが失業者だと60%、農村に住んでいる場合は59%だったという。

仏メディアのル・フィガロオンライン版は「フランス人は不潔だという汚名を持っているが、このようなイメージは相変わらず身体に染み付いている」と指摘した。
今回の感染再拡大にもこれが影響しているはずで、その結果、外出禁止令が発令され自由が奪われた。

 

ドイツ基準の手洗いのしかた

 

欧米社会に新型コロナウイルス感染が拡大して、多くの死者を出すようになったころ、欧米人からすると驚くほど犠牲者の少ない日本に注目が集まり、多くの海外メディアがその“謎”に迫っていた。
そのときよく見たのは日本人と欧米人との生活習慣の違いで、日本では「マスク・手洗い・うがい」が常識になっている一方、欧米でそれは一般的ではないというもの。
日本とわれわれでは、もともとの衛生環境や習慣が違うのだと説明するメディアが多かった。

たしかに日本人はよくマスクをして街を歩くけど、欧米でマスクをするのは重病になった人ぐらいで、街中でマスク姿の人はまず見ないという話は聞いていた。
ニューヨークに住んでいたアメリカ人に聞いても、コロナ前にもしそんな人間がいたとしたら、それはアジア系の人ぐらいと言う。

 

「天気予報」のコラムにもこう書いてある。

・うがい、手洗い、マスクは、日本だけの独特の習慣であることをご存じですか?
・世界に誇れる日本の「手洗い」

フランスとは違って、日本人は手の洗いすぎに注意したほうがいいらしい。

とはいえ、神経質に洗いすぎることで、本来ヒトが保有すべき菌まで殺してしまうのは考えもの

うがい・手洗い・マスクは、日本だけの不思議な習慣⁉

 

また、アメリカで看護師をしていた日本人はこう書く。

日本では当たり前の習慣となっている「手洗い・うがい」ですが、アメリカなどの欧米諸国では聞きなれない習慣です。

手洗い・うがいは日本限定の常識? Hand Washing and Gargling?? 

 

もちろん欧米にも手洗いという行為はあるけど、全国民的な習慣としては社会に定着していないということだろう。
少なくとも日本に比べれば。

 

 

マスクの着用はおいといて、なんで日本では手洗いの習慣が社会の隅々にまで定着しているのか?
コロナとは別で日本が「清潔大国」である理由は、いままでにいろんな外国人から聞いていたから、「学校教育の影響」という当たり前のこと以外で外国人の意見を紹介しよう。

まず日本には水がたくさんある。
世界的にみると日本は雨が本当にたくさん降る国で(年平均1718mmの降水量)、これは世界平均(880mm)の約2倍。

国土交通省のホームページ「水害を考える」にあるグラフ(10か国)の上位5か国はこんな感じ。

1位:インドネシア(約2600mm)
2位:フィリピン(約2300mm)
3位:日本
4位スイス(約1450mm)
5位:タイ(約1400mm)

アメリカは6位(約750mm)で、フランスは7位(約740mm)という結果。
水が豊富にあるという自然条件から、日本人に手洗いの習慣が身に付いたという外国人がいた。

 

他に聞いたのは、神道の影響というもの。
神道では穢れを祓(はら)うことが超重視されていて、その考え方は古代からあったから、日本人は水で“浄化”することを身近に感じている。

その具体例が神社やお寺にある手水(ちょうず)で、日本ではここで手を洗って、口をゆすいでから神社や寺に入ることがきまりになっているけど、欧米の教会にそんなルールはない。
教会には何もしないでそのまま入ることが一般的だから、知人のアメリカ人に言わせると手水で手を洗うのは「いちいち面倒くさい」。

 

 

手水で手を洗うことを子供のころから当然のこととしてやっているから、日本人は手洗いを手間とは思わない。
だから外から家や建物に入ると、手を洗うことを自然にやっている。

いろんなツッコミどころはあるだろうけど、こんな自然条件と文化的条件から、日本人に手洗い習慣が身について、日本が清潔大国になったという説は正しいと思う。

さて、フランス人の「不衛生」に驚いたという、韓国の手洗い習慣はどんな感じだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。