久しぶりにハゲしく面白い動画を発見したから、まずはそれをぜひ紹介させてほしい。
スコットランドでおこなわれたサッカーの試合で、人間に代わってAI(人工知能)がカメラマンとなってボールを追いかけるよう設定して、それをライブ配信する試みをおこなったところ、どうなったか?
このAIはまさかのポンコツぶりを見せ、審判のスキンヘッドをボールと誤認してしまい、画面にボールが映ったかと思えばすぐに審判のスキンヘッドをフォーカスした結果、まったく試合中継にならなかった。
視聴者はゴールの瞬間を見ることができなかったから、解説者は配信中に平謝りだったとか。
ボールを追いかけるけど、やっぱりスキンヘッドが気になってしょうがないAIによるサッカー中継がこれ。
この中継にお金を払った人にはシャレにならないけど、日本のネットでは大うけ。
・うちの猫もボール追いかけるから
AI猫やな
・今年1番笑った
・AIのくせに俺より馬鹿とは終わってるな
・けがなくてよかったじゃん
・こんなん生で見たら笑い死にするわ
・欧州のAIレベルの低さが露呈してしまった・・
だが待ってほしい。
このAIは自分で判断して、あえて「お笑い」を優先したのかも。
でもミカサならきっと一言「不毛…」と言ってた。
せっかく見つけたこの素材を使わないのはもったいないから、無理やり導入で使っただけで本番はここから。
さてことし7月、奈良の近鉄大和西大寺駅に、AIを使って日・英・中・韓の4カ国語で乗り換えの案内や観光情報などを提供するロボット「アリサ」と「リン」が登場したのを知ってますか。
毎日新聞の記事(2020年7月1日)
2階コンコースに設置された「アリサ」は女性の人型ロボット。近隣の神社仏閣に精通するほか、駅構内の店舗の「お買い得情報」にも詳しく、記念撮影や雑談にも応じて客を楽しませる。
「22歳の新入社員」アリサとリンがご案内 近鉄大和西大寺駅にAIロボ
駅の案内にAIロボットを導入するのは、関西の鉄道会社ではこれが初めて。
22歳の新入社員という設定で、「かわいいですね」と褒められると「えへへ」とほおを赤くする機能があるけど、これは必要か?
近鉄大和西大寺駅構内に、ロボットが登場しました。エンターテイメント型AI受付ロボット「Arisa」といって、乗り換え案内などのほか、記念撮影やダンスもするそうです#アルゼゲーミングテクノロジーズ #近鉄大和西大寺駅構内 #エンターテイメント型AI受付ロボット #Arisa pic.twitter.com/6fvDloPYQL
— DonDokoオヤジ (@eZ2SHBERAQrDQ6Y) July 1, 2020
いまの日本ではAIが搭載された人型ロボットはそう珍しくない。
知り合いのインド人やタイ人の場合は銀行や病院で、(AI付きか分からないけど)人型ロボットが簡単な受付をしているのを見て驚いて、写真を撮ってすぐにSNSにアップしたって言ってた。
すると母国の知人友人から、「未来ずら!」といった反応がきたという。
「ぼくドラえもん」の国では、人型ロボットを作るに必要なものは技術と費用ぐらいだろうけど、海外ではそう簡単にいかない。
日本だけなく世界を市場に考えた場合、「宗教に矛盾しない」というハードルは絶対にクリアしないといけないのだ。
例えば両腕を使い、両足で歩くヒューマノイド「アシモ」をホンダが世界で初めて開発したさい、これがキリスト教の教えに反していないか、関係社員をローマのヴァチカンに派遣して聖職者に確認した。
開発の途中でローマ教皇庁に人間型ロボットを作ることの是非について意見を求め、問題がないことを承認してもらうなど、ホンダはこうした二足歩行ロボットに従来の機械にはない配慮をしている。
キリスト教やイスラーム教の世界宗教では、人は神によって造られたことになっているから、「人がヒトをつくる」という行為がそのタブーに触れないかチェックする必要があった。
キリスト教にケンカを売りながら、世界中の人に「わが社の製品を使ってください!」と求めるのは究極の無理ゲーだ。
人間が人間型ロボットを開発しても問題ないか聞いたところ、ローマ教皇庁の大主教は、神がアダムに命を吹き込み判断力と想像力を与えたという話をして、人類に役立つ物を作る上で想像力を駆使するのはかまわないと答えたという。
ヴァチカンのお墨付きをもらったことで、ホンダは自信を持ってアシモを世に出すことが可能になった。
無宗教の日本人の感覚だとコスト・性能・外見が重視されて、実はそれより重要な世界的宗教に矛盾しないという点が軽視されるのでは?
これを逆から考えると、日本には宗教の「縛り」がなかったから、自由にロボット造りができて世界をリードできたとも言える。
欧米のキリスト教文化圏の人たちと日本人の発想の違いについて、「日本玩具文化財団」がこう説明する。
背景には「神のみが人をつくれる」とした宗教感があるようです。しかし、そのような背景がない日本は人間型ロボット研究が最も盛んな国です。
すこし前に仏教僧の西行が死体を集めて「人造人間」を作ったという話を書いた。
これは鎌倉時代の説話集『撰集抄』にある話だけど、いま調べた限りでは、欧米で人造人間の話が出てくるのは19世紀の『フランケンシュタイン』以降だ。
宗教の影響を受けないというのは、配慮さえ忘れなければ大きな「武器」になる。
日本人ならきっと、ボールとスキンヘッドをカン違いするモノは作らないだろう。
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まあでも、クローン動物に関する技術開発は、日本よりも欧米の方がずっと進んでいる訳ですから。
クローン動物の技術をそのまま人間へ応用すれば、クローン人間の創造(?)もすぐに可能であることは明らかでしょう。今や羊やサルまでもクローン動物を作り出せるようになっています。
あるいは、人工授精技術など不妊治療の分野で新たな生命を「創り出す」ことには問題はないのですか?
人工体外受精技術では、受精卵を母体へ戻す前に、複数の受精卵を育てておいてその中から最も成長する可能性の高い受精卵を選んで母体へ戻します。その他の受精卵は廃棄です。人工妊娠中絶には反対だけど、そのような受精卵の廃棄には反対しないのですかね。
あるいは、人造人間を作ることが神の教えに反するのに、他人の臓器を取り出して別の人間へ移植することは神の教えに反しないのですか?
なんだかキリスト教の教えも、近代科学の前では、単なるご都合主義のように思えてなりません。
>欧米で人造人間の話が出てくるのは19世紀の『フランケンシュタイン』以降だ
ユダヤ教には人造の巨人ゴーレムの話があるし、より古いギリシャ神話には青銅の巨人タロスの話がある
人造人間に限っても、中世の錬金術師たちはホムンクルスを作ろうとしていた
宗教とか関係ないと思う
人造人間とクローン動物は分けて考えたほうがいいと思いますよ。
ユダヤ教は泥人形、タロスはキリスト教前の話でこれは神がつくった青銅の怪物かと思います。
言われてみればホムンクルスがいましたね。
ただホムンクルスは錬金術師パラケルススの著作に作り方が書いてありますが、それを作ったという錬金術師の具体的な名前は知りません。
これは反キリスト教なので、社会から製造が支持されたことはないでしょう。
「キリスト教では、この技術は創造主である神・ヤハウェの領域に人間が足を踏み入れるものとして恐れられている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%B9