【マダガスカル人の話】母国の良い/悪いトコ・日本について

 

さあ今回の『ふしぎ発見かも!』は東アフリカに浮ぶ島国・マダガスカル。
といっても日本人にはあんまり馴染みの国だから、まずは観光PR動画を見てイメージをつかもう。

 

 

そしたら今度は場所を確認。

 

そして最後は基本情報をチェックだ。

面積:587,295平方キロメートル(日本の約1.6倍)
人口:2,697万人(2019年)
首都:アンタナナリボ(Antananarivo)
民族:アフリカ大陸系、マレー系、部族は約18(メリナ、ベチレオ他)
言語:マダガスカル語、フランス語(共に公用語)
宗教:キリスト教、伝統宗教、イスラム教

以上の数字は外務省ホームページ「ダガスカル共和国(Republic of Madagascar)基礎データ」から。

 

最近、日本に興味があるというマダガスカル人(20代・女性)と話をしたんで、これからその内容を紹介しようと思う。
ただこれはこの人の個人的な意見、感覚だからそれは承知のうえで。

 

〇マダガスカルの良い・悪いところは何か?

・良いところ
緑が多くて自然がとてもきれいだし、マダガスカルだけにしかいないユニークで貴重な動物がいることも自慢。
クモやヘビはいるけど毒をもっているヤツはいないから、安心してハイキングを楽しむことができる。
コワい生き物と言えばワニぐらい。

以前住んでいたフランスに比べて、マダガスカルは物価が安くて生活がしやすいところも良い。
ランチなら2ユーロ(約260円)以下で食べられるし(上の動画では4ドル(約450円)と言っていたような)、家を建てるのもそんなに高くないからユトリのある生活を送ることができる。

 

・悪いところ

政治は本当にひどくて泣ける。
いまマダガスカル南部では深刻な食料不足が広がっていて、多くの人が餓死しているのに政治家は積極的に助けようとしない。
自分の住む首都アンタナナリボも、いま水不足で人びとが困っている。
シャワーの水がストップしたり、蛇口をひねっても水が出てこないことがあるから、水が必要になると店に行って買ってこないといけない。

でも政治家は同じ国の別世界に住んでいて、どいつもこいつも金持ちで何不自由ない生活をしていやがります。
それは政治家が街や国を発展させるのではなく、自分が豊かになることを考えているから。
国民は食べ物や飲み水がなくて大変な思いをしているのに、政治家は街に大きなスタジアムを作った。
それが何の役に立っているのか分からないのに、いまはケーブルカーの建設計画が進んでいる。
国の未来にとって必要かどうかは二の次三の次、アウトオブ眼中で、「それをしたら自分がどれだけ儲かるか?」という基準で政治家はいろいろな事業を決めるから、税金でイランものをつくって国民が困ることになる。

マダガスカルは見た目は民主主義国家で、一応選挙が行われているけどそれは形だけ。
実際は票ではなくて、カネの量によって結果が決まるから、この国の選挙は詐欺でしかない。
その点、フランスの政治はとてもフェアで国民の自由や権利が守られているし、民主主義が広くいきわたっているからそれはとても素晴らしいと思う。

それとマダガスカルではかつての植民地支配の経験から、いまでもフランスの影響がすごく強くて、政府はフランスを支持する立場をとっている。
もし反フランスを主張したら、その人は政治家になれないどころか逮捕される。
そういう政治腐敗が私は大嫌い。

 

話を聞いたマダガスカル人の家の窓には泥棒除けの鉄格子がある。

 

〇日本をどんな国と思う?

着物などの伝統文化、アニメや歌などのポップカルチャーが世界中に影響を与えているから、日本のイメージはとてもクール。
好きな歌手は何人かいるけど、ユーチューブで中島美嘉を見て、歌声と雰囲気がすごく良かったからすぐにファンになった。
自分はフランス語(公用語)が分かるから、フランスの動画やメディアを見てそこから日本のいろんな情報をゲットしている。
マダガスカル語では日本のことはほとんど話題にならないから、日本を含めて海外のことはフランス語の記事を読んで知ることが多い。

日本のことがこっちで大きな話題となったのは、2011年の東日本大震災で大きな津波が起きたとき。
マダガスカルではキリスト教やイスラム教の一神教の影響がすごく強いから、「すべては万物を創造した神による」という観点で物事を理解する人が多い。
その視点からすると、巨大な地震と津波が起きて多くの日本人が死んだのも神の意思。
日本には神を信じない人が多いから、神が怒って“罰”としてそんな災害を起こしたと考えるマダガスカル人がよくいた。
こちらでは地震がないし、みんなそのメカニズムがよく分からないから宗教的な視点で理解する。
街が津波にのみ込まれる映像を見て、神をもっと深く信じるようになった友人もいた。

 

 

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1 個のコメント

  • >巨大な地震と津波が起きて多くの日本人が死んだのも神の意思。
    >日本には神を信じない人が多いから、神が怒って“罰”としてそんな災害を起こしたと考えるマダガスカル人がよくいた。

    一神教の信者がそのような考えに傾きやすいことは理解はできるのですが、そのように言われると怒りを感じますね。たかが神様の気まぐれによって多くの人々が犠牲になったと、そんな考え、自分にはとても受け入れられません。
    全ては神の意思であるなら、マダガスカルでひどい政治が横行していて、それが一向に改善されないのも「神の意志」なのだろう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。