【差別に敏感】人種や性的少数者に配慮しまくりのアメリカ

 

「空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! いや、スーパーマンだ!」
(Look! Up in the sky! It’s a bird! It’s a plane! It’s Superman!)

のキャッチフレーズで日本でもお馴染みのスーパーマン。
1930年代に登場したアメリカを代表するこのスーパーヒーローは、今度はバイセクシャル(両性愛者)という設定になるらしい。

朝日新聞の記事(2021年10月12日)

「スーパーマン」はバイセクシュアル 最新号で友人記者と恋仲に 

いまのスーパーマンは2代目で、クラーク・ケント(元祖スーパーマン)の息子のジョン・ケント。
父のクラークは女性記者と恋仲になるが、息子のジョン・ケントは男性の新聞記者、ジェイ・ナカムラと恋愛関係になり、最新号には二人がキスをするシーンが出てくる。
これについて作家のトム・テイラー氏は、

「ジョンは自身のアイデンティティーに気付いた」
「より多くの人が、最もパワフルなスーパーヒーローの中に自らを見いだすことができる」

と期待を語っているという。

新しいスーパーマンが時代の変化に合わせて森林火災や難民といった、現代的な社会問題に取り組むのはいいとして、バイセクシャルという設定にはアメリカでも賛否が分かれている。
といっても共感より、

「バカげている(This is ridiculous)」
「99%の人はこれを見て泣くよ(i know 99% of the people crying over this)」

とスーパーマンの世界観をぶち壊されたという、否定的な意見が多いようだ。

日本のネットもネガティブな見方で占められている。

・BLは同人誌でいいだろ
・あっちじゃこういうの流行ってんのか…
・アメリカのマッチョイズムの象徴に何しとるねんw
・日本の漫画にこの流れが来ないことを祈る……
・コミケで売るつもりか?

カメラマンが「フォトグラファー」、ビジネスマンが「ビジネスパーソン」となったように、「スーパーマン」から「スーパーパーソン」になる日も近いかも。

 

画像:Siri Kaur

 

元祖スーパーマンと新スーパーマン

 

『新・北斗の拳』でバイセクシャルのケンシロウがレイとキスをしたら、きっと日本人の99%が泣く。

 

スーパーマンと同じく1930年代に生まれた国民的ヒーローの『Batman(バットマン)』も、きょねん初めて黒人が主人公になって大きな話題をよんだ。

 

 

「アメリカ人は日本人と違って本音と建前がない。思ったことをストレートに言うよね。」

と、まえにアメリカ人に言ったら「その答えはイエスでありノーだ」と言われた。
基本的な対人関係ではそうだけど、アメリカ社会は差別問題に超敏感。
公の場では人種や性的少数者への配慮はいつもついて回るから、心の中では何を思っていても、表面上は常に「適切な表現」をしないといけない。
ちゃんとその場の空気を読んで発言しないと、とんでもないペナルティーを払わないといけなくなる。
この点では日本人は鈍感というか、大胆に見えるらしい。

そのアメリカ人が子どものころ、ハロウィンの仮装でバッドマンの格好をした黒人がいて、ほかの子ども(たぶん白人)から「それはおかしい」、「君はバッドマンにはなれない」と言われて問題になったという。

日本だったらこれはない。
誰がどんな格好をしたとしても、問題になるのは「似合う/えっ?」ということぐらいで、キャラクターとの人種の一致を求める発想は出てこないだろう。

今回のスーパーマンではパートナーにジェイ・ナカムラという日系人を起用して、主人公は性的少数者に配慮した設定になっている。
アメリカ社会はいろいろややこしい。

 

 

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1 個のコメント

  • > 公の場では人種や性的少数者への配慮はいつもついて回るから、心の中では何を思っていても、表面上は常に「適切な表現」をしないといけない。
    > ちゃんとその場の空気を読んで発言しないと、とんでもないペナルティーを払わないといけなくなる。

    しかもそれは、主にホワイトカラーの所属する「ミドルクラス以上の上流社会」のことだけなんですよね。
    米国でも「中流以下」の田舎の社会においては、そんなこと、まるで他国の話のようなんですが。
    日本に比べて、それだけ多様性が大きいってことでもあります。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。