外国人がどれだけ日本の生活に慣れたか? は“おにぎり”で分かる

 

東京五輪を取材するために世界中の記者がやってきた。
そのなかのひとり、カナダ公共放送のアナスタシアさんが日本で、「おにぎりの開封」というエベレスト級の困難と直面した。

 

おにぎりとは関係ないんだが、アナスタシアというのはロシア人によく名前だから、この人はロシア系かも。
で日本で一番有名な、実在のアナスタシアといえばロシア革命のとき、父の皇帝ニコラス2世と一緒に処刑された皇女アナスタシア・ニコラエヴナで間違いないはず。

 

「助けてください」という簡潔で率直なメッセージが共感を呼んで、このツイッター動画は100万再生超えの大反響。
おにぎりの母国・日本人から、開け方を説明する文章やイラストが津波のように押し寄せたのは言うまでもなし。
そんなアドバイスと自身のチャレンジのおかげで、彼女はついにこれを征服することに成功した。

 

 

ほかにも、「助けてください」と悲鳴を上げている外国人さんがいるかもしれない!
と思ったセブンイレブンはすぐに動き出し、おにぎりの開け方を説明する動画を公開した。
これも日本流のおもてなし精神の表れか。

 

 

いま日本にあるおにぎりとはかなり違うけど、人が米を握って作ったとみられる「日本最古のおにぎり」なら、弥生時代(約2000年前)の住居跡から見つかっている。
日本人のソウルフードとして愛されてきたおにぎり。
昭和になるとこれがプラスチック・フィルムに包まれ、現在のようにスーパーやコンビニに並んで選ばれるのを待つようになる。

日本に来る外国人なら、ほとんどの人が一度はこれを手に取るはずだ。
個人的な経験では、日本のマンガやアニメでおにぎりを食べるシーンがよく出てくるから、「なにあの三角形の食べ物?」と興味を持った外国人がけっこういる。
そんなトルコ人が日本のコンビニでおにぎりを買ったものの、さっぱり開け方がわからずに自己流で突破しようとしたら、のりがビリビリに破れてムゴイおにぎりになってしまった。

日本に3年以上住んでいるタイ人女性はフィルムに包まれたおにぎりの開け方を見て、その外国人がどれだけ日本の生活に慣れたか大体わかると言う。
のりをまったく破ることなく、さっそうとおにぎりを取り出す外国人を見ると、「コイツはかなりの手練れ。きっと日本に1年以上はいる」と思うらしい。
日本に来たばかりの外国人は「OK。やってみるよ!」と自分で開けようとするけど、それはまず100%不可能で、結局は「助けてください」となるから、そのタイ人が説明しながらおにぎりを取り出してみせる。
「あれをやると、なんか母親になったみたい」と話すそのタイ人も、教え子たちが自分でおにぎりを開けるようになるのを見ると、「よしよし、コイツもだいぶ日本になじんだな」と感慨深く思うとか。

 

 

日本に住んでいる外国人が雑誌のコラムに、「LDP」を見てすぐに「自由民主党(Liberal Democratic Party)」と分かれば、その外国人はかなり日本になじんでいると分かると書いていた。
これはメディア関係の外国人の話だろう。
外国人の日本への定着度をはかる目安はいろいろありそうだ。

 

 

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1 個のコメント

  • コンビニで「乾いた海苔が巻けるおにぎり」を発売し始めたのは、おそらく、1980年の頃だったと思います。
    当時は、この「セブン・イレブン方式」以外にも、開け方・巻き方が色々あって店によって違い、中には、日本人にとってもかなり難しいものもありました。
    私の祖母は、この外国人と同じように開け方がわからないので、包装ビニールを一度おにぎりから全部外しておにぎりを横へ置いておき、ビニールを破って海苔を取り出してからおにぎりに巻き直しして食べていました。
    当時は学生だった私が見かねて、「こうするんだよ」と教えてやったのですが、それがどうしても祖母には習得できず、いつまでも「巻き直し方式」で食べていましたね。
    もう今では、巻き方が「セブン・イレブン方式」に統一されてしまったのでしょうか?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。