日本でよく使われているイタリア語には何があるか?
スパゲッティやティラミスなどの食べ物のほか、カリスマ 、マドンナ、インフルエンザにカジノなんかがある。
最近ではトリエンナーレ(三年毎に行われる展覧会)もすっかり有名になった。
そして忘れちゃいけない。昔から日本でよく使われているイタリア語に「マフィア (mafia)」がある。
アニメ「文豪ストレイドッグス」に登場し、横浜を縄張りにするポートマフィアなら、大抵は当たらない銃をぶっぱなすだけだから大したことはない。
でもイタリアにいるガチのマフィアには戦慄するしかない。
AFPの記事(2021年1月7日)
女性を殺して「ブタの餌」に、マフィアの大物のしわざか 伊報道
イタリアのカラブリア州で、マフィアと関係のある人物から土地の明け渡しを要求され、それを拒んだ女性が行方不明になり、後に殺害されブタのエサになっていたことが分かった。
イタリアメディアの報道だと、これはカラブリア州のマフィア「ヌドランゲタ」の大物のしわざだとか。
「同州では、人々が何の痕跡も残さず消える事件が相次いでいた」というから闇が深すぎる。
それにしてもイタリアのマフィアはブタが好きらしい。
2012年(か13年)には60歳のマフィアのボスが別組織のマフィアにさらわれて、鉄の棒で何度も殴られたあと、生きたまま豚の集団に放り込まれて、肉も骨も残らず食べられたという事件があった。
証拠が残らないからブタを殺人の道具にするのか。
「文豪ストレイドッグス」でもこんな描写はなかった。
きょう3月30日はそんな恐ろしい「マフィアの日」という記念日。
マフィアとはもともと、自分たちの農地を守るために武装していた農地管理人というから、それだと日本の武士の発生と似ている。
マフィアがシチリア島でうまれたことは間違いないが、その語源には、アラビア語の「マーハ(採石場)」とかシチリア方言の「乱暴な態度」など諸説ある。
なかでも有名な話は、1282年にシチリアで起こった虐殺事件、シチリアの晩祷(ばんとう)だ。
シチリアの晩祷の惨劇
当時のシチリア王国はフランス王族であるアンジュー家の支配下にあり、イタリア系住民はこの一族に対して不満や怒りを感じていた。
その火薬は山のようにたまっていき、あとは誰かが火をつけるとすぐに大爆発を起こす状態となる。
そんな空気を読めなかったアンジュー家の兵の一団が1282年3月30日、シチリア住民の女性に暴行したことで導火線に火がつく。
怒り狂った住民が暴徒化し暴動はシチリア全土に広がり、大地はフランス人の血で染められた。
4000人ものフランス系の住民が虐殺された。また、東ローマ遠征用の艦艇も多数が破壊されたと言われる。この反乱によりシャルルが準備していた遠征計画は大きく狂った。
イタリア人が暴動を始めたとき、晩祷(キリスト教で行う夕刻の祈り)を告げる鐘が鳴ったことから、この虐殺事件は「シチリアの晩祷」と呼ばれる。
そして、このとき暴徒が合いことばにした「Morte alla Francia Italia anela!」(フランス人に死を、これはイタリアの叫びだ!)の略語が「MAFIA(マフィア)」の語源になった。
ただこの話はマフィアの由来としてはあまりに出木杉君。
それにイタリア語としても不自然らしく、後世の誰かが創作した可能性が高いという。
アラビア語で採石場を意味するマーハや、空威張りを意味するマヒアスが語源になったと諸説あるが、由来はどうあれ、現代のマフィアが恐ろしいのはガチ。
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>2012年(か13年)には60歳のマフィアのボスが別組織のマフィアにさらわれて、鉄の棒で何度も殴られたあと、生きたまま豚の集団に放り込まれて、肉も骨も残らず食べられたという事件があった。
この、復讐・遺体始末の方法ですが、確か、映画「続・羊たちの沈黙」にも出てきますよ。記憶違いかなぁ。
あの映画で、犯人のレクター医学博士を演じたアンソニー・ホプキンスって、イタリア系でしたっけ?
マフィアと言えば、ハリウッド映画「The Godfather」の影響で、世界中ですっかり有名になってしまった単語ですけれども。本家のイタリアではむしろ、この記事にもある通り、地域によって「マフィア(シシリー島)」「ヌドランゲタ(レッジョ・カラブリア州)」とか「カモッラ(ナポリ州だったかな?)」のように各々異なる名称で呼ぶことの方が多いみたいですよ。で、互いにとても仲が悪いらしいです。(と、知り合いだったイタリア人が言ってました。彼は多分マフィアじゃないとは思うけど。)