【これからの日韓関係】反日の甘えはなし、相互尊重の精神で

 

日本と韓国には「困ったときの通信使」という言葉がある。(ような気がした)
歴史・政治問題で両国関係が悪化すると、江戸時代の朝鮮通信使によく注目が集まるのだ。
朝鮮政府から派遣された通信使と日本人が文化交流を通じて、友好的な関係を築いたこと時代を理想とし、その精神を現代にいかそうとする動きがよくある。

「戦後最悪」といわれるほど関係が悪化したいまがそのとき。
ということで、朝鮮通信使委員会に所属する6人の韓国議員がきのう日本へやって来て、5日間の日程でいろんな人と会って言葉を交わし、完全氷河期に入っている両国関係を少しでも動かそうとがんばるようだ。
そのために韓国側は、こんなステキなアイデアを提案するらしい。

朝鮮日報の記事(2021/11/16)

2002年に両国がサッカーワールドカップ(W杯)を共同開催してから来年で20年になることを記念し、日本側に両国の国会議員によるサッカー大会の再開を提案する考えを示した。

韓国の6議員が訪日 「関係改善の呼び水に」

 

なるほど!
両国の議員がスポーツで汗を流せば、両国の懸念もどこかへ行ってしまうのか!
韓国の議員は天才か。

これがどのていどの呼び水になるか知らんけど、あちらの議員は、

「韓日関係の発展や平和は自然に得られるものではない。朝鮮通信使の経験と歴史を教訓にして相互尊重の精神を固めていくならば現在の両国関係解決策を見いだすのに多くの示唆点を得られるものと信じる」

と思いを語る。
ただ岸田首相、茂木幹事長、林外相などカギを握る最重要人物と会談する予定はない。
たぶん日本に断られた。

とにかく朝鮮通信使委員会の活動によって、何とかして韓日関係を動かすモメンタム(韓国人はこの表現が好物)を作りだすのが目的という。

 

その信念はよし。
でも朝鮮日報の紙面を見ると、「アレ?」と思ってしまう。

 

 

韓日友好を築くために議員が日本へやって来た日に、韓国では警察トップの警察庁長が12年ぶりに竹島へ上陸して日本を怒らせた。
政治家は「相互尊重の精神を固めていく」というが、警察は日本の国民感情を傷つける。

「独島訪問」というのは韓国側の表現で、日本からみればこうなる。

テレ朝newsの記事(2021/11/16)

竹島に現職の韓国警察のトップが不法上陸した模様です。(中略)竹島に韓国側が設置したカメラの映像では、予定時間前後に警察官の姿や島から飛び立つヘリコプターが確認されました。

「竹島に韓国警察が不法上陸か ヘリや警察官の姿確認」

 

「竹島は歴史的事実から見ても、国際法上でも明らかに日本固有の領土である」という日本の立場からしたら、警察のトップが堂々と不法行為をしたことになる。
日本政府が韓国政府に強く抗議したのは当たり前で、韓国の警察庁長もそれを承知でこれを行ったはず。
民間人ならともかく、警察のトップが不法上陸しておきながら「外交的な意味合いは全くない」は通じない。

毎日新聞が「日韓外務次官が米との共同記者会見欠席、竹島問題が影響」(2021/11/18)と伝えるように、これはさっそく外交問題になって日韓の記者会見がなくなってしまった。
「今回の協議とは関係ない問題の影響で、記者会見の形式が変更になった」と話すシャーマン国務副長官は内心ではキレてたかも。

 

どうも韓国側には、「加害国の日本にはこのぐらいしてもいい」という甘えた考え方があるようだ。
日本企業の資産が現金化されたら、いまの日韓関係は終わりを迎えることは、両国の議員が誰よりもよくわかっているはず。
いまそんな「死のカウントダウン」が始まって時間がないなかで、議員によるサッカー韓日戦を提案する。
政治家の現状認識には現実感がないし、警察は日本の感情をかなり軽視しているようだ。

 

2019年に日本が輸出管理の強化を発表すると、韓国側が大反発し関係はさらに悪化した。
これは韓国側の管理体制に問題があったから、日本はそれ相応の対応をしたまでのこと。でも、韓国側はこれを「経済侵略」と呼び激怒。
そんなとき、テレビの討論番組に出た自民党の松川るい議員は、これからの韓国との付き合い方を「大人同士のいい関係」にするべきと提案した。

日テレNEWS24の記事(2019/08/06)

時間はかかりますけど、日本は今までみたいな甘え、反日、何したっていいんだと甘えているわけですよ。それはもうダメなんです。これからはそうではない普通のお互いを尊重する関係になりましょうねと、行動でもってきちんと示していかないとダメだと思います。

「韓国とどうつきあう? 松川るい議員ら議論」

 

この番組に出演した中部大学の教授も日本の対応を支持して、「国際世論を味方につけて韓国に圧力をかけるしかない」と話す。
実際この2年間の日本政府をみると、対話よりも圧力重視で、韓国には厳しめの対応をしていたと思う。

 

日本は徴用工問題で納得できる解決策を待っているのに、韓国側はそれを示さないで「サッカーやろうぜ」という。そういう提案ならメールで十分では?
日本からすれば不法上陸をしておきながら、「外交的な意味合いは全くない」と警察トップは自身の責任を回避する。
関係改善を呼びかけながら、同じ日に挑発行為を行う。
日本がこれをしたら、韓国側は大激怒するはずだ。

どうも韓国には日本に対して、何をしたっていいんだという甘えや反日があるとしか思えない。
でも、もうそれはダメで、これからはお互いを尊重する関係にならないといけない。
それは言葉ではなく、行動でもってきちんと示す必要がある。
朝鮮通信使の「相互尊重の精神」とはこんなものだったのでは?

 

 

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2 件のコメント

  • 私は韓国の政治家に不信感を抱きます。
    現在のこの最悪の韓日関係を作った主犯も政治家です。
    彼らには期待するものがありません。それよりは日韓両国の国民が頻繁に会い、話し合うべきです。そうした過程で、両国関係の誤解が解けるでしょう。私に役割をすることができれば、まず、韓国と日本の共通的な人気スポーツである野球の親善戦を韓国と日本の都市で定期的に開催するイベントを始めます。そんなイベントを通じて、多くの韓国人が日本に行って、日本人が韓国を訪問しながら対話をするようになったら政治家同士の政治的な利害打算よりも、はるかに効果的に日韓関係が改善されるでしょう。

  • 政治はどうあれ、国民的・文化的な交流はつづけるべきですね。
    でもそれぞれは別ですから、民間レベルで関係が良くなっても、それが政治につながることはほとんどないと思います。
    韓国政府が解決策を提案すれば劇的に変わりますが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。