先日の6月18日は「考古学出発の日」だった。
明治時代にアメリカからやっモースという学者が汽車で横浜から新橋へ移動しているとき、大森駅を過ぎたあたりの崖に貝殻が積み重なっているのを発見。
それが気になったモースによって、日本初となる科学的な発掘調査が行われたことが日本の考古学のスタートとなった。
それがいまの大森貝塚で、そこからは貝殻、土器、土偶、石斧、鹿・鯨の骨片などが出土する。
モースが日本に上陸した日が1877年6月18日だったことから、この日が「考古学出発の日」となった。
ではそんな彼の来日を記念して、今回は明治時代の日本を訪れたアメリカ人とイギリス人の第一印象を紹介しよう。
モースが日本の街を歩いて感じた印象がこれ。
不思議な建築、最も清潔な陳列箱に似たのが多い見馴れぬ開け放した店、店員たちの礼譲、いろいろなこまかい物品の新奇さ、人々の立てる奇妙な物音、空気を充たす杉と茶の香。
「日本その日その日 03 (モース エドワード・シルヴェスター)」
彼にとって珍しくないものは、足元の地面と空の太陽ぐらいだったとか。
日本の街で清潔感を感じる外国人は現代でもよくいる。
というか、そう思わない方外国人のほうが少ない。
個人的な経験だとタイやベトナムなど東南アジアの人は、路上にゴミが落ちていない様子を見て、必ずといっていいほど印象に残ったと言う。
ノルウェーやスウェーデンなど北欧の人にとっては「同じぐらい」らしい。
「開け放した店」というのは、それでも商品が盗まれない日本の治安の良さが、モースにとっては驚きだったのだろう。
モースは別のところで、テーブルの上にお金を置いたままでも誰も手をつけないことに感心している。
ハイキングに行くと、ボクは言われないと意識しないけど、「杉のにおいがする」と言う外国人がよくいる。あれは外国人がよく感じる、独特の”日本のにおい”らしい。
モースと申す。(1838年 – 1925年)
モースが来日した翌年(1878年)、東京では大久保利通が暗殺される「紀尾井坂の変」が起きた。
そんな年に、イザベラ・バードというイギリス人女性が日本へ旅行でやって来る。
彼女は横浜港に着いたときの印象をこう記した。
わたしの受けた第一印象は、この国はよく統一されているというものです。上陸したとたん、サンパンや人力車の料金表、掲示板の広告文、きちんとした警察官、乗り門の提灯、外国紙幣の拒絶、郵便規則などなど、『規則』に出会うのですから。それにこれも言わなければならないでしょうか。ぼられることがまるでないのです!
「イザベラ・バードの日本紀行 (講談社学術文庫) 」
いろいろな「規則」があって、そのとおりに社会が動いていることが「よく統一されている」というのなら、いまの日本社会を見てそんな印象を受ける外国人は多い。
「ぼられることがまるでないのです!」とビックリマークを付けるということは、バードがそれまで旅した国ではぼったくりが当たり前のようにあったから、日本の正直・公平がとても意外だったのだろう。
いまの日本でぼったくりにあったという話はネットでなら見たことあるけど、身の回りでは聞いたことがない。
モースの第一印象も含めて、訪日欧米人の日本の印象はいまとあまり変わってないかも。
ただ「お通し」という日本独特のシステムに対して、「注文してない料理を勝手に出して、あとからその料金を取られた!」とぼったくりに感じて怒る外国人ならたまにいる。
このへんはもう文化の違いだから、自分の価値観に合った店を選ぶしかない。
ただ池袋の居酒屋で、イスに座っただけで約1700円を請求された中国人は気の毒だった。
東京の基準は知らんけど、静岡でこれならぼったくりと言われても仕方なし。
その中国人の怒りについてはこの記事をどうぞ。
イザベラ・バード(1831年 – 1904年)
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そのイザベラ・バードは半島については貶しているのがね。
いつまで