世界最古と2番目に古いホテルは、どっちも日本にあった件

 

日本で生まれ育った日本人だと、案外日本について知らないことがあったりする。
個人的には外国人と付き合っていて三十日を「ミソカ」と読むとか、ドリアは日本料理だったとか、日本についていろんな新発見があった。

日本が世界最古の国ということは知っていたけど、世界で最も古いホテル(World’s Oldest Hotel)が日本にあるというのはきのう知った。

日本と世界の建国記念日って?「世界最古の国」と呼ばれる理由

 

知人のアメリカ人が海外メディアのこの記事をシェアしていて、「マジかっ」と思った。

World’s Oldest Hotel Has Been Run by the Same Family for Over 1,300 Years 

これは山梨県の西山温泉にある旅館・慶雲館(けいうんかん)のことで、飛鳥時代の705年、この地で狩りを行なった藤原真人が温泉を発見したことから、この旅館の歴史がはじまる。
このときの元号が「慶雲」だったから、この名前になったらしい。

しかし、それにしても古すぎる。
『日本』という国名ができたのもこのころ(7世紀後半)だぞ。
当時は701年に大宝律令が完成したり、710年には平城京へ遷都して奈良時代がスタートしたころだから、この旅館の起源も言い伝えレベルで事実かどうかはわからない。

でもギネスが認めたのだから、慶雲館が世界最古のホテルであることに違いない。

The oldest hotel is the Nisiyama Onsen Keiunkan in Yamanashi, Japan, a hot-spring hotel, which has been operating since 705 AD.

Oldest hotel

慶雲館

 

さっきの記事によるとこのホテルは1300年以上、同じ一族が経営していて現在は52代目だ。
(the same family for 52 generations)

8世紀にはじまった慶雲館がピークを迎えるのは17世紀の江戸時代。
江戸と京都を結ぶ東海道で人の往来が盛んになり、多くの建物がつくられて、商人やサムライの間で人気だったという。

reached their peak of popularity in the 17th century, as trade increased between the capital city of Edo (now Tokyo) and Kyoto’s Imperial Palace. Many were built along the Tokaido highway that links the two and became popular among traders, officials, and samurai using the route.

 

慶雲館に宿泊した外国人のレビューを見ると、たぶん欧米人の「Stayed one night—worth every dollar」(値段は張るけど、その価値はある)とか、香港人の「最古老的酒店 最佳住宿經驗」(最古のホテル 最高の宿泊体験)と評価は高い。
「世外桃源,溫泉泡湯超推薦!」と書いた台湾人は、ここで桃源郷のようなユートピア気分を味わったのだろう。

世界最古でも料金は世界最高にあらず。
旅館のホームページを見たら3万円代であるから、庶民でもがんばれば宿泊は可能だ。
でもこれはコロナ禍でのディスカウント価格かもしれないから、行くならいまがチャンスかも。
もちろんコロナの状況と相談しながらで。

 

ギネスブックのホームページには、世界で2番目に古いホテルも日本にあると書いてある。(The second oldest hotel is also in Japan)
これはきっと石川県にある温泉旅館『法師』(718年創業)のことだろう。

それにしても、世界最古と2番目のホテルが日本にあったというのは今回が初耳。
日本人でも知らない人が多いのでは?
外国人の視点から発見する日本は本当に多い。

 

世界第二位の法師

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。