「四角いハンカチ」を決めたのは、仏王妃マリーアントワネット

 

きょう11月3日は「ハンカチーフの日」。
18世紀のフランス、いや、その時代のヨーロッパで「おしゃれ番長」として知られていた(たぶん)マリー・アントワネットの誕生日が11月2日だから、それに近い祝日(文化の日)をこの記念日にしたという。
ハンカチは西洋由来のアイテムだけど、「ハンカチーフの日」を制定したのは日本ハンカチーフ連合会でヨーロッパはまったく関係ない。

ハンカチというと最近、現役を引退した元プロ野球選手の斎藤 佑樹さんを思い浮かべるしかない。
2006年の夏の甲子園大会で、斎藤選手がマウンド上でハンカチで汗をふく姿が日本中で話題となり、ついたニックネームは「ハンカチ王子」。
同じ種類の定価400円のハンカチがヤフオクに出されると、1万円以上の値がついたことからも当時のフィーバーっぷりがうかがえる。
ちなみに斎藤さんと同世代の田中将大、坂本勇人、前田健太選手などは「ハンカチ世代」と呼ばれている。

甲子園で斎藤選手が使ったハンカチは色は青で形は四角。
色やデザインは個人の趣味として、ハンカチの形は世界中で正方形が定番になっていることには、この人物が関係していた。

 

 

フランス国王ルイ16世の妃で、絶世の美女にして純情、そして気分屋だったマリー・アントワネット。
ヴェルサイユ宮殿に住んでいた彼女はこの世で得られる最高のぜい沢を味わい、民衆の恨みを買って、フランス革命が起きるとギロチンで首を切断されこの世を去った。

そんな残酷な運命をまだ知らなかったころ、1774年にルイ16世が即位して自身もフランス王妃になると、マリーアントワさんはそれまでの宮中でのしきたりをいろいろ変えた。

王妃になったアントワネットは、朝の接見を簡素化させたり、全王族の食事風景を公開することや、王妃に直接物を渡してはならないなどのベルサイユの習慣や儀式を廃止・緩和させた。

マリー・アントワネット

 

四角いハンカチもそんな「宮中改革」のひとつだ。
それまでフランスには長方形や丸みを帯びたものなど、いろいろな形のハンカチがあった。
また貴婦人は宝石のあるゴージャスなハンカチを周囲に見せ、カネや権力を示していた。
そんな風潮にストップをかけたのがマリー・アントワネット。
ハンカチはシンプルなものがいい。すべて正方形にしましょう! と彼女が言ったことが法律になり、以後、フランスのハンカチはその形となった。

*ソースはNHK『チコちゃんに叱られる』(2019年9月20日放送)。

また Wikipedia のハンカチには「正方形の形状は、フランスのルイ16世王妃マリー・アントワネットが規格として統一させたことが始まりとされる。」とある。

このハンカチの規格がヨーロッパから世界中へ広がり、「ハンカチ王子」や「ハンカチ世代」につながったと思われる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。