【キンコンカコン】学校のチャイムの元ネタ・外国人の感想

 

きのう12月28日は1065年に、イギリスのロンドンでウェストミンスター寺院が竣工した日だった。

ここはイングランド国教会の教会で、歴代の国王が戴冠式を行ってきた伝統と歴史のある寺院。(寺院が教会?)
ウェストミンスター寺院はイギリスを象徴する建物で世界的にも有名だから、この名を聞いたことのある日本人も多いと思われ。

 

 

でもしょせんは外国のことだし、上のウェストミンスター寺院を知らない人もいるかもしれないが、この教会の鐘の音を聞いたことのない日本人はいないはず。

 

 

日本の学校で授業を知らせる「キーンコーンカーンコーン」の元ネタがこの鐘、ウェストミンスター・チャイム(Westminster Chime)だ。

この教会の鐘が日本の学校に採用されたのは昭和31年(1956年)のこと。
それまでは学校の職員がベル鳴らしながら、校舎の中を歩いて子どもたちに伝えていたという。
でもこれだと2つの問題点がある。

・最初にベルの音を聞いた子どもたちは、休み時間が短くなるから不公平。
・ベルの音は戦時中の空襲警報の音と似ていた。

このころは太平洋戦争が終わってからまだ10年もたっていなかったから、ベルの音を聞くと、警報が町中に鳴り響いて米軍機が爆撃を行ったことを思い出す人も多かったのだ。

戦争の辛く悲しい記憶を呼び起こすのはよくない。
中学校教師をしていた井上 尚美(いのうえ しょうび)が「もっと良い音はないのだろうか?」と考えていたとき、出会ったのが、ラジオから流れてきたウェストミンスター・チャイムです。
この音に安らぎを感じた井上が日本で初めて導入し、それからこれが学校の合図として全国へ広がっていった。

以上のことはNHKの『チコちゃんに叱られる』(2018年7月28放送)を参考にしますた。

 

知人にポーランド出身で、アメリカの大学を卒業したあと、日本の学校で英語を教えていて、いまはアメリカに住んでる人がいる。
このまえ話をしたときに学校のチャイムについて聞いたところ、その人が通っていた学校では基本そんなものはなかったと言う。
日本の学校で働いていたときは、授業と授業の合間に10分間の休憩があって、「キーンコーンカーンコーン」の合図で子どもたちにその終わりを知らせていた。
でもポーランドの学校ではそんな休み時間はなく、みんな時計を見て行動していた。
40分間の昼休みならあって、先生が運動場でベルを鳴らして、遊んでいる子どもたちに終わりを伝える。先生に頼まれた子どもがそれをすることもあり。
アメリカの小中高校に通ったことはないけど、よくドラマで目覚まし時計みたいな音が鳴るのを聞く。

その人は日本の学校のチャイムの音を、来日する前から知っていたと言う。
で、「さすがウェストミンスター寺院。世界的かどうかは知らんけど、あの鐘は欧米では有名なのか」と思ったら、ぜんぜん違った。
日本のアニメで学園モノがよくあって、あの鐘の音は何度も聞いたから自然に覚えたという。
知人のアメリカ人や台湾人もウェストミンスター・チャイムは知らなかったけど、日本のアニメやドラマであの音は知っていた。

ひょっとしたら世界的には「ウェストミンスター・チャイム」よりも、「日本の学校のチャイム」として知られていたりして。
何も知らない日本人がロンドンで本家の音を聞いたら、「日本のをパクった?」と一瞬思うかもしれない。

 

 

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1 個のコメント

  • > 何も知らない日本人がロンドンで本家の音を聞いたら、「日本のをパクった?」と一瞬思うかもしれない。

    ははは、さすがに日本人でそれはないでしょう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。