いまでもこんなことがあるなんてビックリっすわ。
埼玉新聞の記事(2021/10/9)
暴力団組員や保育園運営法人に勧告 1万7千円の門松、組員から3万円で…保育園経費で購入/埼玉県公安委
この法人は2014年から2020年まで暴力団組員から、普通なら1個1万7千円の門松を3万円で購入し総額22万8千円を渡していた。
その門松は保育園の経費で購入して園の玄関に飾っていたというから、これほど不吉でダーティーな門松もない。
埼玉県の暴力団排除条例に違反したとして、公安から勧告を受けた法人の理事長は「もうしない」と暴力団との縁切りを約束したとか。
これにネット民の感想は?
・保育園からみかじめ取ってどんな時に助けてやれるというのか
・自分のとこの園児とよその園児とのもめごとの解決にヤクザを使ってたのかな
・怖くて普通に断れないと思う 警察に相談とかしたら後でなにされるかと
・組長先生かよ
・アクション保育園?
こんなことはあるものの、日本全体ではヤクザの数は減っている。と今日の中央日報が報じてた。
(2021.10.19)
日本社会からヤクザが消える…9年間で7万人から2万5000人に「急減」
2011年には7万300人いた組員が、2020年には2万5900人に激減した。
その理由はなんといっても、1990年代に日本政府が暴力団対策法を施行し、ヤクザに対する取り締まりを強化したことが大きい。
2011年にはこの法をさらに強化した暴力団排除条例が全国で施行されて、ヤクザを締め上げていった。
理事長が受けた勧告もこれによる。
いまの日本ではもうヤクザで食っていけないから、足を洗ってまっとうな仕事で第二の人生を始める人も多い。
元山口組の組員で4度の懲役刑を受け、38歳でヤクザをやめた後8年間勉強して46歳で法務士試験に合格した男性や、元工藤会の組員でいまは小さなうどん店を経営している男性が上の記事で紹介されている。
それぞれの仕事で「元ヤクザ」の肩書は役立つのかデメリットになるのか、よくワカラン。
いまの日本社会からは消えつつあるヤクザ。
この語源は江戸時代の賭博用語という説が有力だ。
賭博の一種である三枚ガルタでは「八・九・三」の札が最悪だったことから、江戸時代の風俗を記した『嬉遊笑覧』には「悪きことの隠語を八九三といひ始めたるなり」とある。
この隠語から「やくざ」は敗者、つまらぬ人間、遊び人などを意味するようになり、現在のヤクザになったといわれる。
そんな江戸時代の日本人には想像できなかっただろうけど、「八九三」から生まれたヤクザは21世紀のいま、「YAKUZA」としてワールドワイドで知られている。
海外の映画やドラマにちょくちょく登場するし、タイの首都バンコクにあるショッピングモールをぶらぶらしてたら、ツッコミどころ満載のこんなTシャツを見つけた。
店員もYAKUZAが日本のマフィアということは知っていた。
犯罪者集団は世界中にいるけど日本のヤクザは特殊だ。
英語版ウィキペディアを見ると、ヤクザには懺悔や謝罪の気持ちを示すため、左手の小指の先を切り落としてボスに渡す「指詰め」や「落とし前」といった Rituals(儀式)があると説明されている。
Yubitsume also otoshimae, or the cutting off of one’s finger, is a form of penance or apology. Upon a first offense, the transgressor must cut off the tip of his left little finger and give the severed portion to his boss.
これは日本独特の発想や文化でヤクザはすでに「キャラ立ち」しているから、外国人にとってこういう不思議な世界観は”魅力的”で映画やドラマで使いたがるのだろう。
現在の英語圏でYAKUZAはゲームとのつながりが深い
でも知名度が上がると海外では、日本っぽいものにやたらと「ヤクザ」と名づける現象が起きている。
さっきのTシャツもそうだし、知人はロシアで「ヤクザ」という店名の寿司屋を見つけて驚いたという。
ラトビアにも「ヤクザ」という寿司屋があって、そこで食べたラーメンがうまかったという日本人がいるし、ポルトガルにはこんなレストランもある。
リスボンにYakuzaという名前の創作系レストランが出来た。寿司もある。目指すのはNOBUやZUMAらしい。
— 小森リモ子 (@rimotan) June 5, 2010
減少傾向のつづく日本とは対照的に、海外ではヤクザではなく「YAKUZA」としていろんな使われ方がされていて、その存在感は増しているようだ。
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外国人の話を聞いたり、海外のサイトを眺めたりすると、YAKUZAも、NINJAも、HENTAIも、元の日本語とはちょっと違ったニュアンスで世界へ広まっいるという感じを受けることが、しばしばあります。
YAKUZA = 非合法組織員として現代まで生き残ったサムライの子孫?
NINJA = 刀を背負って忍びの恰好・覆面をした超人的ダーク・ヒーロー?
HENTAI = 大人の女性に人気のある少しエロ系でもある筋肉ムキムキのヒーロー
いずれも、必ずしも絶対悪ではない、いわゆる「ダーク・ヒーロー」的なイメージが強いような。
まあだけど、そのイメージが世界標準って訳じゃないですから、他人に向かって気楽にそんな呼び方をするのは止めた方がいいです。