最悪の日韓関係のいま、日本にいる韓国人の思いはいかに?

 

ローマの軍人で政治家のユリウス・カエサルが紀元前47年、ゼラの戦いで勝利したことを本国ローマにいる腹心に知らせるため、手紙にこう書いた。

「来た、見た、勝った」

高校世界史の超重要人物、カエサルはとてもシンプルな文体で知られている。
それを象徴するこの「来た、見た、勝った」は世界的に有名なので覚えておきましょー。

 

さて話は隣国だ。
いま「最悪の関係」といわれる韓国だ。
最近、駐日韓国大使が替わって、カン・チャンイル新大使が2か月ほどまえ日本に到着した。
先日開かれた記者会見で、カン氏は日本で感じた印象をこう話す。

中央日報の記事(2021.03.11)

「日本に来てみたところ、考えていたよりも雰囲気が冷たい」と明らかにした。姜氏はこの日、初めての特派員懇談会で「(両国関係が)最悪の状態だというのを肌で感じることができた」と話した。

着任2カ月、日本外相に会えていない駐日韓国大使「最悪状態を体感」

 

「来た、見た、驚いた」といったところか。
ことし1月に着任したこのカン大使、2週間のコロナ隔離を終えたあと日本での活動をはじめようとしたところ、今度は日本政府から“放置措置”を受けてしまった。

前任者は着任の4日後に河野太郎外相、12日後には安倍首相と会ったというのに、カン氏は面会の希望を伝えたにもかかわらず、2か月たっても茂木外相や菅首相と会えないでいる。

これを韓国メディアは「冷遇」、「冷淡すぎる日本」と表現するが、これまで無視されてきたのはこちらなんだが。
慰安婦問題や元徴用工訴訟問題で韓国側は、日本との約束を破り国際法にも違反した。
そしてここ数年、このゆがんだ状態の是正を求めてきた日本に対して文政権は、日本が納得できるような解決策を提示してこなかった。
それで今度は日本の番で、韓国側が具体的な解決策を示すまで、日本政府はカン大使との面会には応じないらしい。

記事には在日韓国大使館の関係者のことばとして、「文在寅大統領は反日主義者ではないが、日本では反日主義者だと誤解している」と書いてある。
それならコトバじゃなくて、行動でもって真意を示すべきだ。

 

きょねん日本に来て、いまは日本企業で働く韓国人もこれと同じようなことを言っていた。
この韓国人は日本の文化が好きで、日本語を学んで日本企業に入ったような人だから、「反日的な」韓国人とは明らかに違う。
こういう人は日本にとって貴重だから大事にしたい。
とはいえもちろん、日本政府の歴史認識には同意してはいない。

でもそれはそれ、これはこれ。
大好きな日本食を思う存分味わったりして、日本での生活を楽しんでいる彼だけど、日本語がわかるからこその悩みがあるらしい。
韓国に関するニュースは日本でもよくあって、これは韓国でも同じだからわかるとして、韓国ニュースに対するヤフコメを見るとほとんど非難ばかりで驚いたという。
感覚的にそれは「罵詈雑言」で、「来た、見た、がっかりした」といったところか。

もちろん韓国でも日本については、特に歴史問題に関するニュースにはヒドイ書き込みが大量にされる。
でも彼が韓国にいたとき、「いま韓日関係はすごく悪い。がそれは、一部右翼の政治家や国民があおっているせいで、食べ物やアイドルなど韓国文化は日本で広く人気がある」という情報をよく見たから、そのままそんな認識をしていたらしい。

だから日本に来てみて、まわりの日本人はやさしくていいとしても、ネットの反応を見て衝撃を受けた。
それで「日本に来てみたところ、考えていたよりも雰囲気が冷たい」、「(両国関係が)最悪の状態だというのを肌で感じることができた」というようなことを話していた。

 

でもネットの世界ではなくて、身近な現実生活ではすこぶる快適。
だから「余計なことを知ると心が苦しくなります」ということで、もう彼はネットの書き込みは見ていないという。
戦後最悪の日韓関係のいま、日本にいる韓国人でこういう人はたくさんいるのでは。

でもカン大使の場合は日本政府に背中を向けたら仕事にならないから、日本にいる韓国人のためにも、早く解決策を出すよう本国政府を突っついたほうがいい。

 

 

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2 件のコメント

  • > 「来た、見た、驚いた」
    > 「来た、見た、がっかりした」
    もうすぐ、「来た、見た、負けた」→「来た、見た、諦めた」 になりますよ。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。