国と国の関係は「戦後最悪」といわれるほど悪化した日本と韓国。
でも文化についていえば別世界で、ここ最近はお互いの長所を活かしてタッグを組んで、世界を舞台に勝負を仕掛けるケースもある。
中央日報の記事はその代表例として、日本人と韓国人メンバーのいるTWICEやIZ*ONEなどのアイドルグループを紹介している。(2020.11.23
「NiziU」の成功…「韓日が戦略的に提携すれば世界で通じる」
NiziU(ニジュー)はメンバー全員が日本人で、韓国でトレーニングを受けてデビューしたアイドルグループだ。
この他に日韓が組めば「世界で通じる」ものとして記事ではアニメに注目。
例えばことし、韓国人の描いたマンガを日本の会社がアニメ化した『神之塔』や『THE GOD OF HIGH SCHOOL(ゴッド・オブ・ハイスクール)』などが日本でも放送されて話題を集めだし、アメリカやヨーロッパなどで大ヒットを記録したという。
『神之塔』は4~6月に1600万照会回数を記録、世界の有料会員300万人のうち約3分の1が視聴した。『ゴッド・オブ・ハイスクール』は2400万照会回数を超えた。黒須氏は「地域別では米国、ブラジル、カナダ、フランスの順で視聴者が多く、ファンの反応も非常に熱い」としながら「第2、第3の韓日協業事例を作って市場シェアを高めるのが目標」と説明した。
ボクも『神之塔』と『ゴッド・オブ・ハイスクール』は見た。
でもやっぱり日本人と韓国人では価値観や感覚が違っていて、アニメにもそんな国民性が表れていると思った。
『ゴッド・オブ・ハイスクール』で特にそれを感じたから、これから第三者の意見を交えながら、日韓の好みやセンスの違いについて書いていこう。
このアニメの内容は、自分を「最強」と信じる高校生のジン・モリが世界最強の高校生を決める大会「ゴッド・オブ・ハイスクール」に参加して、世界中の強敵と戦うというアクション・バトルもの。
まぁこれを見てくれ。
アマゾンで『ゴッド・オブ・ハイスクール』の評価を見ると、最高の星5つにはこんな意見がある。
・アクションとか戦うのを見るのが好きな人は絶対気に入ると思います!!おすすめです!
・韓国の漫画が原作と聞いてどうかなと思ったけど、アクションも申し分ないですし、作画も最高でした。
対して最低評価の星1つはこんな感じ。
・一昔前の内容でスカスカな話。今では誰でも思い付くお話です。
・近年まれにみるつまらなさに閉口した。あれは何が面白いんだろうか。。内容が薄すぎて全く感情移入できない上、ただ騒がしいという。
さまざまな格闘家や異能力者がつぎつぎ出てきて、激しいバトルをおこなうこのアニメはフットワークが軽くて展開がメチャクチャ早い。
スピード重視でドカーン!ズドーン!という派手なアクションシーンが好きな人なら楽しめるけど、それぞれの人物が戦う理由や背景などを丁寧に説明しないで、いきなりバトルが始まるから感情移入はかなりしにくい。
ボクも『ゴッド・オブ・ハイスクール』を見ていて、いきなり高校生と審判が戦ったり異能力によるバトルが始まったりして、説明不足なところが多く“置いてけぼり感”をすごく感じた。
以下、独断と偏見ですよ。
日本人なら、「世界最強決定戦」が開催された理由やそれに参加するキャラクターの心情描写を緻密に描いて、視聴者を納得させながら話を進めるアニメが好き。
韓国人はそんなゆっくりした展開より、激しいバトルを重視して、いろんなキャラクターが出てきて派手なワザをくりだすほうが見ていて楽しい。
日本人の感覚だと、伏線を入れながらゆっくり違和感なく物語が進むのが好きだけど、韓国人の場合はそんな細かいことはいいから、それより見ていてスカッとするようなシーンの連続が好き。
だから日本人には「雑な構成」に見えるものが韓国人にはちょうどよくて、日本人にはちょうどいいテンポが韓国人からすると遅くてイライラする。
そういえば主人公のジン・モリはいきなり最強だったから、「負けて苦悩して成長する」という日本のバトル系アニメのお約束がなくて、共感できなかったという意見もあった。
日韓ではアイドルにもそんな違いがある。
日本では素人っぽいアイドルが一生懸命がんばって成長する姿をアピールするけど、韓国のアイドルはデビュー前に猛練習して「完成形」として登場する。
繰り返すけど、これはボクの独断と偏見で、しかもかなりザックリした見方。
でもこのアニメに対する日本人の評価を見ると、好意的な意見は派手なアクションやスピード感に集中していて、否定的な意見は、速くなったぶん薄くなったストーリー展開に対するものがほとんどだ。
日本人としてはもっと丁寧に作ってほしいという人が多かったと思うけど、これは日本人と韓国人の国民性の違いだろう。
でも違いがあるからこそ、「韓日が戦略的に提携すれば世界で通じる」ということにもなる。
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いつも疑問に思うことがあります。
韓国で売れる日本漫画等のコンテンツは努力や友情、自己犠牲など、韓国の方があまり得意とされない要素、言ってしまうのなら日本的な美徳が 多分に含まれていると思うのです。であるなら、かの国の方々は、何に共感し、楽しんでおられるのかわかりません。
楽しんで、消費して、旭日旗を見つけて、攻撃して、終わる。
最初から見なければよろしいのに、そういうわけでもない。
不思議。不思議です。
いつも読みやすく興味深い文章をありがとうございます。小さな世界で暮らしておりますので、 広い世界を知る視点になるほどなぁと、感心しきりであります。これからも楽しみにしています。
韓国でも反日活動に距離を置く人はたくさんいますし、楽しいと思うものは不買の対象外になりますね。
なにが楽しいかは人それぞれでしょうけど。
ありがとうございます。
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