知人のインド人がSNSにこんな投稿をしているのを発見。
インドが独立国となったのは8月15日で、1月26日はインドが共和国になった日。
1950年のこの日にインド憲法が発布されたことを記念して、この日はインドの祝日になっている。
ちなみに8月15日は日本では終戦記念日で、先の戦争の犠牲者に哀悼の意をささげる日なんだが、インド人はで「ハッピー」、「コングラチュレーション」とよろこびを爆発させる。
お通夜な日本とは対照的な日。
さて、日本ではカレー・カースト・仏教の「CCB」でおなじみのこのインド。実は本来の国名は「インド」じゃなかったってことはご存じでしたか?
インド人の客引きのしつこさは尋常じゃない!といったことから、日本人旅行者のあいだでインドは「世界3大うざい国」のひとつに数えられている。
あとの2国は、よく言われるのがエジプトとモロッコ。
たしかに暑い暑いインドの街を歩いていて、突然腕をつかまれて「お土産は買わないか?なあフレンド、おまえには特別プライスにしてやる。ノー?なんでだ?」と顔を近づけて言われると、暑苦しいこと腹立つことこの上ない。
でもなかには、そんなインド人よりもウザイ日本人がいた。
インドに数か月、数年以上いる旅行者がそれで、大人数が一部屋に泊まるドミトリーでは発言力のあるボス的存在になっていた。
このへんのシステムはきっと刑務所と同じ。
「インド旅行は初めてなんです」という日本人はこのカースト制度の最下層にいるから、よく長期滞在者からくだらないツッコミを入れられる。
たとえばインドには2年いるという日本人から、「そのミネラルウォーター、いくらで買ったの?」ときかれて「〇〇ルピーです」と答えると、「え?マジで?それ、ぼったくられてるよ。そういう値段で買われると、それが日本人プライスになっちゃんだよな。迷惑するのは他の日本人旅行者だから、これからはヤメテクレル?」と言われたことがマジである。
このあと、初めてインドにきたという日本人が同じ部屋に泊まることになった。
その新人さんが別の日本人旅行者と話をしていると、「ねえ、ちょっと待ってキミタチ」とインドの達人が会話をとめる。
彼はその旅行者が使っていた「ガンジス川」というワードに引っ掛かった。
それは“インド通”の彼には看過できない重要な問題のようで、「『ガンジス』って英語だよ?それは外国語で、ボクたちはいまインドにいるんだから、『ガンガー』と現地の言葉で言うべきだ」と言う。
部外者のボクは「ホントうぜー」と思って聞いていたら、新人さんが「では、あなたの『インド』もおかしいですよね」と言い返す。
『インド』ということばは不適切?理由がわからない。
それは達人も同じで、思わぬ反撃にことばを返すことができないでいる。
そんな長期滞在者に、初インドの日本人旅行者がこう言い聞かせる。
「『インド』も外国語です。現地のことばを使うなら、サンスクリット語の『バーラト』が一番いいはずです」
『インド』は外国語でインドのことばだと「バーラト」になるというのはボクも初耳で、目からウロコが落ちまくり。
辞書をみるとたしかに彼の言う通りだ。
バーラト(Bhārat)
インド人による自国の呼称。古代インドの伝説の王バラタ(Bharata)に由来し、1949年正式国号として採択。
デジタル大辞泉の解説
では、『インド』はどこの国のことばなのか?
東京都立図書館のHPによるとそれはポルトガル語だ。
この地はインダス川の古名から「シンド(大河の意)」と呼ばれ、ペルシャ人はこれをヒンズーと呼んだ。16世紀初頭にペルシャに来航したポルトガル人が、ヒンズーをポルトガル語化して「インド」とした。
この勝負、経験だけで知識のなかった日本人の完敗。
「ガンジスじゃねえよ、ガンガーだよ」とちょっかいを出した長期旅行者は黙ってしまった。
これでおぼえた『バーラト』は忘れようがない。
おまけ
コルカタの有名宿「パラゴン・ホテル」
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