海外旅行で面白くて腹が立つのが、異文化交流ってやつ。
日本では経験できないようなぼったくり経験もそのひとつ。
食べ物・お土産・ツアーなどの料金設定には、その国社会の価値観が込められている。
そして値段交渉は価値観と価値観のぶつかり合いだ。
こっちはお金、向こうは生活がかかっているから、お互い簡単には妥協できない。
でもこの点で日本人は弱い。
世界でもきっと最弱の部類に入る。
日本の店で商品に値札があるのは、韓国にキムチがあるぐらいあたり前のこと。
でも海外ではそうでもない。
値段は実力(交渉)で勝ち取る、という国も多いのだ。
でも残念ながら、日本人はカモにされることが多い。
全体的に英語力が低いこともあるけど、ボクが知る限り、日本は世界でもっとも早く「適正価格」の文化が根付いた国だから。
江戸時代の「越後呉服屋」を知ってますか?
高校日本史ではこうならう。
越後呉服屋
三井高利が1673年に江戸に開いた呉服店。「現金掛け値なし」と切売り商法で繁盛。両替商も兼業。幕府の御用(達)商人。明治期になって分立し、現在の三越百貨店につながる。
「日本史用語集 (山川出版)」
「現金掛け値なし」というのが、ぼったくり(掛け値)なしの適正価格のこと。
日本人はむかしから誠実な商売をしてきたから、海外に行くと苦労する。
恵まれている人間は何かに欠けているから。
個人的な経験からいえば、エジプトとインドはぼったくり界の横綱。
商売が強引でしつこく、値段もジェットコースターのように変化する。
何が適正かまったく見えなくて苦労したもんだ。
最近のバックパッカーはエジプト・インド・モロッコを「世界三大うざい国」なんて呼んでいる。
逆に言えば、経験値を積めて旅人力をアップしてくれる国でもある。
ひとつ例をあげれば、インドでこんなレストランがあった。
宿の近くにあってぶらりと入ったその店は、カレーや飲み物の値段が手ごろで味もいい。
「いい店を見つけた」と思って、次の日もそこに行く。
テーブルに着いて店員が持って来たメニュー表を見て驚いた。
きのう食べたカレーの値段が2倍になっている。
一夜で何が起こったんだ?
店員にきのうの話をしたら、別のメニュー表に取り替えた。
そこに載っているカレーはきのうと同じ値段。
昨日の店員は、間違ってボクに現地人用のメニュー表をわたしてしまったらしい。
ハハ、うっかり屋さんだな。
今度からは気をつけるんだぞ。
じゃねえよ、そんな手の込んだぼったくりすんなよ。
それにしても、鼻毛ほどの良心の痛みも感じず、堂々と現地人用メニューと交換したインド人店員にはあきれた。
さすがと言うべきか。
きのう店に来てなかったら、絶対に気づかなかった。
日本ではこんな大胆で悪質なぼったくりは(普通は)ないけど、「プチぼったくり」ならたまにある。
次回、日本の居酒屋でぼったくられてキレた中国人の話を書きます。
ホントはインドの話を導入として書こうとしたら、思いのほか長くなったもんでひとつの記事にしちゃいました。
おまけ
インドの首都デリー、旧市街の様子
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