英語の中には日本語由来のことばがいくつもある。
たとえば「少し」がアメリカでは、地域限定だけど「skosh」という英語として使われているのだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
【英語になった日本語】アメリカの「skosh」の意味と使い方
イギリス政府やカナダ政府のホームページには、日本へ行ったら「chikan」に気を付けろと書いてある。
【日本の恥】英国・カナダのHPで「chikan(痴漢)に注意」
*でもイギリス人の話では、chikanは一般的な英語ではない。
今回はこの第三弾。
さいきんアメリカ人が「The bokeh version of that last picture.」というメッセージと下の写真をSNSに投稿していた。
ボケ・バージョンの写真(The bokeh version)?
写真のぼかし具合からして、この「bokeh」というのはどうみても日本語の「ボケ」だろう。
英語圏の外国人はボケを「bokeh」として使っているのか!
英語版ウィキペディアにはその項目と説明がある。
ことばの意味は日本と同じで、写真撮影のテクニックとして雑誌で紹介されて、2000年ごろから海外で有名になったらしい。
The English spelling bokeh was popularized in 1997 in Photo Techniques magazine, when Mike Johnston, the editor at the time, commissioned three papers on the topic for the May/June 1997
Bokehの一例
後日、先ほどの投稿をしたアメリカ人と会ったときに話をきいてみた。
すると写真に関心のある人なら、「Bokeh」は常識として知っていると言う。
でもそのアメリカ人はここ10年ぐらいで使われるようになったことばと思っていたから、1997年に紹介されていたと知って驚く。
スマホの普及で写真撮影をする人が増えたから、bokehも広がったのではないかと彼は推測する。
このことばの前に、この撮影技術がなかったかどうかは彼にもわからない。
写真好きのベトナム人にきいたら、彼も知っていた。
Yup, of ofcourse
I dont know it is from jpese
I play with it
でも日本語だったというのは初耳で、なんで最後が「h」になっているのか不思議らしい。
Why the word bokeh ends with “h”, it doesnt like from jpese
写真がそこそこ好きなロシア人も「Bokeh」を知っていたから、かなりワールドワイドなことばだ。
そのロシア人はこれをフランス語と思っていたから、じつは日本語と知って驚いていた。
でも「ボケ」が英語になっていて、アメリカやヨーロッパ、アジアなど海外で広く使われていると知って一番驚くのは日本人では?
ベトナム人が数年前に撮ったボケの写真
台湾人にきいたら、「Bokeh」ではなくて「淺景深」ということばを使っているらしい。
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コメント
コメント一覧 (4件)
末尾にhがつくのは英単語として正しい発音とスペルにするためですね。もしもこのhが無い(つまりBoke)だと、英単語の発音は「ボゥク」になってしまいます。
ピントをわざとぼかした写真テクニックと並んで思い出すのは、円谷プロの怪獣映画での特撮テクニックの一つである「スモーク」ですね。怪獣がミニチュアの建物を破壊するだけでなく、その場面(特に足元付近)にスモークを炊くことによって奥行きに距離感が得られ、画像のリアリティーが増すのだそうです。
当時、強い日差しや照明によってなるべく鮮明な画像を撮ることが鉄則とされていたハリウッド映画の関係者は、円谷プロのそのテクニックを見て驚嘆したとのこと。そのようなこともあって、特撮怪獣映画(着ぐるみタイプ)では日本の円谷プロが永らく世界のトップリーダーに君臨できたのです。SWのジョージ・ルーカス監督も、パシフィック・リムのギレルモ・デル・トロ監督も、みな円谷プロ作品の大ファンです。
写真でも映画でも、霞で烟った風景は日本だからこその味わいがあるのでしょうね。
たしかに!
hがないと「ボゥク」ですね。
なるべく日本語に近い発音でこうなったんですね。
スモークのテクニックは初耳です。
映画撮影の技術は日本が欧米から学んだと思いますが、変化を加えて独自のものにしていますね。
こういう発想は日本の自然から学んだものかもしれません。
英語が分かってないとできないコメントですね~。 「h」があるのとないのとでは全然違うんですね。
最近英語圏では「ABCD」を「エービーシーディー」と読まないと知って、日本でも本場の読み方を教えたほうがいいのでは?と思いました。
円谷プロの特撮技術は逆にハリウッドに刺激を与えました。
戦争当時娯楽映画が作れなかったので軍に命令されて作った日本軍が米軍と戦って大勝利したというニュース映画をGHQが見つけて、びっくりしたGHQが尋問したというのは有名な話です。
「シ」の発音は要注意です。
私もアメリカン人から「six」を「シックス」と言うな、とよく注意されました。「スィックス」みたいになります。
日本人の「シティ」は「う〇こ」に聞こえるというアメリカン人がいました。
cとsの違いはむずかしいです。
GHQの尋問の話は初めて聞きました。
日本人は基本的に指先が器用だから、高い技術力があると思います。