アメリカ人にとってイギリス英語は、日本社会の大阪弁?

 

ほんじつ5月4日は日本では「みどりの日」で、海外では「スターウォーズの日」。
この日はアメリカはもちろん世界中の国で、ダースベイダーやレイア姫などの格好をした人が街をかっ歩している。しらんけど。

スターウォーズで出てくる「May the Force be with you」という有名なセリフと、5月4日をかけた「May the Fourth be with you」のシャレでこの日ができた。
まぁくわしいことは下をクリックだ。

Star Wars Day

 

 

グーグル検索したらこんな派手な画面でビビった。

 

 

スターウォーズというと、以前こんなことがあった。
イギリス人女性とアメリカ人男性とガストでご飯を食べていたとき、映画の話題になってイギリス人がこんな不満を言う。

「スターウォーズに出てくる帝国軍の人たちが話しているのはイギリス英語。ディズニーアニメでも悪役がイギリス英語を話すことはよくある。アメリカの映画やドラマを見ていると、ときどきそういうことがあって嫌になる。」

するとアメリカ人が「いや、必ずしも悪役だけじゃないよ。イギリス人の話す英語には、知的で上品で独特の魅力があるんだ」とヨイショをしながら言い訳をする。
だからアメリカ人はイギリスの英語をいじったり、からかったりすることがあるらしい。

エルフという英語塾のサイトを見ると、個人差はあると指摘しつつ、年配のイギリス人にはアメリカ英語をだらしなく聞こえると考える人多く、アメリカ人はイギリス英語に対して、知的で少しミステリアスな印象を持つ傾向があるという。

こういう見方がよく表れるのがハリウッド映画だ。
やっぱり悪役にはイギリス人俳優を採用することがあって、『ワイルドスピード』では二作連続でイギリス人の敵役とアメリカ人が戦う内容だったらしい。(見たことないからよくわからん)
「イギリス人は敵役が適役」という構図は異世界もので見られるようだ。

ファンタジーであればエルフ族の魔法使いなどといった神秘的な雰囲気の役(ロードオブザリングシリーズのガンダルフとギムリはどちらも英国人の俳優が務めていましたし、ドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチもそうですね)

ハリウッド映画でイギリス英語を話す人物が出てきたら、悪役確定!?

 

話をガストに戻そう。
このときアメリカ人が「イギリス英語って大阪弁みたいなものなんだよ」とか言いだして、「は?」と思った。
視聴者が共感や親しみ、または敵意をもつような、個性的な登場人物が話を盛り上げるのは世界中のドラマや映画のお約束。
アメリカ社会では、イギリス英語はそんなキャラ設定に便利で効果的だからよく使われるという。

日本では大阪弁がそんな言葉。
大阪弁には特定のイメージが定着しているから、それを利用して、大阪弁を話す人物をドラマや映画に登場させることはよくある。

 

大阪出身の言語学者で「役割語」の提唱者である金水敏氏は、ドラマやマンガで大阪弁を話す人物がいたら、こんな特徴を1つか2つ以上持っていると言う。

・冗談好き、笑わせ好き、おしゃべり好き
・けち、守銭奴、拝金主義者
・食通、食いしん坊
・派手好き
・好色、下品
・ど根性(逆境に強く、エネルギッシュにそれを乗り越えていく)

くわしいことは大阪弁を。

ネットを見たら、大阪弁を含めた関西弁を話す人気のアニメキャラには、

『名探偵コナン』の服部平次や遠山和葉、『カードキャプターさくら』のケルベロス、
『うる星やつら』のラン、『じゃりン子チエ』の竹本チエ、『ラブライブ!』の東條希

などがいる。
こういうキャラにはやっぱり大阪弁がふさわしい。

イギリス人が嫌いとか憎いとかじゃなくて、ドラマや映画を盛り上げるために、アメリカ人はイギリス英語をいわば“小道具”として利用する。
日本でもキャラ設定に大阪弁は効果的だから、あえて特定の人物にそれを話させる。
そのアメリカ人から見れば、そういう意味ではイギリス英語も大阪弁も根本的な発想は同じ。

ただ“使われた”側にとっては、ステレオタイプのイメージを強調しているように感じることもあるから、このイギリス人のように不満を言うこともある。
テレビの中の“作られた大阪人”に、「オイオイ」とツッコみたくなる大阪人はきっといる。
良くも悪くもアメリカ社会ではイギリス英語が、日本では大阪弁が独特の存在感を持っているということの現れだ。

 

 

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1 個のコメント

  • > このときアメリカ人が「イギリス英語って大阪弁みたいなものなんだよ」とか言いだして、「は?」と思った。
    なるほど~、アメリカ人自身がそう言ったのですか。だとすればそれも一理あるのかな。
    私から見ると、同じ関西弁でもむしろ「京都弁」のイメージに近いような気がします。昔の王家が存在していた都であり、上品で、慇懃無礼を感じさせるところとか。

    この、英国人の米国に対する「本家意識」「尊大さ」「優越感(←何を根拠に?)」と、米国人の英国に対する「憧憬」「あこがれ」「劣等感(←何が理由で?)」は、昔から有名な話で一種の「鉄板ネタ」なんです。映画や小説等文学作品でもしばしば目にするところ。小説だと例えば「A.ヘイリー:ストロング・メディスン」「A.C.クラーク:密航者」「F.フォーサイス:神の拳」とか。映画の場合、SWに限らず、たとえば「007シリーズ」とか最近では「キングスマン」なんてのもその典型例ですかね。特にスパイ映画やミステリー小説でその傾向が顕著みたいです。
    また、ハリウッド映画を始め米国の映画・TVには個性的な俳優がしばしば登場しますが、そういう俳優を「ひょっとして?」と調べてみると、たいていイギリス人です。それに比べて残念ながら米国人の俳優は「人間としての深み」を感じさせる人が、あまり見当たらない(もちろん例外もありますよ)。米国ではNYのブロードウェイでミュージカルに出演することが一流の証であっても、イギリスの伝統的な演劇界が育て上げる俳優の供給システムは、それを凌駕するほど強力であるということなのでしょうね。
    やはりシェイクスピアは偉大な作家だったということか。科学だったらニュートンだけど。

    ところで、アジアでほとんど唯一、日本だけが米国からそれなりに尊重された扱いを受けているのは、おそらく天皇家を維持していることもその理由のひとつだと思われます。つまり米国から見ると、大西洋の向こう側には王家をいただくイギリスが、太平洋の向こう側には天皇家をいただく日本が、どちらも旧世界への入口として大きな意味を持っている「小さな島国」が存在するというわけです。

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