数百年にわたるオランダ支配から、インドネシアを「解放」したのは日本軍だった。
でも2発の原爆で日本がギブアップして、インドネシアから撤退すると、再びその地を支配しようとオランダ軍がやってきて、インドネシアとの戦いがはじまる。
このときインドネシア独立のため、戦争に参加した約3000人の元日本兵がいたという。
このなかの2人の日本人、松井久年と荒木武友を紹介した「神になった日本兵」という本がインドネシアで出版されたと長野日報の記事にある。(2021年2月1日)
当時、松井兵曹は「イ・ワヤン・スクラ」、荒木兵曹は「イ・マデ・スクリ」と現地名を付けてもらい、住民生活に溶け込んだ。バリ島の2カ所の村では2兵曹の戦死後、村人の出資により2人の石像や慰霊塔を立て、現在でも供養を行っているという。
インドネシア独立戦争加勢の日本兵書籍で紹介
この本を書いたのは現地に住む日本人の村澤さんで、「一度は植民地支配者としてバリ人を苦しめた日本兵だったとしても、我々は彼を恨んだり憎む気持ちになれない。彼は敗戦後のバリに残って、バリのために命を賭けて戦ってくれたのだから」というインドネシア人の声を紹介している。
いま自分がバリ島で現地の人と平和に仲良く暮らしていけるのは、「彼らのような先輩がおられたからではないだろうか」という村澤さんにとっては、この2人が築いた信頼関係は「永遠のテーマ」らしい。
でこのニュースにネットの声は?
・白人至上主義の植民地化で奴隷にされてたアジアやアフリカ
解放したのは日本だ
・この元日本兵の人々は、今の日本でネトウヨに称賛されることなど望んでいないと思うが。
・うちの会社にインドネシアから4人、研修生が来てるんだが働き者である。
初日の挨拶が「働いて国の家族へお金を送りたい!」だったからな。
・ベトナムでもフランス相手に戦ったよな
・「まだ戦っている」だったらすごいニュースなのだが。
・一方、日本では墓じまいをする人がどんどん増えているのであった
インドネシアの独立戦争に参加した日本人はその後、1960年代に進出してきた日本企業とインドネシアの橋渡しとなって活躍することとなる。
この戦争で亡くなった元日本兵はインドネシア各地の英雄墓地に埋葬され、生き残った人にはインドネシア国籍が与えられた。
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日本統治時代のポスター(1942年)
さて、インドネシアの人たちは日本をどう思っているのか?
個人的にこのテーマに興味があって、いままでに30人ぐらいのインドネシア人にきいてみたから、これからその反応を紹介しようと思う。
先ほど「白人至上主義の植民地化で奴隷にされてたアジアやアフリカ 解放したのは日本だ」というコメントがあった。
そんなことを考えていた時代がボクにもあって、こういう意見を期待したのだけど、そんなことを言ったインドネシア人は1人か2人の超例外。
*日本軍が当時、東南アジアにいたフランス軍、イギリス軍、オランダ軍とたたかったことは事実で、そのことが結果的に「解放」につながったと言うことはできる。
ほとんどの人は、オランダの次に日本がやって来て苦しい時代が続いたと認識していたし、実際インドネシアの歴史教科書にもそう書いてある。
教科書にある「ロウムシャ(労務者)」という日本語は多くのインドネシア人が知っている。
独立戦争に参加した日本人については、7~8人が知っていたと思う。
つまり3分の2はその事実を知らず、「あなたはわたしよりインドネシアの歴史を知っている!」と褒められたことが何度かあった。
日本人に比べるとぶっちゃけ、歴史に興味がないインドネシア人は多いと思う。
「統治時代にはとても親切で、祖国防衛戦争に参加した日本人は勇敢だった」という話を一度だけ聞いたことがある。
それは祖父(曾祖父?)が日本人だったというインドネシア人で、その元日本兵は家族のためにがんばって働いてくれたし、近所の人とも仲が良くて尊敬されていた。
自分にもその血が流れているのだから、当時の日本人を否定することはむずかしいだろう。でも、こんなインドネシア人は本当に例外的だ。
独立戦争の主役はインドネシア人で、元日本兵はそれをサポートしていたと考えたほうがいい。
それと中国系インドネシア人には、日本をネガティブにみている人が多い。
いちばん大事なことは、現在のインドネシア人がいまの日本や日本人をどう見ているか、ということ。
それについては自信をもっていい。
日本のアニメやマンガは若者に人気があるし、うどんやたこ焼きなどの日本料理も現地で愛されている。
60年代の元日本兵に代わって、いまは首都ジャカルタを中心に活躍しているJKT48が日本・インドネシアの橋渡しの役割を果たしている。
統治時代については悪いイメージがあるものの、戦後の経済支援には感謝していて、いまの日本文化は大好きという人がとても多い。
だからあえて言おう、インドネシアは大の親日国だと。
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>日本人に比べるとぶっちゃけ、歴史に興味がないインドネシア人は多いと思う
これに関しては日本のほうが異常な気がする。世界から見て
聖徳太子が厩戸王とか足利尊氏の絵が別人とか、そばは団子状だったとか時代劇の馬は大きいとか日常ではどーでもいいこと
他国では研究者くらいしか知らないことを、なぜか多数の一般人が知っている
> 先ほど「白人至上主義の植民地化で奴隷にされてたアジアやアフリカ 解放したのは日本だ」というコメントがあった。・・・そんなことを言ったインドネシア人は1人か2人の超例外。
> 日本人に比べるとぶっちゃけ、歴史に興味がないインドネシア人は多いと思う。
そのことの理由の一つとして、日本や韓国なんかに比較すると、インドネシア国民はまだ「ひとつの国家」という意識が定着しきれてないんじゃないですかね? 国土は、全世界でも最も島が多いし、マレー系、中国系、インド系、ミクロネシア系、民族も(本来の)言語もバラバラだったのですから。
一つの国として成立するまで外国であった人々が寄り集まってできたので、「正当な歴史」が何であるのか、個人レベルではなかなか自覚できないし、関心も薄いのだと思いますよ。
歴史よりは、現在の生活と娯楽の方が彼らにとっては重要なのだと思います。
日本人は歴史に細かいですね。基本いいことですが。