ギリシア神話に登場する月の女神・アルテミス。
*闇の女神や狩猟・貞潔の女神でもある
この女神の名前を冠した協定を米国航空宇宙局(NASA)が7カ国と結んだ。
アルテミス計画はアメリカが主導して、月面基地の運営と月資源の開発協力などを盛り込んだもので、日本・英国・オーストラリア・カナダ・イタリア・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦(UAE)が署名して成立した。
「宇宙開発は国家安全保障の課題であり、他の国が米国より優位を占めることを容認できない」とトランプ大統領が語ったように、アメリカはこの分野で世界をリードしようとしていて、そのための布石がアルテミス計画だ。
中央日報の報道によると、そこに加わることのできなかった国があったらしい。(2020.10.16)
UAEは2014年宇宙庁を設立し、2018年まででさえ韓国の人工衛星製作企業SI(サトレック・イニシアチブ)社から衛星の輸入や技術を移転を受けていた国だ。UAEに人工衛星技術を伝授し、月面探査計画も進めている韓国は今回の協定に名刺すら出せなかった。
【現場から】韓国から衛星技術を学んだUAEも加入した「アルテミス」…韓国はなぜ入れなかったのか
アルテミス協定に参加できたのは、これまでアメリカの宇宙探査に積極的に協力した国だけ。
韓国のばあい理由はよく分からないけど(中国への配慮?)、アメリカの宇宙計画にあまり熱意がなかったらしく、今回のバスに乗り遅れてしまった。
女神アルテミス
韓国はUAEに衛星技術を伝えたのに、アルテミス協定からは外された。
そんな残念そうな韓国メディアの記事から、同じような気持ちを持った日本人がいたのを思い出した。
韓国へ行ってソウル地下鉄を利用した日本人は多いと思う。
これはソウル市民にとって必要不可欠な“足”で、2006年の上半期に1~4号線を利用した人だけで約7億2016万人いるというから、この地下鉄の重要性は韓国国民なら誰でも分かっているはずだ。
でもこの建設に、日本の資本援助や技術支援があったことを知っている韓国人はどれだけいるのやら。
ちなみに運行に関する訓練をしたのも日本人で、ソウル地下鉄の運転士がおこなう指差し確認は日本のやり方だ。
*今はもう別の方式にしたかもしれない。
さてソウル地下鉄が完成したときの、韓国側のガッカリな対応についてジャーナリストの黒田勝弘氏が書いている。
地下鉄一号線の建設には日本の経済協力資金が投入され日本の技術者が多数加わったが、完成式に日本人は招かれなかった。(中略)“日本隠し”によってこうした事実は韓国ではほとんど知られていない。残念なことだ。
「‘日本離れ’できない韓国 (文春新書) 黒田勝弘」
一号線が開通したのは1974年8月15日。
つまり韓国側は、日本がアメリカに降伏した日に完成式をおこなったのだ。
これが“偶然”でないことは、韓国人がよく知っているはず。
これは別の本で読んだことだけど、かつて日本が韓国を支配していたことに罪悪感を持った日本人が、韓国の近代化のために積極的に協力したにもかかわらず、日本を加害国と考える韓国側はそれを当然と思い、感謝の気持ちは何も示さなかったことに落胆した。
そんな日本人がたくさんいたらしい。
韓国では、日本による多額の経済・技術援助が韓国の発展に寄与したことを一般には知らされていないため、多くの韓国人は自国が独力で経済成長を達成したと考えていると指摘されている。
漢江の奇跡を成しとげた主人公は韓国国民だけど、日本のサポートがあったことは事実。
でも韓国の政府やメディア、教科書はこのことに触れずに“日本隠し”をしてきた。
その結果、知人の韓国人はみんな地下鉄の建設や運行を、すべて韓国人の手で実現したと思っていた。
韓国の近代化に汗を流した日本人がいたことを多くの国民が知っていたら、いまごろこんなことで悩んでいなかったかもしれない。
中央日報の報道(2020.07.27)
元老たちは韓日関係が破局を迎える前に徴用問題のさまざまな解決法を探るべきだということで意見が一致した。
「韓日関係、破局を迎える前に強制徴用問題の解決法を探るべき」
こっちのほうが「アルテミス計画」よりも重要なのに。
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