【和洋折衷の日本料理】伊達巻の由来・外国人が感じたこと

 

5月24日の記念日は「伊達巻の日」。

伊達巻(だてまき)の由来には、

・戦国~江戸時代の武将・伊達政宗の好物だったから。
・ふつうの卵焼きよりも見た目がゴージャスだから、派手やお洒落な態度を意味する「伊達」から、こう呼ばれるようになった。

といった説がある。

5月24日が伊達巻の日になったのは、伊達政宗がこの日に亡くなったから。

 

 

こんな巻き簾(す)を使ってつくる。

 

伊達政宗が生まれ活躍した東北地方では、この日に彼をしのんで伊達巻を食べる風習がある。
という話はしらんけど、日本でこれは正月のおせち料理のお約束だ。

この食べ物はなんせ“伊達”だから、華やかな見た目が正月のめでたい雰囲気に合っている。
巻き簾が書物(巻物)に似ているから、「学業成就」の願いが込められている。
卵は子だくさん・子宝をあらわすから、「子孫繁栄」の意味がある。
このほかにも丸い形は家庭円満をあらわすとか、正月にふさわしいラッキーフードである理由がいくつかある。

 

日本ではめでたい料理になっているこの伊達巻、外国人はどう思うのか?
英語を教えていた知人のイギリス人が、新年初のレッスンで生徒から「先生にもおすそ分け」とこれをプレゼントされた。
その生徒はおせち料理のどれを持ってくるか悩んだ挙句、適度な甘さと食感がイギリス人の口に合うだろうと思い伊達巻をチョイスしたという。
結果、お餅のようにネバネバしてないし、あんこのように激甘でもないから、そのイギリス人は伊達巻が気に入った。
*もちろん餅やあんこが大好きなイギリス人もいる。

彼に感想を聞くと、「あれはどこかヨーロッパのお菓子に似ている」と言う。
個人的にも前々から、あの甘さやふわふわの食感がカステラに似ていると思っていたから、このことばが引っかかって調べてみると、どうやらビンゴ。
伊達巻はヨーロッパのお菓子の作り方を応用した日本料理のようだ。

スポンジケーキ状に焼くにはオーブン(天火)の存在が不可欠であることから、ポルトガルのロールケーキである「トルタ・デ・ラランジャ」の技法が応用されたと考えられる。

伊達巻

長崎では「カステラかまぼこ」とも呼ばれているらしい。

 

海外のサイトを見ると、伊達巻はよく「日本風の甘いオムレツ」(Japanese Sweet Rolled Omelet)と紹介されている。
そのレシピを説明するサイトには、「This looks so nice!! I just love this style of omelette」といった好意的な評価が多いんだが、 なんせこれは伝統的な日本の料理。
コレが手に入らなくて、代わりのもの(substitute)をたずねる人が何人もいた。

I can’t find hampen, which ingredients should I use as substitute?
I cannot get Hanpen in Marin, Ca though I am close to SF! How can I use a fish substitute?

*Caはカリフォルニアで、SFはサンフランシスコ

伊達巻は和洋折衷の食べ物だから、味や食感はアメリカ人やヨーロッパ人に合うと思う。
でも外国人が海外でそれを再現するには、「はんぺん」という未知の食材をゲットするのが大変らしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。