【福島いじめ】韓国が東京五輪で日本を激怒させた2つのこと

 

まずは「福島の悲劇に捧げる」と題するロシア人(?)のコンサートを見てほしい。

「It was a concert dedicated to the tragedy in Fukushima」

 

ちなみにこの曲は、星の数ほどある日本アニメの中でも屈指のグロ映像で知られる『エルフェンリート』のオープニングテーマ。
それを知ってる人がこの中に何人いるのか。

 

東日本大震災で大きなダメージを負って、いまも復興の過程にある福島。
そんな福島の人たちを苦しめているのが「放射能汚染」という風評被害で、特に農業・水産業にかかわる人たちがこの被害にあっている。

日本政府は福島原発から発生した放射能汚染水を、国際基準を満たした処理水に変えて2年後に海へ放出する予定だ。
この処理は韓国をはじめ外国の原発でもやっていて、日本は国際原子力機関(IAEA)のお墨付きをもらっているし、人体への危険は常識的にみればない。

科学的・技術的な問題はないとしても、消費者の気持ちにネガティブ印象を与えやすい。
それで政府は大きな影響力を持つインフルエンサーに、福島産物の安全性を世界に伝えてもらうことにした。
この時事通信の記事で平沢勝栄復興相は、「風評被害は限りなくゼロに近いものにしていかなければならない」と強調する。(8/20)

処理水「安心」発信を 魚飼育、SNS活用 政府作業部会

 

東京五輪では、来日した多くの外国人がこの役割を果たしてくれた。

福島のモモを食べた野球のドミニカ代表チームの選手は、「こんなにおいしいものは食べたことがない」と称賛し、ソフトボール米代表チームの監督は「福島は被災から復興した。福島が安全で良い場所ということを海外のメディアが見て回れないのは残念だ」と語る。
オーストラリアの監督にも「福島は美しい。山や緑が印象的だ。モモはずば抜けて素晴らしい」と好評だ。

オリンピックは世界の友好と協調の場。
だからこういうポジティブな声はその理念に合っているし、ホスト国として「おもてなし」をした日本にとってもうれしい反応だ。
実際、こうした声に福島の人たちが励まされたよろこんでいた。
でも残念ながら、その正反対のことをした国もあった。

 

洪水で水没した日本の街を見て、「(水は)福島の放射線で満たされている」という外国人のコメントを最近見た。

 

大韓体育会(大韓オリンピック委員会もこれに含む)は選手村で、福島の食材を使用していることを不安視し、韓国の食材を使って自国の選手に弁当を提供していた。
測定機を使って、食材の放射線量を入念にチェックしていると国民にアピールしながら。
(でもこれでは、食品に含まれる放射線は測れないらしい。)

この「放射能フリー弁当」は、福島をあまりにもバカにしていると日本の政治家や国民から批判が殺到。

日テレニュース24(2021年7月21日)

韓国“放射能フリー弁当”五輪選手団に提供

自民党の佐藤正久外交部会長は、「おもてなしの気持ちで努力し、相当気を使っている」「これは福島県民の心を踏みにじる行為だ」と吐き捨てる。

でも、選手個人のレベルになると話は別。
韓国の国旗「太極旗」のあるシャツを着た韓国の選手が選手村で食事をし、「夜食おいしいです」というコメントを添えて写真をSNSに投稿した。
ほかにも上の弁当を韓国選手から分けてもらった日本選手もいたから、韓国政府や大韓体育会のパフォーマンスとはかなりの温度差がある。
世論を意識して過剰反応をしたのだろう。

 

韓国政府は数年前から、福島を不当に危険視する発言を国際社会で何度もしていた。
あまりに度が過ぎるから、怒った安倍前首相が日韓首脳会談で文在寅大統領にこう言ったこともある。
中央日報日本語版の記事(2019.12.31)

文大統領に直撃弾飛ばした安倍首相「福島をいじめるのもいいかげんにしてほしい」

東京五輪でのようすを見る限り、この態度はいまも続いている。

 

韓国の言動で日本人を最も怒らせたのは、『AERA』が伝えるコレだろう。(2021.7.26)

韓国メディアがメダリストに贈られるビクトリーブーケを「放射能への懸念」と言いがかり、「日本政府はIOCに抗議すべき」の声

表彰式でメダリストに贈呈される「ビクトリーブーケ」に、韓国メディアが「福島産の花束で放射能への懸念がある」といった報道をして日本人を激怒させた。
ちなみにこのブーケにあるのは福島県産のトルコギキョウで、花言葉は「希望」。
別のメディアの記事で、福島県浪江町でこの花を栽培している人が、表彰式で選手がブーケを持っている姿を見てうれしい気持ちになる。これからもいい花をつくっていきたいと話していた。

こうした県民の思いをよく知る内堀福島知事は、

「今回の報道を拝見し、本当に残念です。東日本大震災、原発事故から10年が経過しました。この間、本県の農業者、生産者、そして関係の皆さんが、努力、努力、努力を重ねてきました。」

日本の放射性物質の基準は、世界でも最も厳しいレベルにある。
福島産は玄米であれば6年連続、野菜・果実は8年連続、畜産物、栽培山菜・きのこは9年連続でこの基準値を超えるものがない。
そんな事実を挙げた知事はこう訴える。

「大切なことは、今回のような案件があった時に、やはり誤解や偏見を正して、正しい情報を認識していただく、これが風評払拭の本質だと思います。」

まさに言いがかりや嫌がらせで、当然ネットも沸騰した。
これはかなり穏やかな表現のコメント。

・防護服を着ればいいじゃんw
・参加取りやめて帰ればいいのに
・菊の花束に変えてやれば?
・韓国選手で貰える奴 何人いるんだよ
・だから日本の中立的な人たちも嫌韓になるんだよ

AERAの記事で政府関係者が怒りをこうぶちまける。

「今まで日本をバッシングする報道が韓国で流れてきたが、これはあまりにも酷い。科学的根拠もなく、被災に遭った地域の方々を侮辱している。政府はIOCに抗議して厳重注意を求めた方がいい。『大人の対応』で静観しては風評被害を受ける。この記事を訂正しないのなら、韓国のメダリストに気の毒かもしれないが、ビクトリーブーケを渡さなくていい」

福島への侮辱には与党も野党もない。
立憲民主党の玄葉元外相は国会で、

「ここまでくると侮辱だ。本当に丹精込めて、思いをもって作っている。食材もGAP認証をしている」

とコメントを控える政府に「大人の対応をしすぎだ」と、韓国にき然とした対応するよう求めた。

でも結局、韓国選手にはブーケを渡していたし、政府がIOCに抗議したという話も聞かない。
いつものように、「大人の対応」で終わったようだ。
でも、声を上げたことには少しは意義があったようで、韓国最大の全国紙・朝鮮日報が記事で日本の怒りを伝えた。(2021/07/27)

2020東京五輪の表彰式でメダリストに贈られる花束「ビクトリーブーケ」に対して韓国メディアが放射能の懸念を示したことをめぐり、日本が憤慨している。

東京五輪:「韓国選手には渡すな」 放射能花束への懸念に日本憤慨

朝鮮日報もこれは言い過ぎだと思ったらしい。

 

もし韓国政府が放射能汚染から国民をホンキで守りたいのなら、まずソウルをどうにかしたほがいい。
ソウルの日本大使館が公開している「日本と韓国の空間線量率」を見ると、きょう9月2日のデータは以下のとおり。(単位:μSv/h)

福島市(0.119) いわき市(0.060) 東京(0.048) ソウル(0.118)

大体いつもソウル市は福島市と同レベルで、東京より約3倍も数値が高い。
「放射能フリー弁当」を作ったり、花束に「放射能への懸念」を示すという福島いじめよりも先に、韓国にはやることがたくさんあるのだ。
東京五輪は日本と韓国の距離を縮める絶好の機会だったのに、韓国側が科学ではなく、反日感情と世論を意識して行動するからむしろ遠くなった。

 

 

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ドイツの“少女像”まで利用するユン氏に、韓国国民「恥知らず!」

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

3 件のコメント

  • 韓国人の一人として心から申し訳なく思います。
    口が十個でも言うことがありません。
    東京オリンピック開会前に東京オリンピックに参加してはいけないという世論が韓国で起きました。
    福島の放射能で汚染された場所に選手を送ってはいけないとして、オリンピックに参加することは放射能から安全だということを世界に宣伝しようとする日本の計略に巻き込まれるという世論がマスコミから形成されました。このような世論形成の背後は確かにあるはずです。韓日間の関係が好転することを望まない部類でしょう。
    事実を知らず、マスコミの報道だけを信じる韓国人は、たいてい五輪をボイコットしなければならないと思いました。やはり韓国メディアの問題であり、そのような世論を背後で操る不純な勢力が問題です。
    隣国として当然応援すべきなのに、かえって邪魔をしたことが恥ずかしいです。

  • 個人と国(政府)は違うので、そんなに強く思わなくていいと思います。
    日韓の選手同士では交流もあったようですし。
    ただ、世論をあおる韓国のメディアや政治家は困ったものですね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。