このまえ5人のインド人(大人3人と2キッズ)とご飯を食べていたとき、1人のインド人から、「近ごろスーパーやコンビニでマスクをよく見るんだが、あれは一体何なんだ?」と質問された。
くわしく話をきくと、それは節分の鬼のお面と判明。
節分といえばふつうは2月3日なんだが、ことし2021年の節分の日は2月2日。これは124年ぶりのことらしい。
この日には、不幸や災いをもたらす鬼に豆をぶつけて、家から追い出しす「豆まき」が日本のお約束となっている。
なんでも「豆」には「魔を滅する・魔滅(マメ)」の意味があるとか。
現在の日本の豆まきは平安時代の「追儺(ついな)」という鬼払いの儀式に由来する。というのはこの記事を見てくれたまえ。
追儺(ついな)
スーパーやコンビニで見かけたお面はその鬼で、豆がセットで売られていたはずと言うと、「そういえばあったかも」とインド人。
インドに豆まきの風習がないのは当然としても、人に災いをもたらす悪霊や悪鬼から身を守る魔除けの文化ならきっとあるはず。
今度はこっちがそんなインドの伝統や風習についてたずねると、「インドで最も恐ろしいのは人間だな」と30代のおっさんがジョークを言う。しかしリアルすぎて笑えない。
それでも少し考えて、「魔除けなら、ひもで結んだ唐辛子とレモン(ライム)を家のドアにぶら下げておくことがある」と1人が言うと、ほかの2人もそうそうとうなづく。
ちなみにインドは南北で別の国のように違う。
このとき北インド人と南インド人がいて、ことばが通じないから英語で話をしていたし、南インド人はドラヴィダ系の人間で肌の色が浅黒くて、人種的にも北の人間とは違うとわかる。
文化や伝統も南北ではいろいろな違いがあるものの、この唐辛子&レモンというお守りは共通しているという。
全力で探してもちょうどいい写真が見つからなかったので、緑の唐辛子と丸いレモンがこんな感じに家のドアにぶら下がっているのを想像してほしい。
これを魔除けとするのはヒンドゥー教の文化。
でも、これをするイスラーム教徒もしているらしい。
それで気になるのは、唐辛子とレモンによって「魔」を退けられる理由だ。それぞれどんなパワーや意味があるのか?
その答えはバラバラで、唐辛子の辛さとレモンの酸味で、悪魔を近づけないようにしていると言う人がいれば、悪魔が唐辛子とレモンが好きだから、これを食べると家の中には入ってこないと話す人もいる。
どっちが正しいかというと、どっとも正解らしい。
インドは広大でその土地ごとに言い伝えがあるから、それぞれが正しいのだと。
ネットをみると思想家(らしき人)が、不幸や貧困を招くアラクシュミー(Alakshmi)という神が唐辛子とレモンを好きで、これを食べると満足してその家や店には入らず、災いをもたらす邪眼を向けることなく立ち去ると書いている。
It is believed that after consuming lemon and green chillies, Alakshmi loses her urge to enter the house or shop. She will turn around without casting her malevolent eye.
まぁ正確な理由は不明だ。
でもインドでは、レモンとトウガラシは悪霊を払うお守りと信じられていることは確か。
ただ、日本の豆まきは鬼を追い出すのなら、すでに鬼が家の中に入っているということだから、インド人にはそんな儀式よりもこっちのほうが合っていると言う。
子どもなら、豆まきのほうが絶対に楽しいと思うのだが。
つまりは、家の入り口にレモン&トウガラシをぶら下げておいて、それでも入ってきたヤツには豆をぶつけて追い出すのが最強。
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梅雨と紫陽花(あじさい)は、日本人と中国人のコラボレーション。
> 「魔除けなら、ひもで結んだ唐辛子とレモン(ライム)を家のドアにぶら下げておくことがある」
へー、それは知りませんでした。でもそう言えば、「厄除けの唐辛子を家のドア前にぶら下げる」って、中国南部のベトナム付近でやっているという話を聞いたような気が・・・。
もしかすると、東ヨーロッパを中心とした伝承「吸血鬼や魔女を避けるためにはニンニクが有効」と、何か関係あるのかな?
日本だとイワシの頭と柊ですね。ほんものは見たことないけど
イワシの頭と柊は初耳でした。
こんな魔除けもあるんですね。
良い情報をありがとうございます。