さいきんインド人・バングラデシュ人・タンザニア人と一緒に、上の写真のようなみごとな富士山の見える富士市の「田子の浦みなと公園」に行ってきた。
日本のシンボル・富士山は静岡県民の誇りだもんで、この山の知名度を彼らに聞いてみたところ、印度と孟加拉ではわりと有名で、日本に興味のある人なら「フジ」は必ず知っていると言うけど、坦桑尼亜ではそもそも日本の情報が少ないから「知ってる人は知っている」ぐらいらしい。
このときには出てこなかったけど、「フジフィルム」も富士山の知名度アップに貢献していると思う。
この公園のいいところは、北を見ると巨人のような富士山がそびえ立っていて、振り向くと紺碧の海が広がっているところ。
「ここは散歩やピクニックに最高だな。富士市に住みたいよ」と軽く浜松市民を挑発するインド人に、「いや、オレはいい。ここはツナミが怖そうだ」とタンザニア人が言う。
英語の中に突然そんな日本語が出てきたから話を聞くと、「ツナミ」はそれぞれの国で有名で間違いなく「フジ」よりも知られている。
もう現地の一般的な言葉になっていて、元は日本語と知らない人も多いだろうという。
「TSUNAMI」は完全な英単語になったというのは知っていたけど、いまでは世界中で使われる国際語になっているようだ。
2011年の東日本大震災で発生した、人や車など街全体をのみ込む巨大津波の映像はこのときいた全員が見たことがあって、いま自分が生きている世界で起きたとは思えない映像に震え上がった。
いまでも「日本」と聞くとこの津波が思い浮かんで、「大丈夫?危なくない?」と心配する親族や友人がいる。
インド人やアフリカ人が日本を、母国より恐ろしい国と思うこともあるのだ。
このときの津波や1854年の安政南海地震の大津波にちなんで、きょう11月5日は国連総会決議により「世界津波の日」となった。
「ツナミ」が世界語となったきっかけや、むかしの教科書に載った『稲むらの火』という物語についてはこの記事をご覧あれ。
外国人と話していると、英語の中にとつぜん日本語が出てきて「え?」と思うことがたまにある。
「少し」が「skosh」という英語になってアメリカの一部で使われているとか、きょねんは「ボケ」がベトナム人・ロシア人・リトアニア人も知ってる英単語になっててたまげた。
この語源は日本語だと伝えると、ロシア人は「ボケ」をフランス語由来の英語と思っていたから、「その言葉なら前から知ってた!まさかbokehがその日本語だったとは…」とおどろく。
チコちゃんに怒られるぞ。
富士山をどこかで見たことあるけど、それが日本にある「Fuji」という山とは知らないインド人のようなものか。
そういえばこのとき、インド人やバングラデシュ人が母国で何度も利用していたリキシャ(Rickshaw)が、実は人力車という日本語だったと知ったときは衝撃的だったと言っていた。
外国人が使う日本語を聞くと、日本の影響力が世界に広がっていることが分かってやや誇らしい。
日本語から英語への借用を見ると、アニメ、萌え、ラーメンなど日本でもおなじみの言葉が英語になっているし、大根、あみぐるみ、銀杏、公案、三白眼といった「なんでこれが英語になった?」という日本語もある。
発見者の志賀潔にちなんで赤痢菌が「shigella」と呼ばれていることを、本人は草葉の陰でどう思っているのか。
痴漢や過労死といった不名誉な日本語も英語になっている残念な一面もあるけど、日本の言葉を世界の人たちも使うようになるほど、国際社会での日本の存在感は増しているは基本的にはいいことだ。
おまけ
いまSNSで、14歳の誕生日を迎えたフィリピン人の女の子が自己紹介しているのを見た。
「I’m so happy that I got to turn 14. I’m an otaku.」
自分は日本のアニメや漫画が大好きなオタクだと堂々と宣言している。
日本の女子中学生が「わたしは14歳になったオタクですっ。よろしく!」と言うのを聞いたことはない。
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日本と外国(イギリス&アメリカ)の台風の話。語源や名前など。
自分が米国で暮らしていた時、松田聖子がアメリカへ進出するというので少し話題になっていましたが、あの名前が米国では非常に有利な条件となったようです。米国人ならば「松田聖子」が日本人であることは、当時は誰でもすぐ納得していました。
何と言っても「マツダ・セイコー」ですからね。すごい名前だな。
これは本当か都市伝説か分かりませんが、海外のレストランで「トヨタ」「ホンダ」の名前で予約すると、向こうが会社関係の人間かとカン違いして、すごく良い席に案内されると聞いたことがあります。