日本では、季節のイベントの移り変わりがとても早い!
そう思うが外国人がいて、年末にはクリスマスのアイテムで飾られていたコンビニがすぐにお正月モードになり、6日のいまは恵方巻きをPRしているの見て、知人のアメリカ人が「変化が早すぎるだろっ」と驚いていた。
でも、それが日本標準。
12月25日の午後8時ごろから各コンビニでクリスマスケーキの半額セールが始まって、それが終わって翌日になるとクリスマス飾りはなくなり、店内は「謹賀新年」にあふれている。
日本全体がそんな感じで、26日になればクリスマス関連の品は消えているはずだ。
でもインドはそうじゃない。
印度旅行に行ったとき、25日が過ぎて31日の大晦日になっても、クリスマスのツリーや飾りがレストランやホテルにあった。
「一体いつ片付けるんだ?」と思って見ていると、新年になってもツリーがあることにはさすがにあきれた。
日本人の切り替えの早さが尋常じゃないとしても、インド人はクリスマスを引っ張りすぎ。
客も気にしないからいいのだけど、インド人は大らかなのか超面倒くさがりなのか。
そんなことを日本にいるアメリカ人に話したら、「いやアメリカもそんな感じなんだが」と言われて「え?」となった。
クリスマス文化の本場アメリカでは、年が越えて1月6日の公現祭(こうげんさい)までツリーを置いてある家が多いという。
イエス・キリストが生まれたことを知った3人の賢者がやってきて、救い主であるイエスを祝福(礼拝)した日が公現祭で、この日はキリスト教の祝日になっている。
三賢人(東方三博士)の礼拝
アメリカやヨーロッパでは公現祭の日になったら、「さてクリスマス・ツリーを片づけますか」と動き出すことが多いという。
そんなことがきょうの毎日新聞のコラム「余禄」に書いてあった。(2021年1月6日)
キリスト教社会ではきょう6日は、イエスの生誕を賢者が祝った「公現祭(こうげんさい)」である。この日でクリスマス祝祭は終わり、飾り付けを外したりもする
キリスト教社会ではきょう6日は…
「ドイツでもきょうツリーを片づけるの?」とブレーメンに住んでるドイツ人にきいたところ、やっぱりそれがキリスト教の伝統らしい。
「Yes. Today is the traditional day for stripping down the christmas tree. 👍」
もちろん片付けのタイミングは個々人によって違うだろうけど、新年になってもクリスマス・ツリーが家に飾られているのは欧米では当たり前の常識だった。
井上 円了(いのうえ えんりょう:1858年 – 1919年)
明治時代の教育者で仏教哲学者でもあった井上 円了は、日本が西洋に学んでいろんな文物を取り入れるとしても、汽船や汽車といったモノなら同じ目的・やり方で使ってもいいけれど、精神的な文化は欧米のマネであってはならず、日本社会に応じたものにすることが大事だと主張した。
社会的の文明、別して精神上の文明は、平易即時に模擬適用することあたわざるのみならず、その国風、民俗に応じて、その用法を異にせざるべからず。
「欧米各国 政教日記 (井上 円了)」
クリスマスもしかり。
新年になってもツリーを“出しっぱ”にしているインドのほうが、日本よりも欧米のキリスト教文化に沿ってはいる。
でも日本では正月に、神道の「年神さま」という神をお迎えしないといけない。
年神はしめ飾りのある家にやって来るし、クリスマス・ツリーがあったら興ざめして帰ってしまうかも。それは日本の国風や民俗に応じていない。
やっぱり日本人は、クリスマス~正月~恵方巻きというスピード感で動いたほうが性に合っているのだ。
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そりゃ、欧米と違って神様・仏様もたくさんいるわけですから、クリスマスが終わったら早いとこ片付けて、次のお祝いの準備をしないと。
昔から言いますよね、「雛祭りが終わったのにいつまでも雛人形を飾っていると、娘が・・・に遅れる」って。