アニメ大国の日本にはとても“らしい”記念日があって、きのう7月20日は「サイボーグ009の日」だった。
1964年のこの日に、石ノ森章太郎による『サイボーグ009』の連載が週刊少年キングで始まったことからこの日がつくられたとか。
ということで今回は、いまや世界的な日本文化となったアニメやマンガの話っす。
*上の写真はイエメンで見たスナック菓子。イエメンでもナルトは大人気という。
日本で「アニメ」というとアニメーションの略でどっちも同じだけど、世界ではそうではない。
海外で「アニメ」といえば日本のアニメーションだけ(または日本風アニメーション)のことを指して、日本以外のものはアニメーションと言われている。
外国人の目から見ると日本のアニメはとても独特でほかと違うから、区別する必要があるのだ。
くわしいことはこの記事を。
では具体的に、日本のアニメと世界のアニメーションはどんなところが違うのか?
餅は餅屋。
アニメのことはその道の専門家・オタクに聞け。
ということで上の質問をアニメ好きの日本人や外国人が集まるSNS上のグループに投下してみたところ、こんな答えが返ってきた。
〇日本人の意見
・海外では子供向けに描かれることが殆どのイメージであるのに対し、日本のアニメはストーリーも去ることながら、線の美しさ、情景の綺麗さ、表現力。兎に角、きめ細かいです。
・アメリカでやっていたKimba(ジャングル大帝)やSpeed Racer(マッハGoGo)はみんなディズニーやハンナバーベラ制作のアニメと区別せずにCartoonでした。Starbrazers(宇宙戦艦ヤマト)の様に子供の観る作品ではない番組が登場したあたりからAnimeと言う言葉が出てきました。
・日本のアニメは子供向けではない。
子供が見てもわからないというものかな?
現在の大半は販促が目的…
〇外国人の意見
・In my opinion the difference is the style, the target, the feel and the nature of the “anime” that makes it different from our “animation”, that also is more targeted to children
(私の考えではアニメとアニメーションを分ける違いはスタイル、ターゲット、感覚など。それとわれわれの言うアニメーションとは、もっと子供をターゲットにしたものだ)
・Well here in Italy there’s a way of thinking that puts cartoons and/or animated movies as products destined for children only.
So in the past a lot of anime have been censored to be adapted for children (fortunately it doesn’t happen anymore).
(イタリアでは、アニメやマンガは子供だけを対象にしたものという考え方がある。そのため過去には、たくさんのアニメ(たぶん日本アニメ)が子供向けに修正・検閲されていた。幸いなことに、いまはもうそんなことはない)
・Japanese animes have a largest type of public target. Sometimes they are more like movies other times they are a little bit unrealistic but with deeper meaning and not always suitable for children.
Ps: Sorry for my English, i hope i was clear
(日本のアニメは広く一般大衆をターゲットにしている。時には映画のようであり、ちょっと非現実的なものあるけど、(アニメーションより)深い意味が込められていて、必ずしも子供にふさわしいものではない。下手な英語でゴメン)
アニメとアニメーションの違いを聞いたら、ビックリするほどたくさんのコメントが寄せられた。
さすがは世界的コンテンツ。
全部を紹介するとコメントだらけになってまとまりにかけるから、ここでは日本人と外国人のアニメ・ファンに共通した見方を取り上げようと思う。
海外のアニメーションは主に子どもが見るものだけど、日本のアニメでは大人も楽しめるものが多いというところが大きく違う。
世界中の人が見る英語版ウィキペディアには「アニメ」の項目がつくられていて、そこにはこんな説明がある。
Anime are often classified by target demographic, including childrens’ (子供, kodomo), girls’ (少女, shōjo), boys’ (少年, shōnen) and a diverse range of genres targeting an adult audience.
日本のアニメには少年少女の子供たちから大人まで、いろんな層の人たちをターゲットにした様々なジャンルのものがある。
これは大正解。
日本では「とっとこハム太郎」や「アンパンマン」のような幼児用から、「課長島耕作」や「サラリーマン金太郎」など男性ビジネスマンを対象にしたマンガやアニメまであって、ターゲットによって内容や絵、表現がぜんぜん違っている。
前者のアニメに、後者のような男女のからみ合いが登場することは絶対にない。
こんな感じで日本のアニメは海外のアニメーションと違って、子供用と大人用があって幅が広いのだ。
だから大人の読者も想定したアニメやマンガでは、過激な性描写や暴力シーンも多めになってしまう。
イタリア人が言っていた「子供向けに修正・検閲されていた」の背景にはこんな事情があったと思う。
英語版ウィキペディアで紹介されているキャラ。
すぐに日本のアニメと分かるけど、このターゲットは子供か成人か悩む。
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