愛国無罪:「法が国民感情に勝てない!」と韓国人も困り果て

 

韓国社会には、国を思って日本をたたく「愛国反日」を動機とするのなら、かなりの無茶でも認められるという困ったところがある。

それを肌で知ったのが、ソウルで取材活動をしていた産経新聞の加藤達也記者だ。

裁判所前での車襲撃や産経新聞ソウル支局が入るビル前で繰り返される糞尿投げデモを含めた韓国社会の根底にある、「反日であれば、何をしても構わないという」反日無罪の実態を語る

愛国無罪

 

韓国では反日がそのまま「愛国」に変換されることがよくあるから、違法行為さえも黙認される傾向がある。
日本から見れば反日活動でも、韓国では国民感情に合っていればそれは正義。
正義を問題視するのは“悪”だから、違法でもあってもスルーされてしまう。

中央日報日本語版が伝えるこの像はそんな例のひとつだ。(2021.08.16)

「モデルが(朝鮮人労働者ではなく)日本人とみる妥当な理由がある」という裁判所の判決が出たにも関わらず、大田(テジョン)に日本徴用労働者像が3年もの間、違法設置物の状態で置かれている。

「私たちの先祖ではなく日本人がモデル」…3年間撤去されない大田の徴用労働者像

 

戦前・戦中の統治時代、(韓国の市民団体の主張では)日本によって強制的に連行され、人権無視で奴隷のように働かされた韓国(朝鮮)人を象徴する像が2019年に大田(テジョン)市の公園に建てられた。
ツッコミどころは大きく2つある。

まずこの像のモデルとなった人物は韓国人ではなく、「日本人だと信じるに値する相当な理由があったとみられる」と実は日本人であることを韓国の裁判所が認めたこと。
つまりこの像を、「日本による強制徴用の被害者の象徴」とする歴史認識は間違っていたことになる。

さらに市民団体は自治体の許可を得ることなく、3年前に違法で勝手にこの像を設置した。
だからこれは平和や人権ではなくて、「違法状態」を象徴する像になってしまった。

大田市が法律を検討した結果、「労働者像を違法造形物のため、撤去以外に解決方法がないという結論を下した」という。
これは明らかに違法だから、撤去するしかない。
そんな結論が出たにもかかわらず、具体的な動きはなく、市がこれを放置するという異常事態が続いている。
でも韓国社会の現実を知れば、これも仕方ないのだ。

 

2016年に釜山(プサン)の日本総領事館前に市民団体が、慰安婦像を今回と同じように違法で設置。
法に基づいてそれを撤去した区長はその後、強烈なバッシングを受けて像を戻し公式に謝罪した。
違法行為を行った側が謝罪を要求し、法律の側にいた人間が頭を下げるという、日本ではあり得ない風景がそこにはあった。
2018年になると日本総領事館前の慰安婦像の隣に、今度は徴用労働者像の設置すると市民団体が発表した。
それに対して区長はこう悲鳴を上げる。

「法が国民感情に勝つことはできない」
「少女像のように設置を防ぐ手立てがない」
「この問題は外交部が解決しなければならない。地方自治体には力がない」
「昨年、少女像を撤去したところ、東区が激しい袋叩きに遭ったではないか。(労働者像を不法に設置しても)絶対に前回のように撤去することはできない」

上のコメントは中央日報の記事から。(2018年04月20日)

釜山自治体長「国民感情には勝てない」…強制徴用労働者像の設置の可能性高まる

日本でいえば大阪のような、韓国第二の都市で「法が国民感情に勝つことはできない」と区長が認めるというのも、日本人の感覚ではアンビリーバブルのひと言だ。
この問題は外交部(外務省)が解決しなければならない、という区長の訴えを韓国政府は無視してこの違法行為を黙認した結果、この像は日本総領事館前近くの歩道に設置された。

この違法行為に、今度は釜山市が動いて市長がこの像を撤去する。
でも、「法が国民感情に勝つことはできない」という区長の言葉どおり、法はまたも国民感情に敗北したのだった。
朝鮮日報の記事(2019/04/17)

市民団体に白旗上げた釜山市、撤去の労働者像を返還

「市民、労働者の皆さんに心配をかけたことを謝罪する」と頭を下げた市長は、撤去した像を市民団体に戻すことを約束。

これは韓国の国内法と国際法(外交関係に関するウィーン条約)の2つの法に反する暴挙なのに、市民団体側は「官と民が手を取り合って民族の自尊心のために一つになった事例は韓国全土で釜山しかない」と記者会見で勝利宣言を行う。

「民族の自尊心のため」と言えば何でもできるような無法状態を、朝鮮日報が社説(2019/04/19)で猛批判する。

労働者像を撤去したのは国として当然やるべき行為だった。ところが法律を執行した釜山市が違法行為者に謝罪し膝を屈した。世の中にこんな国があるだろうか。

法を執行した釜山市長が無法者に謝罪、こんな国がほかにあるのか

ないと思うよ。

 

先ほどの大市田の労働者像についても、違法状態が3年間もスルーされてる現状を中央日報は批判的に報じていた。
でも、現実的にはどうすることもできないのだ。
法を優先して像を撤去したら、「皆さんに心配をかけたことを謝罪する」と市長が頭を下げるオチになるのは目に見えている。
メディアや行政など多く人が「違法」と認識していて、本来なら撤去しないといけないと考えていても、国民感情に反することはできない。
それはしたら公開謝罪させられたという前例がいくつもあるから、「世の中にこんな国があるだろうか」と思っても結局、誰もこの像には触れられない。
反日無罪というか、反日無双といえる状態がいまの文政権の韓国にはある。

 

 

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3 件のコメント

  • 知性を持った韓国人が自虐する言葉が”憲法の上に群がる法”という言葉です。
    法治主義が深刻に毀損されているのが現在の韓国です。
    感情が理性と法をリードすると、その国は文明国だと言うのが恥ずかしいです。
    多くの韓国人がこのような世相を恥じ、理性を回復することを願っています。

  • その反日感情を育ててきたのは教育とメディアだと思うんですけど

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。