1年を24の季節に分けた「二十四節気」によると、きょう7月3日は「夏至」(6月21日~)の中にあり、7日から「小暑」が始まり、7月22日になると夏本場の「大暑」の季節になる。
つまり、これから本格的な暑さが始まるということだココロセヨ。
そんなジメジメ蒸し蒸しを吹き飛ばしてくれるのがこのスイーツだ。
基本的な原材料はアイスクリームとほぼ同じ。
でも、ソフトクリームには空気が多く含まれているから、あの独特の食感がうまれる。
1930年ごろアメリカで誕生したこのスイーツは、日本には戦後にやってきた。
1951年7月3日、明治神宮外苑で行われたアメリカ独立記念日を祝う米軍の行事で、ソフトクリームが販売される。
一般の日本人が初めてソフトクリームを食べた7月3日は「ソフトクリームの日」という記念日に制定された。
それ以来、日本で独自に発達したこのデザートについて、いまの外国人はどう思うのか?
まず知人のアメリカ人から突っ込まれたことは、「soft creamは英語じゃねえし」ってこと。
ソフトクリームは日本人がつくった和製英語で、英語では「soft serve ice cream」と言い、英語版ウィキペディアには「Soft serve」の名で項目が作られている。
ソフトサーブというとバレーの山なりサーブを連想してしまうが、外国人に言うならこっちのほうがいい。
これまでアメリカ人、インド人、ドイツ人、ベトナム人、トルコ人など世界中の外国人に、日本のソフトクリームについての感想を聞いたことがある。
国籍や宗教を越えて、みな一様に驚くのはその豊富な種類だ。
例えばオーストラリア人が金箔ソフトクリームを食べて、「Soft serve with gold flakes!」とSNSに写真を投稿すると、
「waaaat? where d’you get that at?」(はあああああ?アンタ、それどこで買ったの?)と母国の友人からサプライズが返ってくる。
上のソフトクリームは金沢のもので、ほかにも京都や名古屋でも金箔ソフトは売っている。
外国人に聞くと母国のソフトクリームは3~5種類ぐらいしかないけど、日本だと観光地に行くたびに見たことないソフトクリームがあって、日本人のアイデアや創造性に感心するという。
きょねん東ヨーロッパから来たリトアニア人は、浜松フラワーパークにあった「バラのソフトクリーム」を見て「マジで!」と言う。
バラのジャムは知ってたけど、ソフトクリームを見たのは初めてだとか。
しかも珍しさで客の注意を引くだけではなくて、味もしっかりしている。
ほかにも日本では梅、イチゴ、スモモ、柚子などのフルーツ系に、カボチャ、モロヘイヤ、トマトなどの野菜系、それに醤油、八丁味噌、ウニ、サボテンなどなどいろんなフレーバーがある。
くわしいことはソフトクリームをクリックしてくれ。
だから「tsunagu japan」のように、日本でしか食べられないソフトクリームを紹介する海外メディアが出てくるのは必然。(Aug 03 2015)
10 Great Soft Serves You Can Only Get in Japan
「日本の有名観光地にはそれぞれ独自のソフトクリームがある」(Each famous tourist spot in Japan has their own special soft serve)と前書きがあり、次の10個を読者にオススメしている。
徳島の鳴門金時芋ソフトクリーム
北海道の昆布ソフトクリーム
新潟のせんべいソフトクリーム(「ばかうけ」とのコラボ)
別府のもろみソフトクリーム
福井のいかすみソフト
長崎のカステラ生ソフトクリーム
青森のほたてソフトクリーム
小豆島(香川)のオリーブの葉を使ったソフトクリーム
角島(山口)のわかめソフトクリーム
岡山の赤鬼ソフト
こんなソフトクリームを作り出せるのは世界でも日本人だけ。
「赤鬼ソフト」ってなんだ?と思ったら、基本いちご味で少しの唐辛子が入っていて、鬼のこん棒をイメージしたクッキーがトッピングされているものだった(a cookie that represents the demon’s staff)。
こういう細かいこだわりも日本人ならでは。
ソフトクリームとデーモンが結びつくことは普通はない。
日本の食の話題なら、その道の巨匠・北大路 魯山人(きたおおじ ろさんじん:1883年 – 1959年)に登場してもらおう。
北大路 魯山人は日本を代表する料理研究家で美食家、『美味しんぼ』に出てくる海原雄山のモデルになった人物だ。
日本料理の原点である出汁(だし)の作り方について、彼はこう書いた。
昆布をだしに使う方法は、古来京都で考えられた。周知のごとく、京都は千年も続いた都であったから、実際上の必要に迫られて、北海道で産出される昆布を、はるかな京都という山の中で、昆布だしを取るまでに発達させたのである。
「だしの取り方 (北大路 魯山人)」
日本ではむかしから、それぞれの地方が特質をいかした質の高いの食べ物を生産し、その味を最大限に引き出す技術をたくわえてきた。
そうした土壌にソフトクリームが入ってきたなら、それにこれまでの知識を応用する発想はきわめて自然だ。そうやって日本化されたソフトクリームがポンポン生まれた。
でも、そんな事情や日本人の蓄積を知らない外国人が見たら、「waaaat? where d’you get that at?」や「Great Soft Serves」となるのも当たり前。
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