【嫌がらせ?】台湾・中国人が日本で驚く冷水サービス

 

海外に行くと、何でもないようなことがシアワセだったと思う。
そんなこともあるかもしれんけど、現地の人には何でもないことが、外国人にはとても不思議に感じることは多々ある。

台湾メディアの「三立新聞網」が最近、台湾のネット上で繰り広げられた「日本のラーメン店のテーブルにはなぜ冷たい水が置いてあるのか」という議論についての記事を載せた。

Record Chinaの記事(2021年12月2日)

ラーメンに冷たい水は、日本人の「心遣い」だった?―台湾メディア

ある台湾人が日本のラーメン店に入ったところ、テーブルの上には氷水の入ったボトルが置かれていた。
そんな店がいくつもあったから、これが日本の常識だと彼(彼女?)は考えた。
台湾のラーメン店ではお湯を出す店がほとんどで、冷水を出す店はとても少ないから、「どうして日本は寒いのに、ラーメンを食べるのに冷水を出すのだろうか」とネットで疑問をつぶやいたところ、ネット民からはいろいろな意見が寄せられた。

「日本はどの飲食店でも冷たい水が出てくる」というのは台湾人の印象であって事実じゃないけど、「日本人は冷たい水を飲む習慣がある。ラーメン以外の物を食べる時も同じで、冬でもやっぱり冷水が出される」の指摘は正しい。

テーブルの上に冷水がある。
そんな日本人には何でもないことから、それは「新鮮な水」であることを示す心遣いだ、「珍しい物」で客をもてなす日本人の「おもてなし文化」の表れだとか、台湾の人たちからは様々な発想が出てくる。
そんなコメントのなか、個人的に「ほぉ~」と思ったのがコレ。

「製氷技術が発達していなかった昔の日本では氷は高級品とみなされ、氷水が大事なお客様をもてなすためのものとされていた。その名残で、今でも客人に対する最高の誠意と礼儀を示している」

氷がぜいたく品や貴重品と思われていた明治時代、有料で氷水だけを提供する店があったというのを何かの本で読んだ記憶がアリ。
現代の「冷水サービス」はそんな時代の名残かもしれない。

で、これに日本のネット民の感想は?

・麦茶だったときの当たり感
・ラーメンにコーラの組み合わせとか、マジで変態のやること!
・むしろなんで冷水飲まんの?
冷たい方が美味しいじゃん
・真面目な話。なんでラーメン屋は水色のコップ使ってるんだよ!
・>台湾のラーメン店ではお湯を提供する店がほとんど
むしろ、こっちの方が信じられん
熱いラーメン食って汗出てきたときにお湯飲むのか?

 

 

日本人の間では「水=冷たい水」となっているから、店で「水をください」と言えば冷水が出てくるし、温かいものがほしければ「お湯(お茶)をください」と言う。
でも中国語の水は温度に関係ないから、「冷水」「温水」「熱水」というように具体的に言う必要がある。
ちなみに中国語で「湯」というとスープの意味だ。

中国ではバランスの取れた食事をとることで病気を予防したり、治療しようとする「医食同源」という考え方があって、食べ物と健康とのつながりをとても重視しているのだ。
*「医食同源」という言葉は、中国の薬食同源思想をヒントに日本人がつくった造語。

物知り香港人から聞いた話では、体を冷やすことは健康に悪いという考え方が中国医学にあるから、中国人は伝統的に冷たい食べ物・飲み物を嫌がるし、できるだけ避けようとする。
それでどんなときにも、お湯やお茶を飲む文化が生まれたという。
「熱いラーメン食って汗出てきたときにお湯飲むのか?」と驚く日本人がいたけど、彼らにとっては氷水よりはその方が常識的なはず。
それに一昔前、生水には「危険」というイメージがあるから、基本的には飲まないという話を聞いた。

こういう考え方が薄い日本では、水といえば冷水が当たり前。
だから真冬でもレストランで、「いらっしゃいませー」と店員が氷水を持ってきてテーブルの上に置くのを見て、「マジか‥」とビックリした中国人や台湾人もいる。
こうなると「客人に対する最高の誠意と礼儀を示している」の逆で、知人の台湾人はむしろ“嫌がらせ”のように思ったし、中国人の日本語ガイドは日本企業の研修で冷めた弁当を出されて「屈辱的‥」と怒りを感じたという。
もちろんその対応は日本人にも同じだから完全平等だけど、文化や習慣の違いからまったく別の感じ方をすることもある。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

中国人に人気のある日本の都道府県・グルメ・寺・アニメって?

中国にあって日本になかったもの。「阿片吸引」の悪習慣

中国人ガイドも驚く「日本人の三国志好き」、その背景は?

中国 「目次」

日本の「中国料理と中華料理」の違いって? 中国人の感想は?

 

2 件のコメント

  • 台湾はともかく、大陸中国ではそのまま口にできるような「清水」は、日本ほど容易には入手できなかったですからね。一度沸かして湯にするのが「安全な」飲用方法だったと思われます。
    日本人が持ち込んだ「刺身」が今では台湾でも一般的に食されているようですが、彼らは、ものすごく大量のワサビをつけて食べる人が多いようです。以前「なぜそんなにワサビを使うのか?」と彼らに聞いたことがあるのですが、答えは「毒消しのため」とのことでした。おそらく昔の台湾では、生食できるような鮮度の高い魚介を入手するのは、難しかったのでしょう。
    20年以上も昔に行ったことがあるシンガポールの高級寿司屋(ただし寿司職人は全員韓国人)で、寿司ネタの鮮魚は全て成田から空輸していると聞いて「そりゃ高いはずだ」と納得しました。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。