残念ながら、ことしノーベル賞を受賞した日本人はゼロだった。
ではここでクエスチョン。
アジア人で初めてノーベル賞を受賞した人はどこのだれでしょう?
ヒント:これはその人のご尊顔
答えはインドの文化人、ラビンドラナート・タゴールさん。
1913年にアジア人初のノーベル賞受賞者(文学賞)という名誉に輝いただけでなく、タゴールはインド国歌の作詞・作曲、さらにバングラデシュ国歌の作詞者ということでも有名。
そんなアジアのスーパー文化人は大正時代に来日したことがあって、日本を見て回って庶民のこんな様子に感心した。
「街を自動車で行くとき、ときどき手押し車などに道を妨げられることがあるが、そんなときにも車の運転手は静かに道の開くのを待ち、互いにののしり合ったり、大声で叫んだりすることはない。」
自分より他人を優先する日本人の配慮ややさしさ、それと忍耐がタゴールには印象的だったらしい。
これをひっくり返すと当時のインドの様子が見えてくる。
タゴールについてくわしいことはここをクリックですよ。
早くから日本に対する関心も深く、岡倉天心・河口慧海・野口米次郎らとの親交があり、日本人の自然を愛する美意識を高く評価した。
タゴールとガンディー(1940年)
さてこのまえ、インド人とバングラデシュ人と一緒にカレーを食べに行ってきた。
緑地に赤い丸のバングラデシュ国旗は、日の丸のデザインを取り入れたという話がある。
豚や牛はダメ!
卵やハチミツもアウト!
というヴィーガンのヒンドゥー教徒とご飯を食べに行くと、「セーフティファースト」で結局インドカレーの店になることがよくある。
カレーやサモサなんかを食べながら、日本で1年以上生活しているインド人とバングラデシュ人に日本のいいところをたずねると、お約束で「治安の良さ」をあげる。
赤いターバンを巻いたシク教徒は、インドにいたころは銃を毎日のように見ていたけど、日本に来てからは一度もない。
銃を見せなくても平和や秩序が保たれるというところが、日本で感じた一番大きな違いと言う。
インドに行ったことのある人は分かると思うけど、かの地では、こんなごっつい銃を肩にかけた警官や軍人が地下鉄や銀行などそこら中にいて、もはや銃が街の風景の一部になっている。
シク教徒のインド人が日本に着いたとき、セキュリティーが厳重なはずの国際空港でさえ、こんなふうに武装した人間がいないことにまずビックリして、ウワサに聞く日本の安全を実感した。
母国に比べると、日本の治安の良さはもはや異世界という意見には、別のインド人もバングラデシュ人も納得。
このほかに彼らは秩序の良さも印象的で、これが治安に大きく関係していると指摘する。
具体的には日本人ドライバーはクラクションを鳴らさないことを挙げ、街に車がたくさん走っているのにクラクションの音が何も聞こえてこないのは不自然に思ったほど。
日本人は安全を重視して車間距離をすごく取っているし、横から入ろうとする車があったら、すぐに誰かがゆずってくれる。
日本でいう「譲り合いありがとう」の精神に彼らは感心していた。
インドやバングラデシュならこういう場面では、クラクションの応戦が始まるらしい。
話を聞くと、「互いにののしり合ったり、大声で叫んだりすることはない」というタゴールの感想と似ている。
まぁ悪質なあおり運転対策で、ドライブレコーダーが売れている現状を知ってる日本人から見ればツッコミどころは多々あるけれど、「日本では銃を見ないし、クラクションの音も聞こえない」という平和や秩序の良さはインドやバングラデシュとは決定的に違う。
おまけ
バングラデシュの首都ダッカでは、クラクションが四方八方から攻めてきた。
インドの都市部もこれと似たようなもの。
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