日韓関係を放置する文政権に、韓国紙にも「断交」の二文字が

 

日本と韓国が「断交する」という表現は、日本ではネット掲示板でよく出てくる。

1965年の日韓請求権協定や2015年の慰安婦合意という、両国関係の基盤となる大事な約束を韓国側は立て続けに破ってしまったのだから、そう言いたくなる気持ちもわかる。
とはいえそれは“勢い”で書き込むだけで、現実的に日韓が断交すると考えている人はほとんどいないだろう。

 

日韓の「断交」というネット用語が、韓国の全国紙で見たのはきっとこれが初めてだ。
陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所首席研究員が朝鮮日報にこんな文章を書いている。(2021/01/24)

当分の間、韓日関係の雪解けを期待するのは難しい。このまま放置すれば韓日断交もあり得なくはないように見える。

【寄稿】韓日関係悪化、危機意識すらない韓国政府

 

チン氏がこう筆をとった直接の原因は、先日の慰安婦訴訟で韓国の裁判所が日本政府にまさかの賠償を命じたことだ。
国際社会にある国はすべて平等だから、一国が他国を裁くことはできない。
そんな主権平等の原理(主権免除)をひっくり返した今回の判決は、韓国政府にいる人間でさえ「理解しがたい…」と絶句するほどありえないものだった。

今回の判決は統治時代の日本政府の法的責任を認めたものだから、「強制徴用問題でも、今まで認められていなかった軍人・軍属たちの日本政府に対する訴訟の可能性が生じた」と指摘したチン氏は「パンドラの箱」が開いてしまったと今後の韓日関係を悲観する。
だから日本としても、この判決を受け入れることは絶対にできない。
それで「韓日断交もあり得なくはないように見える」と書く。

 

韓国に1ミリも妥協しない日本政府への批判はあるものの、「危機意識すらない韓国政府」にあるようにチン氏は韓国政府の態度に大きな問題があると主張する。
いいぞ、その調子だ。
実際、「戦後最悪」といわれるほど両国関係が悪化したのは、韓国側の約束破りと国際法違反が最大の原因だ。
約束を守った側と破った側に同じ責任を背負わせて、「どっちもどっち」とする態度は中立を装った不公平でしかない。
かといって韓国メディアがそんなことを書いたら読者の反発は必至で、経営的にもダメージをくらうからそこまでは言えない。

元徴用工問題で国際法違反の是正を要求する日本に対して、「司法府の判断だから」と木で鼻をくくったような冷たく無責任なことを言っていたムン・ジェイン政権。
そんな文大統領にチン氏はこれ以上、「高みの見物」をしてはならないと忠告する。

そしてこれが肝心、韓国政府にはことばではなく、具体的な行動を強くうながした。

文政権は韓日関係を管理するためにも、すぐに日本との対話に積極的に取り組まなければならない。そして、日本との歴史和解を実現できる具体的な案を提示しなければならない。謝罪と反省が先だという主張ばかりでは日本を説得できない。

 

韓国が歴史問題の「最終的な解決」に同意したことで、日本の謝罪と反省はもう終わったのだが、これは国内向けのことばとして無視することにしよう。

文政権へのメッセージだと思うが、チン氏は「解決策がないのが問題なのではなく、意志がないから解決できないという点に留意しなければならない」ということばで寄稿を終えている。
これまで関係悪化を放置してきた文政権に、「解決策がないのではない。その意志がなかったのだ」と指摘するのは、これ以上ないほど正確な一撃。

それでも韓国政府が反日世論に迎合して「司法府の判断だから」と問題を放置しているようなら、ことばだけの危機意識しかもっていなかったら、日韓関係の断交もあり得なくはないように見える。

 

 

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3 件のコメント

  • >文政権は韓日関係を管理するためにも、すぐに日本との対話に積極的に取り組まなければならない。そして、日本との歴史和解を実現できる具体的な案を提示しなければならない。

    ふーん、そんな意見が全国紙に出たのですか。
    でも、まあ無理でしょうね。ほぼ同時期にこんな見解も発表されているくらいですから。

    >韓国の与党「共に民主党」のキム・テニョン院内代表が、日韓関係は日本にかかっているとしながら、『関係改善のためまず日本が輸出規制(輸出管理厳格化)を撤回せよ』と主張しました。
    (「シンシアリーのブログ」より)

    でも、日韓断交なんて、できるはずがないと思いますがね。むしろそのことに危機感を覚えますよ。

  • 向こうでは対馬仏像を盗んでも無罪。
    同じ事が日本国内で起きたらどうなるでしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。