韓国最大のタブー:「慰安婦=性奴隷」を否定したら“犯罪者”

 

朝鮮人慰安婦は日本軍の性奴隷にされた。
韓国にとってこれは人類普遍のこの真実なんだが、残念ながら、客観的な根拠はひとつも見つかっていない。
それで「『性奴隷』という表現は、事実に反するので使用すべきでない」と日本政府はこの説を以前から否定してきた。

日本ならまだしも、世界的に有名な米ハーバード大学の教授が「慰安婦=性奴隷」説を否定したということで、いま韓国社会が燃え上がっている。

韓国メディアは教授の論文を「妄言」、「みじめな欠陥」と悪意をもって呼んで読者の怒りに燃料を次々投下するから、教授の論文の撤回を要求する韓国の市民団体もあらわれた。
レッテルを張ったり撤回させたりするよりも、慰安婦が性奴隷だったという明確な証拠を突き付けて、教授の論文を打ち砕けばいいのに韓国側はそれだけはしようとしない。

それでも、新聞ハンギョレにそれっぽい記事を発見。(2021-02-06)

日本軍「慰安婦」被害者、真実は覆い隠されない

米教授が書いた論文を「慰安婦と強制動員を否定する日本の右翼勢力の“注文製作品”」と表現するこの記事の言う、隠すことのできない真実を読んで心底がっかりした。

真実を覆い隠すことはできない。舌先三寸や手のひらで隠すことはできない。4日昼、京畿道坡州市(パジュシ)の臨津閣(イムジンガク)に建てられた平和の少女像に積もった雪の塊が解け、雫となって落ちている。ここを訪れた市民がかぶせた帽子とマフラーのおかげで、どこよりも早く溶けている。

 

「みじめな欠陥」と呼んだり論文を消そうとしたり、ポエムに走ったり。
そんな反応と一線を画しているのが、パク・ユハ世宗大国際学部教授。

パク氏は教授の論文について「無条件に妄言とか戦犯企業教授とか言う話ではないとみられる」、「歴史的ディテールは間違っていないかもしれない」とコメント。
慰安婦をそのまま「売春婦」と主張することには問題を感じるものの、さまざまな歴史資料などからすると「慰安婦は性奴隷ではなかった」という米教授の説は間違いとは言えないとパク氏は語る。

韓国社会でこんな日本政府と同じような主張をするのは、控えめに言って命がけだ。
だから、パク氏には惜しみなく「勇者」と言わせてもらいたい。
このパク氏は以前、当時の慰安婦について「性奴隷」説と「強制連行」説を否定したことで、訴えられたことがある。

新聞ハンギョレの記事(2017-10-27)

朴氏は『帝国の慰安婦』で、日本軍「慰安婦」に対して「日本軍と同志的関係であった」、「日本帝国による強制連行はなかった」などの趣旨で虚偽の事実を記述し、慰安婦被害者の名誉を傷つけた疑いで起訴された。

『帝国の慰安婦』朴裕河教授、控訴審で名誉毀損の有罪

 

パク氏の主張が「虚偽」であるなら、根拠付きの「真実」を提示すればいい。
もちろん原告側がそんなことをするはずもなく、裁判所はパクに有罪判決を下す。

民主主義社会ではありえないようなこの判決には、韓国にはわりと理解のある朝日新聞でさえ社説でこう批判した。(2017年10月31日)

自由であるべき学問の営みに検察が介入し、裁判所が有罪判決を出す。韓国の民主主義にとって不幸というほかない。(中略)研究の対象である史実をめぐり公権力が独自に真否を断じるのは尋常ではない。

「慰安婦」裁判 韓国の自由が揺らぐ

 

韓国社会の「覆い隠すことはできない真実」を否定すると有罪判決をうけてしまう。
「慰安婦=性奴隷」説を否定したハーバード大学の教授が、アメリカではなくてもし韓国にいたら?
まず間違いなく、訴えられて前科者にされるはずだ。

海外にいる外国人にそれはできないから、韓国の独立運動家の子孫や遺族でつくる団体「光復会」の会長は、米教授を入国禁止にすべきだと訴え、全国紙の中央日報がそれをトップ記事で報じた。(2021.02.12)

同会の金元雄(キム・ウォヌン)会長は「ラムザイヤー教授が反人類的戦争犯罪を保護するのは学問の自由から外れる」とし「彼が韓国にいたらすでに追放されていた」と話した。

韓国光復会、「慰安婦は売春婦」主張したハーバード大教授の入国禁止を要求

 

ここでいう「反人類的戦争犯罪」とは、「平和の少女像に積もった雪の塊が解け、雫となって落ちている」というポエムと同じで実態がまったく分からない。
今回の米教授に対する反応をみていると、「性奴隷」説と「強制連行」説を否定することはいまでも韓国最大のタブーであることがよくわかる。
これにふれた人間は犯罪者にされたという前例はすでにあったし、今回は「すでに国から追放されていた」という。
朝日新聞のことばを借りれば、韓国の民主主義にとって不幸というほかなく、本当に尋常ではない。

 

ちなみに中央日報のこの記事に書いてように、当の元慰安婦はこの呼び方を嫌がっている。(2020.05.27)

被害当事者が嫌だというのに、「性奴隷」表現に問題ないという正義連

 

 

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2 件のコメント

  • >真実を覆い隠すことはできない。舌先三寸や手のひらで隠すことはできない。4日昼、京畿道坡州市(パジュシ)の臨津閣(イムジンガク)に建てられた平和の少女像に積もった雪の塊が解け、雫となって落ちている。ここを訪れた市民がかぶせた帽子とマフラーのおかげで、どこよりも早く溶けている。

    何を言っているのかわかりませんが、何を言いたいのかはよくわかります。
    これはハングル語が優れているのか、それとも翻訳した日本語が優れているのか。
    しかしながらアメリカ人の教授にとっては、知ったことではないでしょうね。
    できればこのタイミングで、朝日新聞が「あの記事は誤報でした」という記事を世界に発信してほしいものですが、そうはならないでしょうねぇ。

  • 1) ラムザイヤー教授の元論文は、ELSEVIER社のサイトからPDFで入手できます。$36。
    2) その論文の内容抄録は、著者本人からの寄稿という形で JAPAN Forward のサイトで公開されています。
    3) その寄稿文の和訳は、産経新聞社のサイトで有料で入手できます。

    私は無料の2) を読んだだけですけど。理論的で至極まっとうな主張でした。
    そもそも何十万人もの若い女性を強制連行して売春宿に囲ってなんて、そんなヒマな軍隊が米国相手に戦争なんぞできるかっちゅーの。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。